小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

都市

1254 ペットとともに暮らす時代 「犬」論議に思う

大阪府泉佐野市が犬の糞の放置対策のため導入を検討していた「犬税」について、断念する方向だというニュースを見た。こうした苦肉の策を考えたのは、犬の糞害が相当ひどいということなのだろう。私の散歩する道でも相変わらず糞が放置されているのを見かけ…

1252 沖縄の建築物の魅力を追う 「小さな宝石のような風景」を連載

沖縄暮らし15年になる友人が南の島の建築物に魅せられ、朝日新聞のホームページ「朝日新聞デジタル」で「沖縄建築パラダイス」と題した連載を続けている。ことし1月から始まった連載は既に14回を数え、個性豊かな建築物を通して沖縄の魅力を伝えている…

1252 沖縄の建築物の魅力を追う 「小さな宝石のような風景」を連載

沖縄暮らし15年になる友人が南の島の建築物に魅せられ、朝日新聞のホームページ「朝日新聞デジタル」で「沖縄建築パラダイス」と題した連載を続けている。ことし1月から始まった連載は既に14回を数え、個性豊かな建築物を通して沖縄の魅力を伝えている…

1242 成長著しいキジバトの雛 巣立ちの日が近付く

6月に入った。二十四節気の小満から芒種を経て夏至が終わると、1年も半分が終わる。現在は小満の季節。「いのちが、次第に満ち満ちていくころのこと。草木も花々も、鳥も虫も獣も人も、日を浴びて輝く季節」(白井明大・日本の七十二候を楽しむ)時期だ。…

1241 続・どこへ行く微笑みの国 祖国を憂いる留学生

タイ・チェンマイに住む友人からメールが届いた。日本に留学している知人とタイの情勢についてメールを交わしたという。その内容を2人に迷惑が掛からないよう手直しし、紹介したい。 友人によると、日本に留学している人はAさんと言い、両親が公務員という…

1240 どこに行く微笑みの国 タイ・だれが賢いのか

タクシン派(赤シャツ)と反タクシン派(黄シャツ)が対立して混乱が続いているタイで、国軍がクーデターを起こし、プラユット陸軍司令官が首相代行になることを宣言し、インラック前首相らタクシン(元首相でインラック氏の兄、国外で亡命生活中)派の人々の…

1239 故郷の原風景とは 盲目の詩人の静かな問いかけ

「コールサック」という詩誌に、金沢在住の詩人、うおずみ千尋さん(69)が「盲目の日に」という連載エッセイを載せている。最新号の78号には「故郷の風景―3月11日に寄せて―」と題して、うおずみさんが故郷の福島県いわき市で送った少女時代の思い出…

1234 愛敬あるリャマに敬意 深まるナスカの地上絵の謎

南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」に関し、新たにラクダ科の「リャマ」を描いた地上絵が見つかったというニュースが流れた。現地にナスカ研究所を開設、調査を続けている山形大学のチームが発見したという。 3月、セスナに乗ってこの絵を見た一人とし…

1234 愛敬あるリャマに敬意 深まるナスカの地上絵の謎

南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」に関し、新たにラクダ科の「リャマ」を描いた地上絵が見つかったというニュースが流れた。現地にナスカ研究所を開設、調査を続けている山形大学のチームが発見したという。3月、セスナに乗ってこの絵を見た一人とし…

1232 死語でなかった「奴隷」という言葉  ナイジェリアの女子生徒誘拐事件に思う

ナイジェリアといえば、奴隷海岸を思い浮かべる。13世紀にポルトガルによってラゴスが建設され、奴隷貿易の拠点となり、その後17世紀から19世紀にかけてヨーロッパの貿易商たちはアフリカの人々をアメリカ大陸に奴隷として送り続け、ナイジェリアの海…

1229 雪に負けず育つオリーブ 新潟で障害者の自立を支援

新潟は豪雪地帯である。その新潟でオリーブ栽培に取り組んでいる知人がいる。障害者の自立支援のNPO「ひなたの杜」を運営する橋元雄二さんだ。新潟市内の耕作放棄地を借りてオリーブを植え、障害者とともに育てているオリーブは順調に育ち、昨年から実を…

1222 さまざまの事おもひ出す桜かな 東京を歩いて

「さまざまの事おもひ出す桜かな」。芭蕉45歳(1688年)の時の句である。桜が満開になった先日、こんな思いを抱きながら東京の街を歩いた。 書店に行くと、「ウォーキング」に関する本がかなり並んでいる。のんびり歩く散歩に比べ、同じように歩くことでも…

1221 南米の旅―ハチドリ紀行(10)完 アマゾンに伝わる言い伝えから

この南米の旅のブログのサブタイトルである「ハチドリ紀行」は、南米に住むハチドリという鳥にちなんで付けたことは1回目に書いた。私がハチドリという言葉を知ったのは、いまから4年前のある会合だった。この時、アフリカのスーダンで医療活動をしている川…

1220 南米の旅―ハチドリ紀行(9) 自然の宝庫・蝶の話

この南米の旅のブログ、5回目「天空の城を蝶が飛ぶ」で、マチュピチュに現れた蝶を同行者が撮影した話を紹介した。その中では「蝶に詳しいガイドと同行者の一人に聞いても、この蝶の種類は分からなかった」と書いたが、その後、その同行者からこの蝶に関し…

1219 南米の旅―ハチドリ紀行(8) 胸を突かれた言葉

「あんなに値引きをさせたら、かわいそうだ」。マチュピチュへの拠点の一つ、ウルバンバのホテルの玄関わきには、ウールのセーターをはじめとする毛製品や雑貨などさまざまなペルーの民芸品を売る女性が陣取っていた。泊り客の日本人を目当てに、ホテルの了…

1218 南米の旅―ハチドリ紀行(7) 都市の風景=歴史のたたずまいに触れる

それぞれの都市に歴史がある。その歴史が特徴ある街並みを形成し旅情を誘うのだ。南米4ヵ国の旅で訪れた大きな街はパラグアイの首都アスンシオン、ペルーの首都リマ、さらにインカ(現ペルー)の古都クスコだった。3つの街はいずれもがスペイン統治下の影響…

1217 南米の旅―ハチドリ紀行(6) あれがナスカの地上絵?

かなり以前のことになるが、あまり天気が良くない日に仙台から函館までセスナ機に乗ったことがある。途中、岩手県花巻空港で給油しての長時間のフライトだった。ペルー南部の世界遺産「ナスカの地上絵」を見るため、12人乗りのセスナに乗った。巨大な絵を…

1216 南米の旅―ハチドリ紀行(5) 天空の城を蝶が飛ぶ

標高2280メートルの高地にあるペルーのマチュピチュ。数多い世界遺産の中でもひときわ人気が高い謎の遺構である。NHKの旅番組のアンケートで「行ってみたい世界遺産」のトップに選ばれたマチュピチュだが、古都・クスコを経てこの遺構に行ってみて、…

1215 南米の旅―ハチドリ紀行(4) パラグアイ移民として50年

イグアスの滝からの帰り、パラグアイ・イグアス市の移住地で東京五輪(1964年)の直前に鹿児島から移住したという一人の日本人に会った。園田八郎さん(64)である。南米移民というと戦前の話かと思っていたが、高度経済成長の陰で依然として移民政策…

1214 南米の旅―ハチドリ紀行(3) 悪魔ののど笛にて・ささやきにおびえる

「悪魔ののど笛」と聞いて、人はどんなことを想像するだろう。のど笛は、首ののど仏のあたりを言うが、悪魔と付くからには、やはり不気味さが伴う。そんな場所がイグアスの滝のアルゼンチン側にあり、現地を見て合点がいった。だれが付けたかは知らないが、う…

1213 南米の旅―ハチドリ紀行(2) 大いなる水イグアスの滝

米国史上最も偉大な大統領といわれた第32代大統領・フランクリン・ルーズベルト(ローズベルトとも表記)の夫人・エレノア・ルーズベルトは、リベラルな婦人運動家で国連代表も務めた著名人である。ブラジルとアルゼンチンにまたがる世界3大滝の一つ「イ…

1212 南米の旅―ハチドリ紀行(1) 4万キロ、10回の飛行機乗り継ぎ

南米に行ってきた。往復4万キロ、飛行機を計10回乗り継いだ旅は、決して楽なものではなかった。それでも心に残る風景や人に出会った。スケールの大きい自然と歴史の驚異に接し、疲れも忘れた。南米・アマゾンには「ハチドリのひとしずく」という言葉があ…

1206 3・11、最前線の初動は インタビュー集「『命の道』を切り開く」

「降る雪が雨へと変わり、氷が解け出すころのこと。昔からこの季節は農耕の準備をはじめる目安」―きょう19日は24節気の「雨水」に当たる。立春が過ぎ、雨水、啓蟄を経て春分へと季節は向かっていく。 2月も残り9日になったが、ことしは未曽有ともいえ…

1206 3・11、最前線の初動は インタビュー集「『命の道』を切り開く」

「降る雪が雨へと変わり、氷が解け出すころのこと。昔からこの季節は農耕の準備をはじめる目安」―きょう19日は24節気の「雨水」に当たる。立春が過ぎ、雨水、啓蟄を経て春分へと季節は向かっていく。 2月も残り9日になったが、ことしは未曽有ともいえ…

1204 氷上に映えた羽生の凛々しさ 仙台人の気質とは

ソチ五輪の男子フィギュアで金メダルを取った羽生結弦は仙台市泉区の出身だ。プロ野球で活躍し、1月に野球殿堂入りを果たした佐々木主浩(かずひろ)も同じ泉区の生まれで、高校(東北高校)は羽生の大先輩にあたる。 羽生が生まれる以前のことになるが、私…

1204 氷上に映えた羽生の凛々しさ 仙台人の気質とは

ソチ五輪の男子フィギュアで金メダルを取った羽生結弦は仙台市泉区の出身だ。プロ野球で活躍し、1月に野球殿堂入りを果たした佐々木主浩(かずひろ)も同じ泉区の生まれで、高校(東北高校)は羽生の大先輩にあたる。羽生が生まれる以前のことになるが、私…

1202 幻のオリンピック物語 2020東京大会は成功するのか

ロシアのソチで冬季五輪(第22回)が開催されている。旧ソ連時代、1980年夏の大会がモスクワ(22回大会)で開かれたが、アフガニスタンへのソ連軍の侵攻をめぐって日本を含む西側の多くの国が参加をボイコット、寂しい大会になった。そんな経緯があ…

1201 天から送られた手紙 大雪は何を持ってきたのか

物理学者(雪氷科学者)で随筆家だった中谷宇吉郎は「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残している。雪の研究に没頭した中谷は、北海道・十勝岳の麓で雪の結晶を撮影し、1936年(昭和11年)には北海道大学の低温研究所で、兎の腹毛を使って…

1196 あるジャーナリストの憂鬱な日々 「こんな人がNHKに」

仙台在住のジャーナリスト・松舘忠樹さん(元NHK記者)は、東日本大震災後の2011年12月から被災地の復興の動きを「震災in仙台」と題し、ブログで書き続けている。地道に、丹念に取材したブログは被災地と被災者の姿を追った貴重な記録となっている。…

1192 冬の日の東京タワー 富士山隠す寒の靄(もや)

東京タワー(高さ333メートル)が1958年12月23日に完成してから、55年が過ぎたという。半世紀以上も東京のシンボル的存在だったタワーも、東京スカイツリー(634メートル)という倍近い超高層建築物の登場でやや影が薄くなった感がある。見…