小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

1134 人の生き方を問いかけるアニメ 宮崎駿監督の「風立ちぬ」

どんな世の中でも自分の仕事に打ち込む姿は悪くはない。政治や社会情勢に引きずられることなく、仕事ができれば幸せなことだ。宮崎駿監督のアニメ「風立ちぬ」を見て、そう思った。 私たちも含め、多くの人は時代にほんろうされて生きている。このアニメの主…

1134 人の生き方を問いかけるアニメ 宮崎駿監督の「風立ちぬ」

どんな世の中でも自分の仕事に打ち込む姿は悪くはない。政治や社会情勢に引きずられることなく、仕事ができれば幸せなことだ。宮崎駿監督のアニメ「風立ちぬ」を見て、そう思った。 私たちも含め、多くの人は時代にほんろうされて生きている。このアニメの主…

1133 ベトナム・カンボジアの旅(7) 理想と現実は違うのだ・メコンにて思う

メコン川はチベット高原が源流で、中国の雲南省―ミャンマー・ラオス国境―タイ・ラオス国境―ベトナム―カンボジアを経て南シナ海へと抜ける全長4023キロに及ぶ大河だ。 以前、NHKが各国のこの流域に住む人たちを紹介する特集番組を制作したのを見て、メ…

1133 ベトナム・カンボジアの旅(7)完 理想と現実は違うのだ・メコンにて思う

メコン川はチベット高原が源流で、中国の雲南省―ミャンマー・ラオス国境―タイ・ラオス国境―ベトナム―カンボジアを経て南シナ海へと抜ける全長4023キロに及ぶ大河だ。 以前、NHKが各国のこの流域に住む人たちを紹介する特集番組を制作したのを見て、メ…

1132 ベトナム・カンボジアの旅(6) ハロン湾紀行

私の部屋に何枚か写真が飾ってある。その1枚は、かつて旅したことがあるニュージーランドの世界自然遺産・ミルフォード・サウンドで撮影したものだ。NZ南島のフィヨルランド国立公園にあるスケールの大きなフィヨルドだ。その写真の隣に今回の旅で撮影し…

1132 ベトナム・カンボジアの旅(6) ハロン湾紀行

私の部屋に何枚か写真が飾ってある。その1枚は、かつて旅したことがあるニュージーランドの世界自然遺産・ミルフォード・サウンドで撮影したものだ。NZ南島のフィヨルランド国立公園にあるスケールの大きなフィヨルドだ。 その写真の隣に今回の旅で撮影し…

1131 ベトナム・カンボジアの旅(5) ベトナムのバイク戦争

ベトナムの首都・ハノイに入り、そしてカンボジアを訪れ、さらに再びベトナムに戻り南のホーチミン(旧サイゴン)に行くと道路はものすごいバイクに占拠されていて、遠い時代の中国を思い出した。それは初めて中国を訪れた29年前の夏まで遡る。当時の中国…

1131 ベトナム・カンボジアの旅(5) ベトナムのバイク戦争

ベトナムの首都・ハノイに入り、そしてカンボジアを訪れ、さらに再びベトナムに戻り南のホーチミン(旧サイゴン)に行くと道路はものすごいバイクに占拠されていて、遠い時代の中国を思い出した。 それは初めて中国を訪れた29年前の夏まで遡る。当時の中国…

1130 ベトナム・カンボジアの旅(4) 東洋のモナリザの魅力に負けたマルロー

紅色砂岩を基調として造られたバンテアイ・スレイは心に残った遺跡の一つだ。アンコールワットと比べ、規模は小さいが、「東洋のモナリザ」(元上智大学長で、長い間アンコール遺跡の調査に当たった歴史学者の石澤良昭氏が命名)ともいわれる優美なデバター…

1130 ベトナム・カンボジアの旅(4) 東洋のモナリザの魅力に負けたマルロー

紅色砂岩を基調として造られたバンテアイ・スレイは心に残った遺跡の一つだ。アンコールワットと比べ、規模は小さいが、「東洋のモナリザ」(元上智大学長で、長い間アンコール遺跡の調査に当たった歴史学者の石澤良昭氏が命名)ともいわれる優美なデバター…

1129 カンボジアの旅(3) 父親が無念の死・友人の話

アンコールワットは、あらためて詳しく紹介する必要がないほど日本でもよく知られている。私の場合、平泉や富士山が登録される以前は「世界文化遺産」と聞いて思い浮かべたのはアンコールワットだった。12世紀前半、当時のスーリヤヴァルマン2世によって…

1129 ベトナム・カンボジアの旅(3) 授業料無料の日本語学校

シェムリアップでアンコールワットのガイドをしてくれたパンニャヴットさんに「どこで日本語を勉強したのですか」と聞いたら、「シェムリアップの山本学校です。授業料は無料でした」と答えがあった。昼、観光の途中に立ち寄った土産店と道路を挟んで反対側…

1128 ベトナム・カンボジアの旅(2) 父親が無念の死・友人の話

アンコールワットは、あらためて詳しく紹介する必要がないほど日本でもよく知られている。私の場合、平泉や富士山が登録される以前は「世界文化遺産」と聞いて思い浮かべたのはアンコールワットだった。 12世紀前半、当時のスーリヤヴァルマン2世によって…

1128 ベトナム・カンボジアの旅(2) 授業料無料の日本語学校

シェムリアップでアンコールワットのガイドをしてくれたパンニャヴットさんに「どこで日本語を勉強したのですか」と聞いたら、「シェムリアップの山本学校です。授業料は無料でした」と答えがあった。昼、観光の途中に立ち寄った土産店と道路を挟んで反対側…

1127 ベトナム・カンボジアの旅(1)  アンコールワットへの夢果たせず死んだ記者

都市にはそれぞれの歴史がある。それは日本だけでなく世界中のどの都市にも当てはまる。そしてそこに住む人たちもまた、都市とともに歴史を刻んでいる。東南アジアのベトナム、カンボジアのいくつかの都市を旅した。20世紀後半まで戦火に包まれ、多くの国…

1127 ベトナム・カンボジアの旅(1)  アンコールワットへの夢果たせず死んだ記者

都市にはそれぞれの歴史がある。それは日本だけでなく世界中のどの都市にも当てはまる。そしてそこに住む人たちもまた、都市とともに歴史を刻んでいる。東南アジアのベトナム、カンボジアのいくつかの都市を旅した。20世紀後半まで戦火に包まれ、多くの国…

1126 都市部のマンションにヤモリ 益虫・害虫の話

子どものころの夏の楽しみというか、遊びは近くの山に行ってクワガタを取ってきて、雄同士で戦わせることだった。クワガタの雄には、角のように見える大きな顎があり、それが武器になるのだ。クワガタに比べてカブトムシはどこにでもいて価値が低かった。慣…

1126 都市部のマンションにヤモリ 益虫・害虫の話

子どものころの夏の楽しみというか、遊びは近くの山に行ってクワガタを取ってきて、雄同士で戦わせることだった。クワガタの雄には、角のように見える大きな顎があり、それが武器になるのだ。 クワガタに比べてカブトムシはどこにでもいて価値が低かった。慣…

1125 神様の贈り物の時間を生きる… 愛犬をめぐる7つの物語

「3歳までは幼犬、6歳までは良犬、9歳までは老犬、10歳からは神様の贈り物」。スイスでは大型犬に関して、こんな言葉があるという。特にこの国が生まれ故郷であるバーニーズ・マウンテン・ドッグは短命であり、文字通り10歳過ぎると、この犬は急速に…

1125 神様の贈り物の時間を生きる… 愛犬をめぐる7つの物語

「3歳までは幼犬、6歳までは良犬、9歳までは老犬、10歳からは神様の贈り物」。スイスでは大型犬に関して、こんな言葉があるという。特にこの国が生まれ故郷であるバーニーズ・マウンテン・ドッグは短命であり、文字通り10歳過ぎると、この犬は急速に…

1124 望郷の思いで聞く名曲 友人のシャンソンコンサートにて

「青く澄んだ山にかこまれたふるさと その土地をすてて 永いこと夢みていた 都会のくらしに 彼らはでていく…(略)今も山は美しい 春は花が咲き乱れ空に小鳥さえずる ふるさとの山は」(ジャン・フェラ作詞作曲、古賀力訳)。6月29日夜、東京・神楽坂のラ…

1124 望郷の思いで聞く名曲 友人のシャンソンコンサートにて

美しい故郷をすてて若者は都会に出ていく。そして長い年月が過ぎる。でも故郷の山はいまも美しい……。シャンソン「ふるさとの山」はこんな曲だ。6月29日夜、東京・神楽坂のライブホール・The GLEEで開かれた友人のシャンソン歌手・斉藤信之さんのコンサー…