小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

1007 山頭火と高倉健 映画「あなたへ」を見て思うさまざまな人生

「このみちや いくたりゆきし われはけふゆく」(注=筆者。この道は、多くの人々や人生が行き交っている。私はその人生をきょうも歩いている) 作者は放浪の俳人といわれ、無季自由律俳句(句の中に季語を入れない)で知られる種田山頭火である。歌人・若山…

1007 山頭火と高倉健 映画「あなたへ」を見て思うさまざまな人生

「このみちや いくたりゆきし われはけふゆく」(注=筆者。この道は、多くの人々や人生が行き交っている。私はその人生をきょうも歩いている) 作者は放浪の俳人といわれ、無季自由律俳句(句の中に季語を入れない)で知られる種田山頭火である。 歌人・若…

1006 世界で一番住みやすい都市は? 大阪はなぜ魅力があるのか

「世界で最も住みやすい都市」という調査結果を英国のエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)という経済分析機関が毎年発表している。2012年版では、かつて第16回オリンピック夏季大会が開かれたオーストラリアのメルボルンが世界一だそ…

1006 世界で一番住みやすい都市は? 大阪はなぜ魅力があるのか

「世界で最も住みやすい都市」という調査結果を英国のエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)という経済分析機関が毎年発表している。2012年版では、かつて第16回オリンピック夏季大会が開かれたオーストラリアのメルボルンが世界一だそ…

1005 10歳でも1000キロは歩けるのだ ビクトル古賀の半生

サンボという格闘技があることは知っていたが、かつてサンボの神様といわれた人物がいたことは石村博子著「たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く」(角川文庫)を読むまで全く知識にはなかった。 たまたまこの本の前に、マーク・ト…

1005 10歳でも1000キロは歩けるのだ ビクトル古賀の半生

サンボという格闘技があることは知っていたが、かつてサンボの神様といわれた人物がいたことは石村博子著「たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く」(角川文庫)を読むまで全く知識にはなかった。 たまたまこの本の前に、マーク・ト…

1004 日本一住みたい場所は? 長崎・五島への旅

日本一住みたい場所はどこかと聞かれたら、何と答えたらいいのだろうかと悩んでしまう。住めば都という言葉がある通り、自分が住んでいる地域が気に入っている人は少なくないだろう。原発事故で故郷を追われた福島の多くの人たちは、自分たちの故郷が日本一…

1004 日本一住みたい場所は? 長崎・五島への旅

日本一住みたい場所はどこかと聞かれたら、何と答えたらいいのだろうかと悩んでしまう。住めば都という言葉がある通り、自分が住んでいる地域が気に入っている人は少なくないだろう。原発事故で故郷を追われた福島の多くの人たちは、自分たちの故郷が日本一…

1003 3・11日本の新聞は敗北した NYタイムズ東京支局長の新聞批判

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に関して、おびただしいニュースが流されたにもかかわらず、特に原発事故の報道にはいらだちを感じた。事故をめぐって日本のマスコミ、その中心である新聞の報道は頼りなかった。原発のメルトダウンやSPEED(緊…

1003 3・11日本の新聞は敗北した NYタイムズ東京支局長の新聞批判

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に関して、おびただしいニュースが流されたにもかかわらず、特に原発事故の報道にはいらだちを感じた。事故をめぐって日本のマスコミ、その中心である新聞の報道は頼りなかった。原発のメルトダウンやSPEED(緊…

1002 スピリチュアリティと自分探しの旅 パウロ・コエーリョの「星の巡礼」 (サンチャゴへの道)

スペイン・サンチャゴへの巡礼の旅を描いた「星の旅人たち」は、分かりやすい映画だった。それに比べると、パウロ・コエーリョの小説「星の巡礼」は、同じようにサンチャゴ巡礼の話とはいえ、スピリチュアリティ(霊性)という超自然的なものを求めるのがテ…

1002 スピリチュアリティと自分探しの旅 パウロ・コエーリョの「星の巡礼」 (サンチャゴへの道)

スペイン・サンチャゴ(サンティアゴ・デ・コンボステラ)への巡礼の旅を描いた「星の旅人たち」は、分かりやすい映画だった。それに比べると、パウロ・コエーリョの小説「星の巡礼」は、同じようにサンチャゴ巡礼の話とはいえ、スピリチュアリティ(霊性)…

1001 たった1本のオリーブでも いつかは陽気さ伝わる日が

隣の家との境に植えていたツルバラを思い切って切り、オリーブのレッチーノ(イタリア原産)という小さな苗を1本植えた。九州のオリーブ畑を見て、わが家にもほしくなったからだ。先日訪ねた長崎・平戸では、知人が耕作放棄地にオリーブを植えることになっ…

1001 たった1本のオリーブでも いつかは陽気さ伝わる日が

隣の家との境に植えていたツルバラを思い切って切り、オリーブのレッチーノ(イタリア原産)という小さな苗を1本植えた。九州のオリーブ畑を見て、わが家にもほしくなったからだ。先日訪ねた長崎・平戸では、知人が耕作放棄地にオリーブを植えることになっ…

1000 歴史の街を歩く 平戸と萩への旅・萩にて(2)

長崎県平戸市から山口県萩市へと至るコースは、けっこう遠い。平戸で岡山さんらと会った私は、岡山さんの車で3セク・松浦鉄道たびら平戸口まで送ってもらい、この駅から佐世保に行き、JR九州の在来線の特急に乗り換えて博多まで1時間50分、さらに新幹線…

1000 歴史の街を歩く 平戸と萩への旅・萩にて(2)

長崎県平戸市から山口県萩市へと至るコースは、けっこう遠い。平戸で岡山さんらと会った私は、岡山さんの車で3セク・松浦鉄道たびら平戸口まで送ってもらい、この駅から佐世保に行き、JR九州の在来線の特急に乗り換えて博多まで1時間50分、さらに新幹線…

999 歴史の街を歩く 平戸と萩への旅・平戸にて(1)

駆け足で長崎の平戸と山口の萩に行ってきた。目的は2つの街の博物館を訪ねることだった。 南蛮貿易の拠点になった平戸、明治維新の中心を担った長州藩の本拠地だった萩。両市とも歴史に名を残している伝統の街だ。人は地方から大都市へと集まり続け、日本は…

999 歴史の街を歩く 平戸と萩への旅・平戸にて(1)

駆け足で長崎の平戸と山口の萩に行ってきた。目的は2つの街の博物館を訪ねることだった。 南蛮貿易の拠点になった平戸、明治維新の中心を担った長州藩の本拠地だった萩。両市とも歴史に名を残している伝統の街だ。人は地方から大都市へと集まり続け、日本は…

998 ピストリウスの活躍に爽快感 もうひとつのロンドン五輪

このブログで「義足のランナーに五輪資格を」と書いたのは、5年前の2007年12月のことだ。北京五輪(2008年8月)を前に、南アフリカの義足の男子短距離ランナー、オスカー・ピストリウス選手(現在25歳)が北京五輪で健常者と一緒のレースを走…

998 ピストリウスの活躍に爽快感 もうひとつのロンドン五輪

このブログで「義足のランナーに五輪資格を」と書いたのは、5年前の2007年12月のことだ。北京五輪(2008年8月)を前に、南アフリカの義足の男子短距離ランナー、オスカー・ピストリウス選手(現在25歳)が北京五輪で健常者と一緒のレースを走…

997 夕やけの雲の下に 子どものころの夢は幻 ロンドン五輪(3)

オリンピックが開催されたロンドンの街並みがテレビでしばしば紹介された。その映像を見て、「夕やけの雲の下に」という百田宗治の詩を思い出し本棚から詩集を探して読み返した。少年の夢を詠った詩である。オリンピックで活躍した若者たちにもこんな思いが…

997 夕やけの雲の下に 子どものころの夢は幻 ロンドン五輪(3)

オリンピックが開催されたロンドンの街並みがテレビでしばしば紹介された。その映像を見て、「夕やけの雲の下に」という百田宗治の詩を思い出し本棚から詩集を探して読み返した。少年の夢を詠った詩である。オリンピックで活躍した若者たちにもこんな思いが…

996 オリーブを「自立」の象徴に 九州・安徳台にて

スペインやイタリア、ニュージーランドで広大なオリーブ畑を見たことがある。当時、土地の狭い日本ではオリーブ栽培は無理だと思い込んでいたが、九州を旅してその認識を改めた。日本のオリーブの最大の産地は香川県小豆島である。だが、いまや九州が小豆島…

996 オリーブを「自立」の象徴に 九州・安徳台にて

スペインやイタリア、ニュージーランドで広大なオリーブ畑を見たことがある。当時、土地の狭い日本ではオリーブ栽培は無理だと思い込んでいたが、九州を旅してその認識を改めた。日本のオリーブの最大の産地は香川県小豆島である。だが、いまや九州が小豆島…

995 五輪から消えたフェアプレー精神 なでしこよ大丈夫か ロンドン五輪(2)

ロンドン五輪はテレビのはしゃぎぶりとは裏腹に、盛り上がりがないと感じる。メダルを意識するあまりに、スポーツのフェアプレー精神とはかけ離れたプレーも目立つ。バドミントンの女子ダブルスで故意に負けようとした4チーム、8人が「無気力試合」をした…

995 五輪から消えたフェアプレー精神 なでしこよ大丈夫か ロンドン五輪(2)

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