2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧
佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」が、多くの読者の支持を得ているのは、陸上競技にかける若者たちのひた向きさ、さわやかさが伝わるからなのだろうか。 同じ女性作家・あさのあつこの「バッテリー」も、野球に対する少年の純粋な思いを追求しているから若者だ…
佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」が、多くの読者の支持を得ているのは、陸上競技にかける若者たちのひた向きさ、さわやかさが伝わるからなのだろうか。 同じ女性作家・あさのあつこの「バッテリー」も、野球に対する少年の純粋な思いを追求しているから若者だ…
東京から水戸に向かい、水戸でJR水郡線に乗り換え、奥久慈地方(茨城県北部-福島県南部)を旅した。 ソメイヨシノは終わっている。だが沿線には八重桜やカスミ桜が咲き、新緑の山は遠くが霞み、東山魁夷の絵を見ているような錯覚さえ覚える。 奥久慈地方は…
東京から水戸に向かい、水戸でJR水郡線に乗り換え、奥久慈地方(茨城県北部-福島県南部)を旅した。 ソメイヨシノは終わっている。だが沿線には八重桜やカスミ桜が咲き、新緑の山は遠くが霞み、東山魁夷の絵を見ているような錯覚さえ覚える。 奥久慈地方は…
出会いと別れは人生には付きものだ。それが人生だとしても、だれもが別れの悲しみは味わいたくないと思う。 作家の城山三郎は、最愛の妻を自分より先に亡くし、その回想記をひそかに残した。死後、その未完の原稿が見つかり、刊行されたのがこの本だ。切々と…
出会いと別れは人生には付きものだ。それが人生だとしても、だれもが別れの悲しみは味わいたくないと思う。 作家の城山三郎は、最愛の妻を自分より先に亡くし、その回想記をひそかに残した。死後、その未完の原稿が見つかり、刊行されたのがこの本だ。切々と…
ヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」は、1本のパンを盗んだとして19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの生涯を描き、日本では「ああ無情」で知られる。 前橋市でチューリップ1本を引き抜いた21歳の男が器物損壊容疑で警察に…
ヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」は、1本のパンを盗んだとして19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの生涯を描き、日本では「ああ無情」で知られる。 前橋市でチューリップ1本を引き抜いた21歳の男が器物損壊容疑で警察に…
里山の定義は、次のようなものだ。集落、人里に接した山、あるいはこうした地形において人間の影響を受けた生態系が存在している状態を指す言葉である。(ウィキペディア) 友人に誘われて、近郊の里山に入る。温泉から出た直後に携帯電話。タケノコを採りに…
里山の定義は、次のようなものだ。集落、人里に接した山、あるいはこうした地形において人間の影響を受けた生態系が存在している状態を指す言葉である。(ウィキペディア) 友人に誘われて、近郊の里山に入る。温泉から出た直後に携帯電話。タケノコを採りに…
この夏、北京五輪が開催される中国は共産党独裁が続く中で、驚異的な経済発展を遂げている。中国を今日の繁栄へと導いたのは、鄧小平だった。 中国近代史で、私たち日本人になじみが深いのは毛沢東、周恩来、そして鄧小平の3人だ。カリスマ性という面では、…
この夏、北京五輪が開催される中国は共産党独裁が続く中で、驚異的な経済発展を遂げている。中国を今日の繁栄へと導いたのは、鄧小平だった。 中国近代史で、私たち日本人になじみが深いのは毛沢東、周恩来、そして鄧小平の3人だ。カリスマ性という面では、…
いま、日本は自殺社会といわれる。年間の自殺者が9年連続して3万人を超えている。何が人を自殺へと追い込むのだろうか。人が自分の命を絶つことには、さまざまな理由があるだろう。 しかし、先進国の中でも際立って自殺者が多いという現実は、考えざるを得な…
いま、日本は自殺社会といわれる。年間の自殺者が9年連続して3万人を超えている。何が人を自殺へと追い込むのだろうか。人が自分の命を絶つことには、さまざまな理由があるだろう。 しかし、先進国の中でも際立って自殺者が多いという現実は、考えざるを得な…
「ゆりかごから墓場まで」は、社会保障制度の先進国、イギリスの社会福祉政策のスローガンで、日本もこれを指針とした。しかし、いまやこのスローガンは死語になりつつある。 かつてばらまき福祉といわれたほど日本政府は社会保障で大盤振る舞いをした。それ…
「ゆりかごから墓場まで」は、社会保障制度の先進国、イギリスの社会福祉政策のスローガンで、日本もこれを指針とした。しかし、いまやこのスローガンは死語になりつつある。 かつてばらまき福祉といわれたほど日本政府は社会保障で大盤振る舞いをした。それ…
家族からこんな話を聞いた。「うーん」と思わずうなってしまった。ある日、家族は渋谷に行くため、東京から山手線に乗った。午前11時半ごろである。 新橋を過ぎて、浜松町に電車は止まった。立っている家族の横の席が空いた。そこには70歳くらいの男性が立っ…
家族からこんな話を聞いた。「うーん」と思わずうなってしまった。ある日、家族は渋谷に行くため、東京から山手線に乗った。午前11時半ごろである。新橋を過ぎて、浜松町に電車は止まった。立っている家族の横の席が空いた。そこには70歳くらいの男性が立っ…
だれでも、自分の信じた道を貫きたいと思う。しかし、志半ばにして、あきらめざるを得ない状況になるのが普通だ。特にスポーツの世界はそうだ。 体がぼろぼろになって、かつての栄光から見離された境遇に追い込まれた選手は寂しいものがある。そうした固定観…
だれでも、自分の信じた道を貫きたいと思う。しかし、志半ばにして、あきらめざるを得ない状況になるのが普通だ。特にスポーツの世界はそうだ。 体がぼろぼろになって、かつての栄光から見離された境遇に追い込まれた選手は寂しいものがある。そうした固定観…
吉村昭は、新聞記者以上に深い取材を重ねて小説を書いた。フィクションの形をとってはいるが、ノンフィクションとの境界すれすれの作品が多かったと思う。その吉村昭が琵琶法師によって語り伝えられたといわれる軍記「平家物語」を現代訳にしたのがこの作品…
吉村昭は、新聞記者以上に深い取材を重ねて小説を書いた。フィクションの形をとってはいるが、ノンフィクションとの境界すれすれの作品が多かったと思う。その吉村昭が琵琶法師によって語り伝えられたといわれる軍記「平家物語」を現代訳にしたのがこの作品…
数年前、中国に住む友人からメールが届いた。それは50代で亡くなった後輩の話を書いた不思議な内容だった。これまでかなりメールをやりとりしているが、忘れられないメールの一つだ。桜の季節になると思い出すのはなぜなのだろう。 以下はそのメール。 けさN…
数年前、中国に住む友人からメールが届いた。それは50代で亡くなった後輩の話を書いた不思議な内容だった。これまでかなりメールをやりとりしているが、忘れられないメールの一つだ。桜の季節になると思い出すのはなぜなのだろう。 以下はそのメール。 けさN…
つい最近まで、私の近くにカナダのL・M・モンゴメリの小説『赤毛のアン』をほうふつとさせる人がいた。本人はそのことには気づいていないかもしれない。あるいは、アンの生き方を指針にしていたのかもしれない。 モンゴメリがこの小説を発表したのは、ちょう…
つい最近まで、私の近くにカナダのL・M・モンゴメリの小説『赤毛のアン』をほうふつとさせる人がいた。本人はそのことには気づいていないかもしれない。あるいは、アンの生き方を指針にしていたのかもしれない。 モンゴメリがこの小説を発表したのは、ちょう…
進路を決めるに当たって、迷いがない人は少ない。私もその1人だ。何を職業として選択するか、いろいろと迷ったものだ。だが、少年時代に出会った人の一言が結局は私の人生を左右した。 中学1年生の時に社会と国語の教師として、大学を出たばかりの若い女性の…
進路を決めるに当たって、迷いがない人は少ない。私もその1人だ。何を職業として選択するか、いろいろと迷ったものだ。だが、少年時代に出会った人の一言が結局は私の人生を左右した。 中学1年生の時に社会と国語の教師として、大学を出たばかりの若い女性の…
新聞の活字が大きくなった。高齢者を意識し、読みやすさを考えた拡大なのだという。しかし、このために提供される情報量が減ったことは間違いない。 読みやすさというが、私を含め50歳代くらい以降の年代はかなりの人が老眼鏡をかけて新聞を読むのだから、少…
新聞の活字が大きくなった。高齢者を意識し、読みやすさを考えた拡大なのだという。しかし、このために提供される情報量が減ったことは間違いない。 読みやすさというが、私を含め50歳代くらい以降の年代はかなりの人が老眼鏡をかけて新聞を読むのだから、少…