小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

友人

253 春の日に友人たち想う

数年前、中国に住む友人からメールが届いた。それは50代で亡くなった後輩の話を書いた不思議な内容だった。これまでかなりメールをやりとりしているが、忘れられないメールの一つだ。桜の季節になると思い出すのはなぜなのだろう。 以下はそのメール。 けさN…

252 赤毛のアン100年 周囲を明るくさせる個性

つい最近まで、私の近くにカナダのL・M・モンゴメリの小説『赤毛のアン』をほうふつとさせる人がいた。本人はそのことには気づいていないかもしれない。あるいは、アンの生き方を指針にしていたのかもしれない。 モンゴメリがこの小説を発表したのは、ちょう…

251 人生に影響を受けた出会い

進路を決めるに当たって、迷いがない人は少ない。私もその1人だ。何を職業として選択するか、いろいろと迷ったものだ。だが、少年時代に出会った人の一言が結局は私の人生を左右した。 中学1年生の時に社会と国語の教師として、大学を出たばかりの若い女性の…

249 ある転勤 裁判官故郷へ

知り合いの裁判官が1日付で関東地方の裁判所から、故郷である関西の裁判所に異動した。関西地方で弁護士をしていた彼は「弁護士任官制度」により、裁判官になった。 関西の弁護士連合会が市民参加の協議会をつくり、彼を推薦したのは、2002年2月のことだった…

244 邂逅(かいこう)の季節  3つの贈る言葉

このところ、別れや新しい出会いがある。3月、4月は、人生で何回も繰り返す「邂逅(かいこう・めぐりあい)の季節」なのだ。 流行作家だった亀井勝一郎は「人生は邂逅である」(正確には人生 邂逅し 開眼し 瞑目す)という名言を残した。うまい言葉である。…

243 ある団塊の世代の転身 活字から語りの世界に

誠実を絵に描いたような男がいる。その生き方は真っ直ぐで、その姿を見る度に清々しさを感じる。定年を機に「メディアつれづれ帖」(株式会社虔発行)という本を出版した角田光男氏だ。 東京・下町に生まれ、長い間メディアの世界に身を置いた。この本は、そ…

241 少年の夢かなえた友人 京都でシャンソンに生きる

駆け足で近江八幡から京都を経由して神戸に行った。京都で途中下車をして、時間があれば、ある友人と会いたいと思った。それはかなわなかった。青くさい少年時代の一時期を共有した友人だ。 人嫌いで、友だちとはあまりうちとけることができない少年時代だっ…

240 えらそうな女主人のスパゲッティ店 それでも長い行列

昼時、若い友人2人(女性)と食事に行った。長い間続く虎ノ門のスパゲッティ専門店だ。既に列ができている。私の後ろに並んだ友人を見て、この店の年のころ70歳くらいと思われる女主人が言い放った。「女は嫌いよ。いやなら帰ってよ」と。 列に並んだ男性…

237 3月は「わかれうた」の季節 友人の転身

若い友人からメールで昼食に誘われた。昼食の誘いなのに「お話があります」と付け加えてある。あらたまったメールに「何かあるな」と思って、顔を会わせると「仕事を替えることにしました」という報告だった。 友人はいまの仕事に就いて2年になる。就職して…