小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

1543 豊穣な音楽の世界 恩田陸著『蜜蜂と遠雷』を読む

ピアノコンクールをテーマにした作品として思い浮かべるのは『チャイコフスキーコンクール ピアニストが聴く現代』(中央公論社)である。ピアニストの中村紘子(21016年7月26日に死去)がこのコンクールの審査員を務めた体験から、コンクールの舞台…

1542 名横綱への道 稀勢の里の魅力

大相撲初場所で大関稀勢の里が初優勝(14勝1敗)し、横綱昇進が決定的になった。優勝インタビューで稀勢の里は「自分の相撲を信じて、一生懸命どんどん稽古して、また強くなって皆さんにいい姿を見せられるように頑張りたいです」と語った。これまで以上…

1541 列島に限りなく降る雪 天から送られた手紙

「汽車の八方に通じて居る國としては、日本のやうに雪の多く降る國も珍しい」 民俗学者、柳田國男は『雪國の春』の中で、こんなことを書いている。 現在日本列島は大雪が続いている。まさに柳田國男の言う通りである。日本を訪れ、広島に入ったオーストラリ…

1540 天に軌道があるごとく 歴史に残る人たちの街を歩く

「天に軌道があるごとく、人はそれぞれ運命というものを持っております。とかく気合いだけの政治家は威勢のいいことを言うが、中身はない。トランプのババじゃあないんだから、自分の主張が全部通ると思っていたら、あなた、すぐに化けの皮がはがれますよ。…

1539 寒風が吹いても 強き言葉で

3が日休んでいた近所の公園のラジオ体操が再開になった。この季節の6時半はまだ完全に夜が明け切らず、薄暗い。周囲の街路灯が点いたままだ。ラジオに合わせて体を動かし始める。冷えが少しずつ消えて行く。手足を伸ばしながら世の中はどう変わっていくの…