小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

1196 あるジャーナリストの憂鬱の日々 「こんな人がNHKに」

仙台在住のジャーナリスト・松舘忠樹さん(元NHK記者)は、東日本大震災後の2011年12月から被災地の復興の動きを「震災in仙台」と題し、ブログで書き続けている。地道に、丹念に取材したブログは被災地と被災者の姿を追った貴重な記録となっている。…

1196 あるジャーナリストの憂鬱な日々 「こんな人がNHKに」

仙台在住のジャーナリスト・松舘忠樹さん(元NHK記者)は、東日本大震災後の2011年12月から被災地の復興の動きを「震災in仙台」と題し、ブログで書き続けている。地道に、丹念に取材したブログは被災地と被災者の姿を追った貴重な記録となっている。…

1195 マー君の契約にため息 重圧との戦いも

無芸大食(最近は小食の方か)の身には、全く別の世界の話のように思ったのは、マー君こと楽天の田中将大投手の大リーグヤンキースへの移籍の話だ。ポスティングシステムで移籍が決まったマー君は、年俸総額1億5500万ドル(日本円で161億5000万…

1195 マー君の契約にため息 重圧との戦いも

無芸大食(最近は小食の方か)の身には、全く別の世界の話のように思ったのは、マー君こと楽天の田中将大投手の大リーグヤンキースへの移籍の話だ。ポスティングシステムで移籍が決まったマー君は、年俸総額1億5500万ドル(日本円で161億5000万…

1194 かぐや姫の物語 モルッカ(インドネシア)にもあった竹取物語

アニメ映画「かぐや姫の物語」(高畑勲監督)は、日本最古の物語といわれる「竹取物語」を映像化したもので、美しい色彩が心に残る作品だ。 竹取物語は、作者も書かれた年代も不明だが、遅くとも平安時代初期の10世紀半ばまでには完成したといわれる。イン…

1194 かぐや姫の物語 モルッカ(インドネシア)にもあった竹取物語

アニメ映画「かぐや姫の物語」(高畑勲監督)は、日本最古の物語といわれる「竹取物語」を映像化したもので、美しい色彩が心に残る作品だ。 竹取物語は、作者も書かれた年代も不明だが、遅くとも平安時代初期の10世紀半ばまでには完成したといわれる。 イ…

1193 シリウスで気付く多様な価値観  物事には光と影が

太陽を除き、地球から見える最も明るい恒星(自ら光を発する天体のこと)はシリウス(おおいぬ座の一等星)だという。いまの季節、夜空に輝いて見えるので目に付く星だ。出雲晶子著「星の文化史事典」(白水社)には、星に関する様々な話が出ており、シリウ…

1193 シリウスで気付く多様な価値観  物事には光と影が

太陽を除き、地球から見える最も明るい恒星(自ら光を発する天体のこと)はシリウス(おおいぬ座の一等星)だという。いまの季節、夜空に輝いて見えるので目に付く星だ。出雲晶子著「星の文化史事典」(白水社)には、星に関する様々な話が出ており、シリウ…

1192 冬の日の東京タワー 富士山隠す寒の靄(もや)

東京タワー(高さ333メートル)が1958年12月23日に完成してから、55年が過ぎたという。半世紀以上も東京のシンボル的存在だったタワーも、東京スカイツリー(634メートル)という倍近い超高層建築物の登場でやや影が薄くなった感がある。見…

1192 冬の日の東京タワー 富士山隠す寒の靄(もや)

東京タワー(高さ333メートル)が1958年12月23日に完成してから、55年が過ぎたという。半世紀以上も東京のシンボル的存在だったタワーも、東京スカイツリー(634メートル)という倍近い超高層建築物の登場でやや影が薄くなった感がある。見…

1191 子規と漱石の青春 伊集院静の「ノボさん」

伊集院静の新作「ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石」は、日本の文学史上に大きな足跡を残した2人の交遊をテーマにした小説だ。小説とはいえ実在した人物を取り上げているため、ほぼ史実に沿った内容といえる。 巻末に参考資料が出ていないので、どのような…

1191 子規と漱石の青春 伊集院静の「ノボさん」

伊集院静の新作「ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石」は、日本の文学史上に大きな足跡を残した2人の交遊をテーマにした小説だ。小説とはいえ実在した人物を取り上げているため、ほぼ史実に沿った内容といえる。 巻末に参考資料が出ていないので、どのような…

1190 少なくなった体操仲間 水泉動(すいせんうごく)の朝

2カ月近く休んでいた朝のラジオ体操に参加した。凍てつく朝。日の出の時刻は午前6時50分前後なので、体操をやる遊歩道の一角は少しずつ明るさが増している状態だ。それにしても見慣れていた以前の光景とは様変わりなのに驚いた。集まった人数は私を入れ…

1190 少なくなった体操仲間 水泉動(すいせんうごく)の朝

2カ月近く休んでいた朝のラジオ体操に参加した。凍てつく朝。日の出の時刻は午前6時50分前後なので、体操をやる遊歩道の一角は少しずつ明るさが増している状態だ。それにしても見慣れていた以前の光景とは様変わりなのに驚いた。 集まった人数は私を入れ…

1189 寂しい冬景色の城跡 佐倉で子規は何を思ったのか

国立歴史民俗博物館がある千葉県佐倉市の佐倉城跡に俳人・正岡子規直筆の句碑がある。 「常盤木や冬されまさる城の跡」(冬の荒れ果てた寂しさが増した城跡は、常緑樹に包まれている=注釈・作家・高比良直美氏)。 この句が詠まれたのは1894年(明治2…

1189 寂しい冬景色の城跡 佐倉で子規は何を思ったのか

国立歴史民俗博物館がある千葉県佐倉市の佐倉城跡に俳人・正岡子規直筆の句碑がある。 「常盤木や冬されまさる城の跡」(冬の荒れ果てた寂しさが増した城跡は、常緑樹に包まれている=注釈・作家・高比良直美氏)。 この句が詠まれたのは1894年(明治2…

1188 16歳少女の不屈の志 「わたしはマララ」を読む

パキスタンのマララ・ユスフザイさんは16歳の少女である。同世代でマララさんほど世界に名を知られた少女はいないだろう。女性にも教育の機会をと訴え続け、イスラム過激派のタリバンによって頭を銃撃されたマララさんは奇跡的に命の危機を脱し、2013…

1188 16歳少女の不屈の志 「わたしはマララ」を読む

パキスタンのマララ・ユスフザイさんは16歳の少女である。同世代でマララさんほど世界に名を知られた少女はいないだろう。女性にも教育の機会をと訴え続け、イスラム過激派のタリバンによって頭を銃撃されたマララさんは奇跡的に命の危機を脱し、2013…

1187 時の鐘に惹かれて 小江戸川越の七福神めぐり

日本各地には「七福神」を祀る寺社が少なくない。小江戸と呼ばれるかつての城下町、埼玉県川越市に「小江戸川越七福神」があるというので、過日、運動を兼ねて7つの寺を巡った。 七福神は福をもたらす7柱のめでたい神様のことだが、室町時代末期に始まった…

1187 時の鐘に惹かれて 小江戸川越の七福神めぐり

日本各地には「七福神」を祀る寺社が少なくない。小江戸と呼ばれるかつての城下町、埼玉県川越市に「小江戸川越七福神」があるというので、過日、運動を兼ねて7つの寺を巡った。 七福神は福をもたらす7柱のめでたい神様のことだが、室町時代末期に始まった…

1186 藍と茜の光景 ほのぼのとした年のはじめに

「初空の藍と茜と満たしあふ」(山口青邨)。 文芸評論家の山口健吉は、この句について「元朝の空の色。藍と茜とが東天に融け合い、匂い合って、その中に新春の気が、ほのぼのと感じられる」(句歌歳時記、冬・新年)と評している。初日の出を見に、近所の調…

1186 藍と茜の光景 ほのぼのとした年のはじめに

「初空の藍と茜と満たしあふ」(山口青邨)。 文芸評論家の山口健吉は、この句について「元朝の空の色。藍と茜とが東天に融け合い、匂い合って、その中に新春の気が、ほのぼのと感じられる」(句歌歳時記、冬・新年)と評している。初日の出を見に、近所の調…