小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

422 WBC異聞 清涼感漂う日本の戦い

遅ればせながら、野球のWBCについて書く。宿命の対決といわれた日本と韓国が今回は5回も対戦した。決勝は延長10回、それまでの不振を吹き飛ばすイチローのヒットで日本が辛勝し、2大会連続で優勝した。それはうれしいことだった。 不況のどん底で閉塞…

422 WBC異聞 清涼感漂う日本の戦い

遅ればせながら、野球のWBCについて書く。宿命の対決といわれた日本と韓国が今回は5回も対戦した。決勝は延長10回、それまでの不振を吹き飛ばすイチローのヒットで日本が辛勝し、2大会連続で優勝した。それはうれしいことだった。不況のどん底で閉塞…

421 哀感あふれる捜査官の回顧録 田宮榮一著「警視庁捜査一課長」

田宮榮一氏が出版した「警視庁捜査一課長 特捜本部事件簿」という本を読んだ。警視庁の鑑識課長を経て、日本の警察の中でも最も激務といわれる捜査一課長を務めた田宮さんが犯罪捜査に取り組む捜査員の姿を中心に、捜査の裏側の実態を哀感込めて振り返った作…

421 哀感あふれる捜査官の回顧録 田宮榮一著「警視庁捜査一課長」

田宮榮一氏が出版した「警視庁捜査一課長 特捜本部事件簿」という本を読んだ。警視庁の鑑識課長を経て、日本の警察の中でも最も激務といわれる捜査一課長を務めた田宮さんが犯罪捜査に取り組む捜査員の姿を中心に、捜査の裏側の実態を哀感込めて振り返った作…

420 写真とは絵画とは スペインの小説「戦場の画家」

主に登場するのは3人という小説を読んだ。スペインの作家、アルトゥーロ・ペレス・レベルテの「戦場の画家」という作品だ。 私はこの作品を読んだあと、人間社会の不条理を主題にしたカミュの「異邦人」をなぜか思い起こした。 戦場の画家は、元戦争カメラ…

420 写真とは絵画とは スペインの小説「戦場の画家」

主に登場するのは3人という小説を読んだ。スペインの作家、アルトゥーロ・ペレス・レベルテの「戦場の画家」という作品だ。 私はこの作品を読んだあと、人間社会の不条理を主題にしたカミュの「異邦人」をなぜか思い起こした。 戦場の画家は、元戦争カメラ…

419 純白で可憐 コーヒーの花が咲く

以前、鉢植えのコーヒーの木に小さな実がなったことをこのブログで書いたことがある。(昨年12月7日)その実はたった2つで、最近1つが鮮やかな朱色に変化した。それを楽しんでいたら、別の枝に白い花がついているのに気がついた。 実がついたわけだから…

419 純白で可憐 コーヒーの花が咲く

以前、鉢植えのコーヒーの木に小さな実がなったことをこのブログで書いたことがある。(昨年12月7日)その実はたった2つで、最近1つが鮮やかな朱色に変化した。それを楽しんでいたら、別の枝に白い花がついているのに気がついた。 実がついたわけだから…

418 そばを食べる話 寒い週末のひと時

「暑さ寒さも彼岸まで」という。夏の暑さは秋の彼岸まで、冬の寒さは春の彼岸ごろまでにそれぞれ暑さ、寒さがやわらぎ、しのぎやすい季節になるという、自然の移ろいを表現した昔からの言葉である。 そんな言葉があるのだが、このところ最高気温が低い日が続…

418 そばを食べる話 寒い週末のひと時

「暑さ寒さも彼岸まで」という。夏の暑さは秋の彼岸まで、冬の寒さは春の彼岸ごろまでにそれぞれ暑さ、寒さがやわらぎ、しのぎやすい季節になるという、自然の移ろいを表現した昔からの言葉である。 そんな言葉があるのだが、このところ最高気温が低い日が続…

417 映画「ワルキューレ」 失敗したヒトラー暗殺作戦

映画「ワルキューレ」を見た。1944年7月20日、ドイツ。ヒトラーを暗殺し、独裁政権を倒そうとした歴史的事実に基づいた映画だ。計画は未遂に終わり、中心人物のシュタウフェンベルク大佐(映画ではトム・クルーズが演じた)をはじめ関与した多くの人…

417 映画「ワルキューレ」 失敗したヒトラー暗殺作戦

映画「ワルキューレ」を見た。1944年7月20日、ドイツ。ヒトラーを暗殺し、独裁政権を倒そうとした歴史的事実に基づいた映画だ。計画は未遂に終わり、中心人物のシュタウフェンベルク大佐(映画ではトム・クルーズが演じた)をはじめ関与した多くの人…

416 世界頂点の国の崩壊? 本から得る教訓

奥田英朗が「オリンピックの身代金」で吉川英治文学賞を受賞した。この作品の中には、世界のトップを走っていた米国の経済混迷ぶりを示唆するようなくだりがある。それは豊富な資料を駆使した奥田の作品の奥の深さを示している。 この本は、貧しい環境がゆえ…

416 世界頂点の国の崩壊? 本から得る教訓

奥田英朗が「オリンピックの身代金」で吉川英治文学賞を受賞した。この作品の中には、世界のトップを走っていた米国の経済混迷ぶりを示唆するようなくだりがある。それは豊富な資料を駆使した奥田の作品の奥の深さを示している。この本は、貧しい環境がゆえ…

415 スポーツとけが WBCのハプニング

けがをしない選手こそ、一流選手だという。どんなスポーツでも、けがは付き物だが、WBCから途中で帰国することになった日本代表、村田修一内野手(横浜)のけがには驚き、同情した。 本人は肉体的な痛みに加え,決勝ラウンドに出られない、日本の公式戦に…

415 スポーツとけが WBCのハプニング

けがをしない選手こそ、一流選手だという。どんなスポーツでも、けがは付き物だが、WBCから途中で帰国することになった日本代表、村田修一内野手(横浜)のけがには驚き、同情した。本人は肉体的な痛みに加え,決勝ラウンドに出られない、日本の公式戦にも…

414 列島横断の旅 南と北を駆け抜ける

3月。残すところ10日余りで4月を迎える。急速に暖かくなりコブシもハクモクレンも沈丁花も一斉に花を開いた。春がやってきたのだ。朝の散歩の途中のウグイスのさえずりが耳に心地いい。 ことしは、「静かに行く者は健やかに行く 健やかに行く者は遠くま…

414 列島横断の旅 南と北を駆け抜ける

3月。残すところ10日余りで4月を迎える。急速に暖かくなりコブシもハクモクレンも沈丁花も一斉に花を開いた。春がやってきたのだ。朝の散歩の途中のウグイスのさえずりが耳に心地いい。 ことしは、「静かに行く者は健やかに行く 健やかに行く者は遠くま…

413 旅の出会い 北海道再訪(2)

旅の面白さはいろいろあるが、行った先で土地の人たちと話をすることもその一つに入る。小樽は風情がある街だ。この街で印象深い2人に出会った。個性があってにくめない人物だった。それはこんなシーンだ。 JRの小樽駅を降り、こんな雑談をしながら運河方向…

413 旅の出会い 北海道再訪(2)

旅の面白さはいろいろあるが、行った先で土地の人たちと話をすることもその一つに入る。小樽は風情がある街だ。この街で印象深い2人に出会った。個性があってにくめない人物だった。それはこんなシーンだ。 JRの小樽駅を降り、こんな雑談をしながら運河方向…

412 雪解けの街に 北海道再訪(1)

北海道の知人から便りが届いたのは3月初旬だった。その中にこんな一節があった。「札幌は雪解けが進んでいますが、冬期間の垢(あか)が流されずに路面に残っており、小生の嫌いな季節です」。 いま車はスタットレスタイヤになり、スパイクタイヤ時代のよう…

412 雪解けの街に 北海道再訪(1)

北海道の知人から便りが届いたのは3月初旬だった。その中にこんな一節があった。「札幌は雪解けが進んでいますが、冬期間の垢(あか)が流されずに路面に残っており、小生の嫌いな季節です」。 いま車はスタットレスタイヤになり、スパイクタイヤ時代のよう…

411 現代社会の負を強調 湊かなえ「告白」

湊かなえの「告白」は、現代社会のネガティブ面を強調したサスペンスで、救いようがない暗さを秘めた作品だ。 どうして、ここまで人間の弱さや暗さを延々と描くことができるのか考え込んだ。食べているときはおいしくても、後味が悪い食品を口に入れてしまっ…

411 現代社会の負を強調 湊かなえ「告白」

湊かなえの「告白」は、現代社会のネガティブ面を強調したサスペンスで、救いようがない暗さを秘めた作品だ。 どうして、ここまで人間の弱さや暗さを延々と描くことができるのか考え込んだ。食べているときはおいしくても、後味が悪い食品を口に入れてしまっ…

410 山手線の異様な光景 警察が広告ジャック

ある日の朝、山手線に乗って驚いた。頭が変になったのかと思った。全部の車両が警察のPRで占められていたからだ。 まるで、電車ジャックのように思えた。何しろ車両の外も中も警察関係のシールやポスターが占拠し、映像のディスプレーまでが警察紹介なのだ…

410 山手線の異様な光景 警察が広告ジャック

ある日の朝、山手線に乗って驚いた。頭が変になったのかと思った。全部の車両が警察のPRで占められていたからだ。まるで、電車ジャックのように思えた。何しろ車両の外も中も警察関係のシールやポスターが占拠し、映像のディスプレーまでが警察紹介なのだ…

409 ふきのとう 苦い味は酒の友

娘が「ふきのとう」をどっさりもらってきた。春を告げる食べ物だ。てんぷらや味噌和えにしてもらう。一口食べると苦味が口の中に広まる。大人の味だ。これをもし喜んで食べる子どもがいたとしたら、大人びたやつだ。 最近までこの植物が私の誕生日(2月16…

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娘が「ふきのとう」をどっさりもらってきた。春を告げる食べ物だ。てんぷらや味噌和えにしてもらう。一口食べると苦味が口の中に広まる。大人の味だ。これをもし喜んで食べる子どもがいたとしたら、大人びたやつだ。 最近までこの植物が私の誕生日(2月16…

408 落書き天国日本 姫路城も被害とは

日本人は落書きが好きなのだろうか。関西に行く機会があり、地元の神戸新聞を読んだ。その中に姫路城の落書き問題に姫路市が頭を痛めているという記事が載っていた。 姫路城は世界文化遺産であり、国宝だ。その日本の宝である姫路城の大天守内の柱や西の丸の…

408 落書き天国日本 姫路城も被害とは

日本人は落書きが好きなのだろうか。関西に行く機会があり、地元の神戸新聞を読んだ。その中に姫路城の落書き問題に姫路市が頭を痛めているという記事が載っていた。姫路城は世界文化遺産であり、国宝だ。その日本の宝である姫路城の大天守内の柱や西の丸の…