小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

1209 現代の状況を見通していた?ゲーテ 賢明に身を保つこととは

「人はいつも考えているものだよ」とゲーテは笑いながらいった。「利口になるには年をとらねばいけないねとね。だが、実のところ、人は年をとると、以前のように賢明に身を保つことは難しくなってくる」―。これはドイツの詩人で作家のヨハン・ペーター・エッ…

1209 現代の状況を見通していた?ゲーテ 賢明に身を保つこととは

「人はいつも考えているものだよ」とゲーテは笑いながらいった。「利口になるには年をとらねばいけないねとね。だが、実のところ、人は年をとると、以前のように賢明に身を保つことは難しくなってくる」―。これはドイツの詩人で作家のヨハン・ペーター・エッ…

1208 いまも色あせない芸術作品 モネとマーク・トゥインに触れる

偶然だが、この1週間に2人の個性的な芸術家の世界を垣間見る時間を持った。フランスの画家・クロード・モネ(1840年11月14日―1926年12月5日)の作品を中心にした「「モネ、風景をみる眼」展(国立西洋美術館)を見、「トム・ソーヤの冒険」で…

1208 いまも色あせない芸術作品 モネとマーク・トゥインに触れる

この1週間に2人の個性的な芸術家の世界を垣間見る時間を持った。フランスの画家・クロード・モネ(1840年11月14日―1926年12月5日)の作品を中心にした「「モネ、風景をみる眼」展(国立西洋美術館)を見、「トム・ソーヤの冒険」で知られる米…

1207 最後に輝きが ソチ五輪閉幕・歴史に残る羽生、葛西、浅田3選手

ソチ五輪が閉幕する。ソチと日本の時差は5時間だが、現地時間午後10時に決勝が始まる競技もあり、多くの人が寝不足になったのではないか。欧米のテレビのゴールデンタイムに合わせるため遅い時間に競技のスタートを組んだというから、五輪の商業主義が進…

1207 最後に輝きが ソチ五輪閉幕・歴史に残る羽生、葛西、浅田3選手

ソチ五輪が閉幕する。ソチと日本の時差は5時間だが、現地時間午後10時に決勝が始まる競技もあり、多くの人が寝不足になったのではないか。欧米のテレビのゴールデンタイムに合わせるため遅い時間に競技のスタートを組んだというから、五輪の商業主義が進…

1206 3・11、最前線の初動は インタビュー集「『命の道』を切り開く」

「降る雪が雨へと変わり、氷が解け出すころのこと。昔からこの季節は農耕の準備をはじめる目安」―きょう19日は24節気の「雨水」に当たる。立春が過ぎ、雨水、啓蟄を経て春分へと季節は向かっていく。 2月も残り9日になったが、ことしは未曽有ともいえ…

1206 3・11、最前線の初動は インタビュー集「『命の道』を切り開く」

「降る雪が雨へと変わり、氷が解け出すころのこと。昔からこの季節は農耕の準備をはじめる目安」―きょう19日は24節気の「雨水」に当たる。立春が過ぎ、雨水、啓蟄を経て春分へと季節は向かっていく。 2月も残り9日になったが、ことしは未曽有ともいえ…

1205 もう一人のレジェンド いまも現役・長野五輪のテストジャンパー

ソチ五輪の男子ジャンプ、個人ラージヒルで41歳の葛西紀明選手が銀メダルに輝いた。この年齢でスキーの第一線を続け、しかも世界のトップの位置を占めているのは驚異としか言いようがない。だれが名付けたのかは知らないが「レジェンド=伝説」という言葉…

1205 もう一人のレジェンド いまも現役・長野五輪のテストジャンパー

ソチ五輪の男子ジャンプ、個人ラージヒルで41歳の葛西紀明選手が銀メダルに輝いた。この年齢でスキーの第一線を続け、しかも世界のトップの位置を占めているのは驚異としか言いようがない。だれが名付けたのかは知らないが「レジェンド=伝説」という言葉…

1204 氷上に映えた羽生の凛々しさ 仙台人の気質とは

ソチ五輪の男子フィギュアで金メダルを取った羽生結弦は仙台市泉区の出身だ。プロ野球で活躍し、1月に野球殿堂入りを果たした佐々木主浩(かずひろ)も同じ泉区の生まれで、高校(東北高校)は羽生の大先輩にあたる。羽生が生まれる以前のことになるが、私…

1204 氷上に映えた羽生の凛々しさ 仙台人の気質とは

ソチ五輪の男子フィギュアで金メダルを取った羽生結弦は仙台市泉区の出身だ。プロ野球で活躍し、1月に野球殿堂入りを果たした佐々木主浩(かずひろ)も同じ泉区の生まれで、高校(東北高校)は羽生の大先輩にあたる。 羽生が生まれる以前のことになるが、私…

1203 相次ぐ人気車種のリコール ソチ五輪の陰で

ソチ五輪のニュースが大きく扱われている中で、11日と13日の新聞に日本の代表的自動車メーカーであるホンダとトヨタの人気車種、ハイブリット・フィット(ホンダ)、プリウス(トヨタ)のリコールの記事が載っている。対象の車はフィットが8万1000…

1203 相次ぐ人気車種のリコール ソチ五輪の陰で

ソチ五輪のニュースが大きく扱われている中で、11日と13日の新聞に日本の代表的自動車メーカーであるホンダとトヨタの人気車種、ハイブリット・フィット(ホンダ)、プリウス(トヨタ)のリコールの記事が載っている。対象の車はフィットが8万1000…

1202 幻のオリンピック物語 2020東京大会は成功するのか

ロシアのソチで冬季五輪(第22回)が開催されている。旧ソ連時代、1980年夏の大会がモスクワ(22回大会)で開かれたが、アフガニスタンへのソ連軍の侵攻をめぐって日本を含む西側の多くの国が参加をボイコット、寂しい大会になった。そんな経緯があ…

1202 幻のオリンピック物語 2020東京大会は成功するのか

ロシアのソチで冬季五輪(第22回)が開催されている。旧ソ連時代、1980年夏の大会がモスクワ(22回大会)で開かれたが、アフガニスタンへのソ連軍の侵攻をめぐって日本を含む西側の多くの国が参加をボイコット、寂しい大会になった。 そんな経緯があ…

1201 天から送られた手紙 大雪は何を持ってきたのか

物理学者(雪氷科学者)で随筆家だった中谷宇吉郎は「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残している。雪の研究に没頭した中谷は、北海道・十勝岳の麓で雪の結晶を撮影し、1936年(昭和11年)には北海道大学の低温研究所で、兎の腹毛を使って…

1201 天から送られた手紙 大雪は何を持ってきたのか

物理学者(雪氷科学者)で随筆家だった中谷宇吉郎は「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残している。雪の研究に没頭した中谷は、北海道・十勝岳の麓で雪の結晶を撮影し、1936年(昭和11年)には北海道大学の低温研究所で、兎の腹毛を使って…

1200 真贋入り混じった現代社会 別人が作曲した希望のシンフォニー

芸術作品の真贋問題でよく知られているのは古陶器の永仁の壺事件(1960年)だ。鎌倉時代の古瀬戸の傑作として国の重要文化財に指定された永仁二年の銘があった瓶子(へいし・壺の一種)が、実は陶芸家加藤唐九郎の現代作であることが発覚し、大騒動にな…

1200 真贋入り混じった現代社会 別人が作曲した希望のシンフォニー

芸術作品の真贋問題でよく知られているのは古陶器の永仁の壺事件(1960年)だ。鎌倉時代の古瀬戸の傑作として国の重要文化財に指定された永仁二年の銘があった瓶子(へいし・壺の一種)が、実は陶芸家加藤唐九郎の現代作であることが発覚し、大騒動にな…

1199 風が頬を打つ立春の朝 福島の悲惨な現実

「春は名のみの風の寒さや…」という歌い出しの「早春賦」(吉丸一昌作詞、中田章作曲)を思い浮かべるような、立春の朝である。昨日とは一転して、天気は冬に戻ってしまった。ソプラノ歌手・鮫島有美子の「四季」のCDには79曲の最初にこの曲が入っている…

1199 風が頬を打つ立春の朝 福島の悲惨な現実

「春は名のみの風の寒さや…」という歌い出しの「早春賦」(吉丸一昌作詞、中田章作曲)を思い浮かべるような、立春の朝である。昨日とは一転して、天気は冬に戻ってしまった。 ソプラノ歌手・鮫島有美子の「四季」のCDには79曲の最初にこの曲が入ってい…

1198 カメラは特別な目 霧の朝の一断面

3日は節分。歳時記には「立春の前日で、新暦2月3日ごろにあたる。もともと四季それぞれの分かれ目をいう語だが、現在は冬と春の境をいう」(角川学芸出版編)とあり、光の春がそこまで近づいている節目の一日なのだ。朝、自宅周辺は濃い霧に包まれた。外…

1198 カメラは特別な目 霧の朝の一断面

3日は節分。歳時記には「立春の前日で、新暦2月3日ごろにあたる。もともと四季それぞれの分かれ目をいう語だが、現在は冬と春の境をいう」(角川学芸出版編)とあり、光の春がそこまで近づいている節目の一日なのだ。 朝、自宅周辺は濃い霧に包まれた。外…

1197 時代・歴史を考えるきっかけ 小説「ああ父よああ母よ」と映画「小さいおうち」

最近、加賀乙彦の小説「ああ父よああ母よ」(講談社)を読み、山田洋次監督の映画「小さいおうち」を見た。 小説は1927年に中国の旧満州の地主の4男として生まれた主人公を語り部として、日中戦争から中華人民共和国の誕生を経て共産党独裁という厳しい…

1197 時代・歴史を考えるきっかけ 小説「ああ父よああ母よ」と映画「小さいおうち」

最近、加賀乙彦の小説「ああ父よああ母よ」(講談社)を読み、山田洋次監督の映画「小さいおうち」を見た。 小説は1927年に中国の旧満州の地主の4男として生まれた主人公を語り部として、日中戦争から中華人民共和国の誕生を経て共産党独裁という厳しい…