小径を行く 

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(筆者=石井克則・遊歩)

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

1303 福島から季節の便り 「くだものの宝石箱」の取り組み

福島の知人から旬の果物、梨(二十世紀)が届いた。早速いただいた。瑞々しくて、甘い。「2014年 梨園たより」というパンフレットが同封されていた。そのパンフからは、原発事故の影響で苦労する果樹園の姿がしのばれた。

1302 御嶽の噴火に思う 人智を超えた自然の脅威

犬山城から見た木曽川と御嶽 噴火した御嶽は深田久弥の『日本百名山』の60番目に出てくる日本アルプスの中で「別格」の山である。NHKの報道によると、この噴火によって、登山中だった31人が心肺停止状態だという。けが人も多数出ており、火山国日本の…

1301 国産ウイスキーをつくった竹鶴政孝の生涯 再読『ヒゲのウヰスキー誕生す』

先ごろ、イギリスからの独立の可否を問う住民投票があり、独立反対票が賛成票を上回り、イギリスにとどまることになったスコットランドは、スコッチウイスキーの生産で知られる地域である。18世紀までは、スコットランドの地酒に過ぎなかったウイスキーが…

1300 いわし雲の季節に 子規去り112年

俳人の正岡子規が亡くなったのは明治35年(1902)9月19日だった。既に112年が過ぎている。秋の彼岸入りのころで、秋真っ只中のこの世との別れだったといえる。朝、空を見上げたら、鰯雲(いわしぐも)が浮かんでいた。

1299 hana物語(41)最終回 つぶやき18

「子宮の緊急手術 hanaのつぶやき」 ことしも残すところあと5日です。そんな暮れの夜、「お父」は安倍内閣誕生のニュースにずうっと見入っていました。そして、「お父」は「日本はいい方向へ変わることができるのかなあ」とつぶやいていました。 私は、…

1298 hana物語(40) つぶやき17

「お父」の愚痴を聞く hanaのつぶやき」 きょうは、12月にしては久しぶりに暖かい一日でした。居間の窓際で昼寝をしていると、やわらかい日差しが私の体を包んでくれるようで、気持ちのいい時間を送ることができました。私の横のソファーでは、この冬…

1297 hana物語(39) つぶやき16

「ついに絵のモデルに hanaのつぶやき」 「一芸に秀でる者は多芸に通ずということわざがある。ある分野を極めた人は他の分野でも優れた才能を発揮することができるという意味だよ」。 旅行先から、大きな荷物を持って帰ってきた「お父」が、その荷物をほ…

1296 hana物語(38) つぶやき15

「楽しいことや悲しいこと hanaのつぶやき」 私は、この夏で9歳になったハナです。もう9回の夏を過ごしてしまいました。それにしてもことしはいろいろなことがありました。楽しいこと、つらいこと、悲しいことが重なりました。長い間一緒にいて、あん…

1295 hana物語(37) つぶやき14

「老犬でも想像妊娠 私の日記から」 人間の世界では「想像妊娠」という言葉がある。実際には妊娠していないのに、妊娠したのと同じような兆候が現れる現象だ。それが犬の場合にも発生することがあることを、わが家のhanaが証明した。8歳半の老犬の範疇…

1294 hana物語(36) つぶやき13

「いたずらをやりました hanaのつぶやき」 ことしもきょうで終わり、2011年が近づく足音が聞こえてくるようです。私は8歳半になりました。夕方の散歩のとき、だれもいない広場で「お父」がリードをはずしてくれたので、思い切り走ってみました。近…

1293 hana物語(35) つぶやき12

「ドライブ中の出来事 hanaのつぶやき」 私は小さいころから車に乗るのが大好きでした。これまでは夏でも車に乗せてもらうのが普通でしたが、暑くてたまらないことしの夏は、家族はあまり車に乗せてくれません。 だから、みんなが出かけるときには、大騒…

1292 hana物語(34) つぶやき11

「いい加減な飼い主のこと hanaのつぶやき」 2月もあと1週間で終わりです。人間には寒い季節でしょうが、私のような犬には、夏に比べたらすごしやすい方です。きょうは、私の家で一番いい加減な「お父」の話をします。きょうの出来事です。 夜、「お父…

1291 hana物語(33) つぶやき10

「犬の事故の話 私の日記から(第1章と重複しますが、当時の心境はこんな感じでした)」 わが家の犬が爪楊枝を飲み込んで大騒ぎをしたことは、hanaの独り言の通りだ。実は、こうした犬にまつわる「事故」はそう珍しいことではないようだ。わが家の話を…

1290 hana物語(32) つぶやき9

「飼い主の愛情が一番のごちそう hanaのつぶやき」 私の主治医は、おじいちゃん先生です。ふだんは苦虫をかみつぶしたような、愛想のない顔をしています。私はつい最近7歳になりました。優しい家族の家に飼われていますが、夏の暑さには参ってしまい、…

1289 hana物語(31) つぶやき8

「連休のわが家は hanaのつぶやき」 世間ではゴールデンウイークという連続した休みが続いています。ふだん家にいない「お父」がこのところ、毎日私の相手をしてくれます。朝だけでなく夕方の散歩も付き合ってくれますが、夕方はやや苦痛です。 ママは、…

1288 hana物語(30) つぶやき7

「ああ!いい季節だ hanaのつぶやき(hana6歳)」 12月になって、私の体調はすこぶる(こんな表現は古いでしょうか)順調なのです。暑い夏に比べたら、いまは極楽です。私が一番多く時間を送っているのは居間なのですが、この一角にあるストーブ…

1287 hana物語(29) つぶやき6

「この季節は散歩もいや 私の日記から」 このところ、hanaは散歩を嫌がる。朝も夕方も散歩に連れ出そうとすると、横になって寝たふりをするのである。この暑さに参り、エアコンの効いた部屋の方が楽だと、動物的勘が働くのだろうか。 仕方なく、リードを…

1286 hana物語(28) つぶやき5

「車は最高 hanaのつぶやき」 人間の世界ではゴールデンウイークという休みの連続する日々が終わりました。この間、いつもならママと昼の時間を送っている私ですが、「お父」やお姉さんたちが家にいることが多く、私にとっては休日ではありませんでした…

1285 hana物語(27) つぶやき4

「私じゃないよ hanaのつぶやき」 私にとって、迷惑なことがありました。そのためについ、「お父」とママに文句を言ってしまいました。つい先日の夜のことです。リビングの一角にあるゴミ箱のゴミがあふれ、近くに少し散らばっていました。 隣の和室で何…

1284 hana物語(26) つぶやき3

「寂しさのあまり hanaのつぶやき」 このところ、昼間私はいつも孤独です。この家で一番私の面倒をみてくれるママの姿が見えないからです。一軒家で留守番をするのは、ママが習い事に出かける週1回だけでした。それなのに、今週はママの姿はずうっと見…

1283 hana物語(25) つぶやき2

「雨の散歩はいや」 このところ、秋雨前線の影響で雨の日が多く、散歩をする人や犬の姿は少ない。けさも6時に起き外を見たら、雨が降っている。散歩はどうするかと思っていたら、家のhanaが起きてきて私に擦り寄り、しきりに甘える。 これは散歩をねだ…

1282 hana物語(24) 第2章 つぶやき1

人はなぜペットを飼うのだろうか。さまざまな事情があるだろうが、私の家族の場合は、思わぬ形でやってきたhanaという珍客を私と娘が大賛成、妻は戸惑いの気持ちで迎え入れた。 ところが、戸惑いつつ毎日hanaの世話をするようになった妻は、いつの間…

1281 hana物語(23) 月を見る夜

2013年9月19日は旧暦8月15日の満月で、中秋の名月の日でもあった。 15夜とも呼び、昔から月がきれいに見える季節である。この夜に月が雲に隠れて見えないことを「無月」、雨が降ることを「雨月」というそうだが、幸い、数日にわたって好天が続き…

1280 hana物語(22) 別れの日

2013年9月15日は、台風18号が接近してきた影響で朝から強い雨が降っていた。だが、昼近くから晴れ間がのぞいた。この日、hanaの49日には少し早いが、床の間に飾っておいた遺骨を庭に埋めてやることにした。 その場所は、前から決めていたよう…