小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

1973 「高貴」という言葉は似合わない クローデルの評価はどこへ

先日のブログでフランスの外交官で詩人・劇作家ポール・クローデル(1868~1955)の『断章』という詩を紹介した。クローデルは、駐日フランス大使を務めたこともあって、大変な親日家だった。第2次大戦で日本の敗色が濃くなってきたころ、ある夜会…

1972 甲子園大会ヒーローの光と影 最高年俸投手と刑事事件被告の内野手

今朝配達された新聞には、大リーグのヤンキースからフリーエージェント(FA)になった田中将大投手(32)がプロ野球パリーグの楽天との契約に合意したことが大きな扱いで載っている。年俸もプロ野球史上最高だという。一方、同じ新聞の地方版には、夏の…

1971 ラッセルの警告が現実に 人類に未来はあるか

「人類に未来があるか、あるいは破滅か。その解答の出ないまま私は死んでいく。ただ私の最後の言葉として遺したいのは、人類がこの地球に生き残りたいと思うならば、核兵器を全廃しなければならない」。イギリスの哲学者、バートランド・ラッセル(1872…

1970 散歩途中考えること 不可思議な世論調査

ここ1年私の散歩コースでもある遊歩道で平日、散歩やジョギングする人が少なくない。コロナ禍が影響していることは間違いないだろうと思われる。散歩は「(行く先・道順などを特に決めることなく)気分転換・健康維持や軽い探索などのつもりで戸外に出て歩…

1969 生涯現役と老害と 仲代さんと政治家たち

俳優の仲代達矢さんがラジオに出演し、最近米寿(88歳)を迎えたと話していました。1932(昭和7)年12月13日生まれ。今も現役の俳優です。政治の世界。新しくアメリカの大統領になったバイデンさんは78歳と、史上最高齢での大統領就任だそうで…

1968「民衆をなめるな」 コロナ禍の日常の中で

「『民衆をなめやがって……』私はテレビの画面に見入りながら、何度も胸のなかで呟きました。この国は民衆を侮辱する国だと思いました。これほど民衆から誇りを奪って平気な国はない、と」。阪神・淡路大震災から昨17日で26年が過ぎた。同じように、民衆…

1967 コロナ対策でアジア最大の失敗国になる恐れ カタカナ用語氾濫の中で

「日本はコロナ対策でアジア最大の失敗国になりつつある」「ウイズコロナという政策は愚策」――ある学者の政府のコロナ対策に関する評価だ。客観的な見方だと思う。しかし、こうした声が首相官邸、政府与党には届かないのだろうか。危機のときだからこそ、政…

1966 今の日本に必要なものは 半藤一利が残した言葉

今の日本に必要なのは何か? 12日に90歳で亡くなったノンフィクション作家の半藤一利は、『昭和史 戦後篇』(平凡社)で5つの項目を挙げている。コロナで後手、後手に回る政府の対応策を見ていると、そのほとんどが欠けているように思えてならない。そ…

1965 世界の人々を鼓舞する少女 ロッカクアヤコの奇想の世界

伊藤若冲は最近人気が急増している江戸時代の絵師です。高い写実性に加え、想像力を働かせた作品が特徴であることから「奇想の画家」と呼ばれているそうです。私は若冲の系譜を受け継ぐ現代の画家は「五百羅漢図」を描いた村上隆だと思っているのですが、最…

1964 1年前の不安が現実に 文明人と野蛮人の勇気の違い

新型コロナウイルス感染症の発生地といわれる中国武漢市が封鎖になったのは、2020年1月23日だった。あれから間もなく1年になる。私がこのブログで新型コロナのことを初めて書いたのも、この日だった。当時のブログを読み返すと、「新型コロナウイル…

1963 空飛ぶ宝石との出会い 戻ってきたカワセミ

新型コロナ感染症の第3波によって、首都圏で2回目の緊急事態宣言が出されることになった。コロナ禍によって、昨年から続いている閉塞感は強まるばかりだ。そんな時はぶらぶらと散歩をする。近くの遊歩道を歩いていたら、道のわきを流れる小川の岩の上に青…

1962 繰り返す歴史 知恵を絞ろう

歴史は繰り返すという。この言葉は、人類が成長していないことを表しているのではないか。コロナ禍のこの1年、世界、日本の動きを見ていると、そう思わざるを得ない。このブログで何回か書いている通り人類はウイルスに襲われ、それを克服した歴史といって…