小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2013-01-01から1年間の記事一覧

1185 シリウスとの対話 遥かなるhanaからのメッセージ

わが家の飼い犬のhana(ゴールデンレトリーバー・雌、11歳)が、私たち家族に別れを告げてから、きょうで5カ月になった。友人から「hanaちゃんは、シリウスへ旅立ったのです」という便りをもらい、そのシリウスが見える日を待っていた。厳寒の季…

1185 シリウスとの対話 遥かなるhanaからのメッセージ

わが家の飼い犬のhana(ゴールデンレトリーバー・雌、11歳)が、私たち家族に別れを告げてから、きょうで5カ月になった。友人から「hanaちゃんは、シリウスへ旅立ったのです」という便りをもらい、そのシリウスが見える日を待っていた。 厳寒の季…

1184 森で見た天狗の羽団扇 ヤツデの白い花、そして梨木香歩「冬虫夏草」

小さな森を歩いていると、白い球状の花が咲いている木があった。ヤツデである。この木はかつて鑑賞用や目隠し用として家々に植えられていて、珍しくなかった。 歌人の島木赤彦はそんな光景を「窓の外に白き八つ手の花咲きてこころ寂しき冬は来にけり」と詠っ…

1184 森で見た天狗の羽団扇 ヤツデの白い花、そして梨木香歩「冬虫夏草」

小さな森を歩いていると、白い球状の花が咲いている木があった。ヤツデである。この木はかつて鑑賞用や目隠し用として家々に植えられていて、珍しくなかった。歌人の島木赤彦はそんな光景を「窓の外に白き八つ手の花咲きてこころ寂しき冬は来にけり」と詠っ…

1183 ネパールコーヒーと焙煎 冬至過ぎ赤く熟した実

私の部屋に観賞用のコーヒーの木がある。娘がかなり前に小さな苗木をもらってきたのが、いつの間にか1メートル60センチ以上に伸び、このところ毎年実をつけるようになった。ことしもコーヒーの実が色づく季節になった。オリーブよりもやや大きめで緑色か…

1183 ネパールコーヒーと焙煎 冬至過ぎ赤く熟した実

私の部屋に観賞用のコーヒーの木がある。娘がかなり前に小さな苗木をもらってきたのが、いつの間にか1メートル60センチ以上に伸び、このところ毎年実をつけるようになった。ことしもコーヒーの実が色づく季節になった。オリーブよりもやや大きめで緑色か…

1182 たった一枚の写真でも すがすがしさとおぞましさ

たった一枚でも写真の力は大きい―。そんなことを考えながら、日本橋三越で開催中の2013年報道写真展(東京写真記者協会主催)のグランプリ作品「見せましょう!日本の底力を」を見た。一方、同じ写真でも北朝鮮が国営メディアを通じて公表したNO2・張…

1182 たった一枚の写真でも すがすがしさとおぞましさ

たった一枚でも写真の力は大きい―。そんなことを考えながら、日本橋三越で開催中の2013年報道写真展(東京写真記者協会主催)のグランプリ作品「見せましょう!日本の底力を」を見た。 一方、同じ写真でも北朝鮮が国営メディアを通じて公表したNO2・…

1181 デジカメ過剰撮影時代のマイナス効果 旅の記録と記憶

カメラといえばデジタルカメラの時代で、フィルムカメラを使うのは写真のプロか、一部の愛好者しかいないといっていいだろう。そんな時代、だれもが枚数を気にせずシャッターを切る。旅先で数多くの写真を撮影してしまい、あとでどれをプリントしたらいいか…

1181 デジカメ過剰撮影時代のマイナス効果 旅の記録と記憶

カメラといえばデジタルカメラの時代で、フィルムカメラを使うのは写真のプロか、一部の愛好者しかいないといっていいだろう。そんな時代、だれもが枚数を気にせずシャッターを切る。旅先で数多くの写真を撮影してしまい、あとでどれをプリントしたらいいか…

1180 荘子・胡蝶の夢に惹かれて ある詩人を偲んだ絶唱

詩人の飯島正治さんが亡くなって3年が過ぎた。亡くなる1年前の2009年から飯島さんが中心になって発刊した詩誌「薇」の第9号が手元に届いた。9人の同人による詩と「小景」という短いエッセーが掲載されている。言葉と向き合う達人たちの詩の中で、ふ…

1180 荘子・胡蝶の夢に惹かれて ある詩人を偲んだ絶唱

詩人の飯島正治さんが亡くなって3年が過ぎた。亡くなる1年前の2009年から飯島さんが中心になって発刊した詩誌「薇」の第9号が手元に届いた。9人の同人による詩と「小景」という短いエッセーが掲載されている。言葉と向き合う達人たちの詩の中で、ふ…

1179 チャオプラヤー川クルーズ・足マッサージ痛さの違い  タイへの旅(7)完

バンコク市内を流れるチャオプラヤー川はパリのセーヌ川と同じように、多くの遊覧船が行き交う。この川沿いにはよく知られた寺院もあり、船上から眺めるバンコクの街の変化はかなり見どころがある。BTS(バンコク・スカイトレイン)という高架鉄道のサパ…

1179 チャオプラヤー川クルーズ・足マッサージ痛さの違い  タイへの旅(7)完

バンコク市内を流れるチャオプラヤー川はパリのセーヌ川と同じように、多くの遊覧船が行き交う。この川沿いにはよく知られた寺院もあり、船上から眺めるバンコクの街の変化はかなり見どころがある。 BTS(バンコク・スカイトレイン)という高架鉄道のサパ…

1178 街中のスタバで憩う タイへの旅(6)

私はあまりショッピングに興味がない。そのために、一緒に旅行に行った家族がショッピングにいそしんでいる間は喫茶店で本を読むことが多い。今回のタイ旅行でも訪れたチェンマイ、バンコクの2つの都市で喫茶店にお世話になった。もちろん、両都市にはグロ…

1178 街中のスタバで憩う タイへの旅(6)

私はあまりショッピングに興味がない。そのために、一緒に旅行に行った家族がショッピングにいそしんでいる間は喫茶店で本を読むことが多い。今回のタイ旅行でも訪れたチェンマイ、バンコクの2つの都市で喫茶店にお世話になった。もちろん、両都市にはグロ…

1177 予測できない展開でもうまく収拾する国民性 タイへの旅(5)

チェンマイに10年近く住む友人は、タイの人々についてよく観察をしている。友人によると、日常的にタイ人と接していると、大体予測のできない展開になる。それが面白くて退屈しないそうだが、結果的には何となくうまく収まってしまうことが多いというので…

1177 予測できない展開でもうまく収拾する国民性 タイへの旅(5)

チェンマイに10年近く住む友人は、タイの人々についてよく観察をしている。友人によると、日常的にタイ人と接していると、大体予測のできない展開になる。それが面白くて退屈しないそうだが、結果的には何となくうまく収まってしまうことが多いというので…

1176 受難の歴史を歩んだアユタヤ遺跡 タイへの旅(4)

ことしは海外の2つの世界(文化)遺産を見ることができた。7月のカンボジア・アンコールワットと11月のタイ・アユタヤだ。アンコールワットは12世紀前半、アユタヤは14世紀から建設が進められた。日本では平安時代後期―鎌倉時代を経て室町時代初期に…

1176 受難の歴史を歩んだアユタヤ遺跡 タイへの旅(4)

ことしは海外の2つの世界(文化)遺産を見た。7月のカンボジア・アンコールワットと11月のタイ・アユタヤである。アンコールワットは12世紀前半、アユタヤは14世紀から建設が進められた。日本では平安時代後期―鎌倉時代を経て室町時代初期に至るころ…

1175 微笑の国での生活 タイへの旅(3)

定年後、日本を離れて海外で暮らす「ロングスティ」希望者が増えている。日本は来年4月から消費税が8%になるため、さらに海外に目を向ける人が多くなるのではないか。「一般財団法人ロングスティ財団」。こんな財団があるとは知らなかったが、ウェブで調…

1175 微笑の国での生活 タイへの旅(3)

定年後、日本を離れて海外で暮らす「ロングスティ」希望者が増えている。日本は来年4月から消費税が8%になるため、さらに海外に目を向ける人が多くなるのではないか。「一般財団法人ロングスティ財団」。こんな財団があるとは知らなかったが、ウェブで調…

1174 コムローイ(天灯)に想う タイへの旅(2)

タイ旅行で、日本では見かけたことがないものに出会った。一夜、友人に案内されてチェンマイの中心部を流れるピン川沿いに建つタイ料理の名店「ターナム」というレストランに行った。ここでは、つい先日終わったばかりのロイクラトン祭りと同じような趣向を…

1174 コムローイ(天灯)に想う タイへの旅(2)

タイ旅行で、日本では見かけたことがないものに出会った。一夜、友人に案内されてチェンマイの中心部を流れるピン川沿いに建つタイ料理の名店「ターナム」というレストランに行った。ここでは、つい先日終わったばかりのロイクラトン祭りと同じような趣向を…

1173 身体痛めて情け知る 空港での心温まる話 タイへの旅(1)

つい、先日タイを旅した。第2の都市といわれるチェンマイには奥さんとともに10年近くロングスティをしている友人がいる。この友人のことは後に触れることにして、今回は昔のことわざである「旅は道連れ 世は情け」(旅は心 世は情け、とも言う)を思い出…

1173 身体痛めて情け知る 空港での心温まる話 タイへの旅(1)

つい、先日タイを旅した。第2の都市といわれるチェンマイには奥さんとともに10年近くロングスティをしている友人がいる。この友人のことは後に触れることにして、今回は昔のことわざである「旅は道連れ 世は情け」(旅は心 世は情け、とも言う)を思い出…

1172 ユーモア精神あふれるものは?間投詞について

イギリスでは、バンザイを意味する言葉として「hooray」という間投詞(感動して、不意に叫んだ言葉)があり、女王陛下万歳は「Hooay for the Queen!」ないし「Hurray for the Queen!」というそうだ。24日に千秋…

1172 ユーモア精神あふれるものは?間投詞について

イギリスでは、バンザイを意味する言葉として「hooray」という間投詞(感動して、不意に叫んだ言葉)があり、女王陛下万歳は「Hooay for the Queen!」ないし「Hurray for the Queen!」というそうだ。24日に千秋…

1171 そうか、もう君はいないのか 滅びの美の季節

「そうか、もう君はいないのか」―。作家の城山三郎が亡くなった愛妻の回想を記し2008年に出した本の題名だ。来年の年賀状が売り出され、同時に喪中の便りが届く季節になった。年々、この便りは増えているな。そんな思いで一枚のはがきを手に取った。する…

1171 そうか、もう君はいないのか 滅びの美の季節

「そうか、もう君はいないのか」―。作家の城山三郎が亡くなった愛妻の回想を記し2008年に出した本の題名だ。来年の年賀状が売り出され、同時に喪中の便りが届く季節になった。年々、この便りは増えているな。そんな思いで一枚のはがきを手に取った。 す…