小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

375 この世はすべてよし ブラウニングからの贈り物

2008年の大みそかだ。イギリスの詩人、ロバート・ブラウニング(1812―1889)の詩を多くの人に贈ろうと思う。それは「神は天にあり、この世はすべてよし」である。モンゴメリの「赤毛のアン」のラストに引用されていることでも知られ「ピッパが通…

375 この世はすべてよし ブラウニングからの贈り物

2008年の大みそかだ。イギリスの詩人、ロバート・ブラウニング(1812―1889)の詩を多くの人に贈ろうと思う。それは「神は天にあり、この世はすべてよし」である。モンゴメリの「赤毛のアン」のラストに引用されていることでも知られ「ピッパが通…

374 どこに行く日本

2008年が、このような一年になるとだれが予想しただろう。世界経済の不況によって住む家を失い、明日への希望をなくした人々のニュースが後を絶たない。 企業は、生き残るためという大前提で多くの人たちをやめさせた。つい最近まで、史上空前の黒字を記…

374 どこに行く日本

2008年が、このような一年になるとだれが予想しただろう。世界経済の不況によって住む家を失い、明日への希望をなくした人々のニュースが後を絶たない。企業は、生き残るためという大前提で多くの人たちをやめさせた。つい最近まで、史上空前の黒字を記…

373 新聞記者の原点 本田靖春の「警察(サツ)回り」

ある報道機関で社会部記者をした友人がいる。彼の話を耳にたこができるくらい聞いていた私は、この本を読んで知人の若い記者時代を思い出した。ノンフィクション作家として独立するまで本田は読売新聞の社会部記者をしていた。そのスタートは、サツ回りと呼…

373 新聞記者の原点 本田靖春著『警察(サツ)回り』

私はかつて共同通信社で社会部記者をしていた。私は、この本を読んで自分の若い記者時代を思い出した。ノンフィクション作家として独立するまで本田は読売新聞の社会部記者をしていた。そのスタートは、サツ回りと呼ばれる警察担当だ。上野警察署の近くにあ…

372 旅する力 沢木耕太郎の本

沢木耕太郎は26歳のとき、1年間をかけて香港からバスを使ってユーラシアへの旅をした。「深夜特急」というノンフィクションとして作品化されるのは10年後のことで、産経新聞の新聞連載という形だった。 この後単行本として出版され、多くの人の共感を呼…

372 旅する力 沢木耕太郎の本

沢木耕太郎は26歳のとき、1年間をかけて香港からバスを使ってユーラシアへの旅をした。「深夜特急」というノンフィクションとして作品化されるのは10年後のことで、産経新聞の新聞連載という形だった。 この後単行本として出版され、多くの人の共感を呼…

371 「動」のときこそ「静」を 旅模様08年に思う

ことしも旅に明け暮れた。沖縄から北海道まで全国を歩き、海外にも出かける機会があった。ことしの生活を漢字で表現すると「動」といえるかもしれない。 イタリアの経済学者、パレートは「静かに行く者は健やかに行く 健やかに行く者は遠くまで行く」という…

371 「動」のときこそ「静」を 旅模様08年に思う

ことしも旅に明け暮れた。沖縄から北海道まで全国を歩き、海外にも出かける機会があった。ことしの生活を漢字で表現すると「動」といえるかもしれない。イタリアの経済学者、パレートは「静かに行く者は健やかに行く 健やかに行く者は遠くまで行く」という言…

370 正統派こそ 「変」に対抗する若者へ

ことしの世相を反映した漢字は「変」だそうだ。変な世の中を指しているのか、明るい社会に変わってほしいという希望を込めた意味なのか。人それぞれに受け止め方が異なるかもしれない。 こういう時代にあってこそ、真っ直ぐに生きる姿勢を持ちたいと思う。た…

370 正統派こそ 「変」に対抗する若者へ

ことしの世相を反映した漢字は「変」だそうだ。変な世の中を指しているのか、明るい社会に変わってほしいという希望を込めた意味なのか。人それぞれに受け止め方が異なるかもしれない。こういう時代にあってこそ、真っ直ぐに生きる姿勢を持ちたいと思う。た…

369 「悩む力」・「自壊する帝国」 読まず嫌いの本を読む

この種の本とはこれまであまり縁がなかった。人生の生き方を考える本だ。知人の奨めで東大大学院教授の姜尚中(カンサンジュン)氏の「悩む力」を読んでみると、これがけっこう面白い。文字通り考えさせられ、少しだけ後輩の姜氏の思いに共感を持った。 この…

369 「悩む力」・「自壊する帝国」 読まず嫌いの本を読む

この種の本とはこれまであまり縁がなかった。人生の生き方を考える本だ。知人の奨めで東大大学院教授の姜尚中(カンサンジュン)氏の「悩む力」を読んでみると、これがけっこう面白い。文字通り考えさせられ、少しだけ後輩の姜氏の思いに共感を持った。 この…

368 コーヒーの小さな実  冬のある朝に

小さな発見をした。初めて、観葉植物として育ててきたコーヒーの木に実がなったのだ。 犬を連れて、朝の散歩に出る。けさはこの冬一番の冷え込みで、空は真っ青だ。街路樹の葉はほとんど落ちている。遠くに冠雪の富士山がくっきりと見える。その鮮やかさに感…

368 コーヒーの小さな実 冬のある朝に

小さな発見をした。初めて、観葉植物として育ててきたコーヒーの木に実がなったのだ。 犬を連れて、朝の散歩に出る。けさはこの冬一番の冷え込みで、空は真っ青だ。街路樹の葉はほとんど落ちている。遠くに冠雪の富士山がくっきりと見える。その鮮やかさに感…

367 冬の朝の散歩 hanaの12月のつぶやき

12月になって、私の体調はすこぶる(こんな表現は古いでしょうか)順調なのです。暑い夏に比べたら、いまは極楽です。私が一番多く時間を送っているのは居間なのですが、この一角にあるストーブからは暖かい風が流れてきています。そんな部屋にいると、す…

367 冬の朝の散歩 hanaの12月のつぶやき

12月になって、私の体調はすこぶる(こんな表現は古いでしょうか)順調なのです。暑い夏に比べたら、いまは極楽です。私が一番多く時間を送っているのは居間なのですが、この一角にあるストーブからは暖かい風が流れてきています。そんな部屋にいると、す…

366 琴線に触れる映画 「青い鳥」と「私は貝になりたい」

最近、邦画2本を連続して見た。話題の映画である。いじめ問題を扱った「青い鳥」と、終戦後のBC級戦犯の悲しみを描いた「私は貝になりたい」だ。 映画を見る場合、できるなら琴線に触れる作品をみたいと思う。この2本はその条件を満たしていた。 重松清の…

366 琴線に触れる映画 「青い鳥」と「私は貝になりたい」

最近、邦画2本を連続して見た。話題の映画である。いじめ問題を扱った「青い鳥」と、終戦後のBC級戦犯の悲しみを描いた「私は貝になりたい」だ。映画を見る場合、できるなら琴線に触れる作品をみたいと思う。この2本はその条件を満たしていた。 重松清の小…

365 駆け足の2008年 広島にて

ことしも12月になった。年をとるごとに時間の経過が早く感じる。フランスの19世紀の心理学者ピエール・ジャネによる「ジャネの法則」がそれを裏付けたものとして知られる。もともと哲学者のポール・ジャネが発案し、甥のピエールが論文に著したのだという。 …

365 駆け足の2008年 広島にて

ことしも12月になった。年をとるごとに時間の経過が早く感じる。フランスの19世紀の心理学者ピエール・ジャネによる「ジャネの法則」がそれを裏付けたものとして知られる。もともと哲学者のポール・ジャネが発案し、甥のピエールが論文に著したのだという。 …