小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

708 夏の終わりに 曼珠沙華とマロニエと

きょうは十五夜だ。いわゆる仲秋の名月である。日本では昔から旧暦の8月15日にお月見をした。その伝統がいまも続いており、ススキを飾り、月を見ながらおだんごを食べる家庭がいまもあるだろう。酷暑という言葉が似合ったこの暑さも、天気予報によると、…

708 夏の終わりに 曼珠沙華とマロニエと

きょうは十五夜だ。いわゆる仲秋の名月である。日本では昔から旧暦の8月15日にお月見をした。その伝統がいまも続いており、ススキを飾り、月を見ながらおだんごを食べる家庭がいまもあるだろう。酷暑という言葉が似合ったこの暑さも、天気予報によると、…

707 特捜検事の堕落 悪魔が来りて笛を吹く

馬鹿な検事がいたものだと思う。障害者団体向け割引郵便制度をめぐり偽の証明書が発行された郵便不正事件で、証拠品として押収したフロッピーディスクを改ざんしていた 疑いで最高検に証拠隠滅容疑で逮捕された大阪地検特捜部の検事、前田恒彦容疑者(43)…

707 特捜検事の堕落 悪魔が来りて笛を吹く

馬鹿な検事がいたものだと思う。障害者団体向け割引郵便制度をめぐり偽の証明書が発行された郵便不正事件で、証拠品として押収したフロッピーディスクを改ざんしていた 疑いで最高検に証拠隠滅容疑で逮捕された大阪地検特捜部の検事、前田恒彦容疑者(43)…

706 目立たなかった白鵬 25歳にしてこの風格

大相撲見物で両国の国技館に何度か入ったことがある。印象に残った力士は千代の富士、貴ノ花、そして朝青龍の3人だ。きょうで54連勝と、双葉山の69連勝に次いで歴代2位の連勝記録をつくった白鵬は見ていることは見ているが、ほとんど記憶にない。まだ…

706 目立たなかった白鵬 25歳にしてこの風格

大相撲見物で両国の国技館に何度か入ったことがある。印象に残った力士は千代の富士、貴ノ花、そして朝青龍の3人だ。きょうで54連勝と、双葉山の69連勝に次いで歴代2位の連勝記録をつくった白鵬は見ていることは見ているが、ほとんど記憶にない。まだ…

705 これぞ飽食窮民! 新幹線の迷惑男女の話

こういうのを飽食窮民というのだろうか。新幹線を遅らせた男女の話である。 飽食は「食べ物はあふれている」、窮民は「生活に困っている」という意味だ。この2つの言葉を基にした「飽食窮民」という造語がある。元共同通信社の名物記者だった故斉藤茂男が考…

705 これぞ飽食窮民! 新幹線の迷惑男女の話

こういうのを飽食窮民というのだろうか。新幹線を遅らせた男女の話である。飽食は「食べ物はあふれている」、窮民は「生活に困っている」という意味だ。この2つの言葉を基にした「飽食窮民」という造語がある。元共同通信社の名物記者だった故斉藤茂男が考…

704 「シッ ダールタ」の悟り ヘルマン・ヘッセの伝言

孔子の論語「為政編」に有名な言葉がある。「吾、15にして学に志し(志学)、30にして立ち(而立)、40にして惑わず(不惑)、50にして天命を知る(知命)、 60にして耳にしたがう(耳順)、70にして心の欲するところに従って矩(のり)をこえず…

704 「シッ ダールタ」の悟り ヘルマン・ヘッセの伝言

孔子の論語「為政編」に有名な言葉がある。「吾、15にして学に志し(志学)、30にして立ち(而立)、40にして惑わず(不惑)、50にして天命を知る(知命)、 60にして耳にしたがう(耳順)、70にして心の欲するところに従って矩(のり)をこえず…

703 礼に始まり礼に終わるのに! 残念な世界柔道最終試合

柔道をはじめとする「武道」は「礼に始まり礼に終わる」といわれる。しかし、柔道が国際的スポーツに発展し、勝負を優先するあまり、本来の礼を大事にする姿勢が失われているようだ。 残念ながら、これを象徴する姿をきょう13日まで開かれた世界柔道東京大…

703 礼に始まり礼に終わるのに! 残念な世界柔道最終試合

柔道をはじめとする「武道」は「礼に始まり礼に終わる」といわれる。しかし、柔道が国際的スポーツに発展し、勝負を優先するあまり、本来の礼を大事にする姿勢が失われているようだ。 残念ながら、これを象徴する姿をきょう13日まで開かれた世界柔道東京大…

702 「今日われ生きてあり」 特攻は統率の外道

あとがきや解説から読み始めるのは邪道と知りつつ、解説がついている文庫本はつい後ろから読んでしまうことがある。 この本の解説を書いた高田宏の作品には資料をじっくりと調べたものが多く、この解説も高田らしく冷静に筆を進めるものかと思ったが、そうで…

702 「今日われ生きてあり」特攻は統率の外道

あとがきや解説から読み始めるのは邪道と知りつつ、解説がついている文庫本はつい後ろから読んでしまうことがある。この本の解説を書いた高田宏の作品には資料をじっくりと調べたものが多く、この解説も高田らしく冷静に筆を進めるものかと思ったが、そうで…

701 朝から晩までギョーザづくり 手作りにこだわり27年のニイハオ

知人に東京の蒲田を中心に、ギョーザを売物にした中華料理店「你好」(ニイハオ)を経営している八木功さんという人がいる。 1983年の開店以来、これまでに8店舗までに店を広げ、さらに今月JR蒲田駅西口に9店舗目の「你好恵馨閣」(けいしんかく)を…

701 朝から晩までギョーザづくり 手作りにこだわり27年のニーハオ

知人に東京の蒲田を中心に、ギョーザを売物にした中華料理店「你好」(ニーハオ)を経営している八木功さんという人がいる。 1983年の開店以来、これまでに8店舗までに店を広げ、さらに今月JR蒲田駅西口に9店舗目の「你好恵馨閣」(けいしんかく)を…

700 いい人たちがなぜ? 悲劇の島を描いた「終わらざる夏」

太平洋戦争で日本がポツダム宣言を受託、連合国に無条件降伏を通告したのは1945年8月14日だ。その翌15日、昭和天皇が放送を通じて終戦詔書を朗読、国民に日本の敗戦を公表した。 しかし、この後も千島列島には日ソ中立条約を一方的に破棄したソ連が…

700 いい人たちがなぜ? 悲劇の島を描いた「終わらざる夏」

太平洋戦争で日本がポツダム宣言を受託、連合国に無条件降伏を通告したのは1945年8月14日だ。その翌15日、昭和天皇が放送を通じて終戦詔書を朗読、国民に日本の敗戦を公表した。 しかし、この後も千島列島には日ソ中立条約を一方的に破棄したソ連が…

699 政治家の悲劇 集中豪雨の夜に

ゆりかもめに乗って国際展示場で開かれているイベントに行こうと有明で降りたら、ものすごい雨になっていた。 歩いて200メートルほどなので雨の中を歩き始めたら、横殴りの雨に襲われて全身が濡れネズミになり、靴の中も雨水でぬるぬるする。仕方なく、途…

699 政治家の悲劇 集中豪雨の夜に

ゆりかもめに乗って国際展示場で開かれているイベントに行こうと有明で降りたら、ものすごい雨になっていた。歩いて200メートルほどなので雨の中を歩き始めたら、横殴りの雨に襲われて全身が濡れネズミになり、靴の中も雨水でぬるぬるする。仕方なく、途…

698 小説・映画「悪人」 現代日本にはそれより悪い奴がいる

悪人の定義は「心の邪悪は人、悪事を働く人、悪者」とある。芥川賞作家、吉田修一の「悪人」の主人公は、たしかに悪事(殺人)を働いた人物だ。しかし、心は決して邪悪ではない。気が弱くて、自分の意見をはっきり主張できないごく普通の青年だ。 出会い系サ…

698 小説・映画「悪人」 現代日本にはそれより悪い奴がいる

悪人の定義は「心の邪悪は人、悪事を働く人、悪者」とある。芥川賞作家、吉田修一の「悪人」の主人公は、たしかに悪事(殺人)を働いた人物だ。しかし、心は決して邪悪ではない。気が弱くて、自分の意見をはっきり主張できないごく普通の青年だ。 出会い系サ…

697 映画「トイレット」の世界  もたいまさこの目の演技

見る人に想像力を求める映画だ。「かもめ食堂」の荻上直子監督の新しい作品「トイレット」である。米国(撮影場所はカナダのトロント)の小さな町を舞台に主な出演者は、もたいまさこと3人の孫たちと一匹の猫である。日本の映画だが、セリフはすべて英語で…

697 映画「トイレット」の世界 もたいまさこの目の演技

見る人に想像力を求める映画だ。「かもめ食堂」の荻上直子監督の新しい作品「トイレット」である。米国(撮影場所はカナダのトロント)の小さな町を舞台に主な出演者は、もたいまさこと3人の孫たちと一匹の猫である。 日本の映画だが、セリフはすべて英語で…

696 旅と食べ物 名古屋「ひつまぶし」

日本各地には、その土地それぞれの食べ物がある。通販制度が発達しているので、どこにいても欲しい物は手に入る時代とはいえ、やはり名物はその土地に行って食べるのがおいしいはずだと思う。 グルメではないので、旅行先で名物を食べようという意識は特にな…

696 旅と食べ物 名古屋「ひつまぶし」

日本各地には、その土地それぞれの食べ物がある。通販制度が発達しているので、どこにいても欲しい物は手に入る時代とはいえ、やはり名物はその土地に行って食べるのがおいしいはずだと思う。 グルメではないので、旅行先で名物を食べようという意識は特にな…

695 晩夏そして挽歌 コオロギの鳴き始めの季節

9月に入っても涼しくはならない。だが、自然界に住む生物は秋の季節を感じているらしい。 夜の帳が下り始めた帰り道。草むらからコオロギたちのすだく音が耳に入る。中国大陸からやってきた繁殖力の強い種類らしい。それは風情を通り越して、うるさいくらい…

695 晩夏そして挽歌 コオロギの鳴き始めの季節

9月に入っても涼しくはならない。だが、自然界に住む生物は秋の季節を感じているらしい。 夜の帳が下り始めた帰り道。草むらからコオロギたちのすだく音が耳に入る。中国大陸からやってきた繁殖力の強い種類らしい。それは風情を通り越して、うるさいくらい…