小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

1051 心に残る福美ちゃんの絵 小児がんの子どもたちの絵画展にて

11月もきょう30日で終わり、明日から師走に入る。日本人は楽しいことには気が早いのか、街ではもうクリスマスツリーを見かける。そのクリスマスツリーを自分の目で見ることを夢見ながら、病床で絵を描いた少女がいた。石川福美ちゃんだ。横浜のみなとみ…

1051 心に残る福美ちゃんの絵 小児がんの子どもたちの絵画展にて

11月もきょう30日で終わり、明日から師走に入る。日本人は楽しいことには気が早いのか、街ではもうクリスマスツリーを見かける。そのクリスマスツリーを自分の目で見ることを夢見ながら、病床で絵を描いた少女がいた。石川福美ちゃんだ。 横浜のみなとみ…

1050 ベスト1の小説「ことり」 メルヘンながら現実社会を投影

ことしも残すところ1カ月余になった。種々雑多な本を読んだ中で、私にとってこれまでのベスト1は、小川洋子著「ことり」である。同じ作者の作品で映画にもなった「博士の愛した数式」も心に残る1冊だったが、それと並ぶ上質な小説だと思う。朝日新聞の文…

1050 ベスト1の小説「ことり」 メルヘンながら現実社会を投影

ことしも残すところ1カ月余になった。種々雑多な本を読んだ中で、私にとってこれまでのベスト1は、小川洋子著「ことり」である。同じ作者の作品で映画にもなった「博士の愛した数式」も心に残る1冊だったが、それと並ぶ上質な小説だと思う。 朝日新聞の文…

1049 初冬の風景 美しい日本よ

日一日と寒さが厳しくなるにつれ空気が乾き、自然界は透明感を増している。カメラでそうした日本の美しい光景を写したいと思うが、なかなかうまくは行かない。最近、沖縄県石垣島へと旅をした。東京との温度差は15度近い。春のような暖かさに体から疲れが…

1049 初冬の風景 美しい日本よ

日一日と寒さが厳しくなるにつれ空気が乾き、自然界は透明感を増している。カメラでそうした日本の美しい光景を写したいと思うが、なかなかうまくは行かない。 最近、沖縄県石垣島へと旅をした。東京との温度差は15度近い。春のような暖かさに体から疲れが…

1048 夕焼けの雲の下にいる福美ちゃんへ あるコメントへの返事

「出会った人たちの言葉(3)に対し、うれしいコメントがあった。後段の「どんな悩みも隠さないで」の石川福美ちゃんのお母さんからだった。福美ちゃんは小児がんで短い生涯を閉じた。そして、娘を亡くしたお母さんは喪失感の中、心の葛藤と闘い苦しい日々…

1048 夕焼けの雲の下にいる福美ちゃんへ あるコメントへの返事

「出会った人たちの言葉(3)に対し、うれしいコメントがあった。後段の「どんな悩みも隠さないで」の石川福美ちゃんのお母さんからだった。福美ちゃんは小児がんで短い生涯を閉じた。そして、娘を亡くしたお母さんは喪失感の中、心の葛藤と闘い苦しい日々…

1047 城下町・関宿にて 終戦処理の鈴木貫太郎ゆかりの町

関宿という地名を知っている人は、歴史好きなのかもしれない。関宿は1590年(天正18年)に松平康元(徳川家康の異父弟)が2万石で城主になって以来、23代にわたって譜代大名が配置された城下町である。江戸時代は、由緒ある藩だった。それから時代を経て…

1047 城下町・関宿にて 終戦処理の鈴木貫太郎ゆかりの町

関宿という地名を知っている人は、歴史好きなのかもしれない。関宿は1590年(天正18年)に松平康元(徳川家康の異父弟)が2万石で城主になって以来、23代にわたって譜代大名が配置された城下町である。江戸時代は、由緒ある藩だった。 それから時代を経て…

1046 何を考えてのバンザイか さて選挙はどうするか

昨日(11月16日)、衆議院が解散し12月16日に選挙が実施される。横路孝弘議長が解散の詔書を読み上げると議場にいた大半の議員は、立ち上がって「バンザーイ」と叫んでいた。いつごろから、解散の際に、この万歳が行われるようになったのかは定かで…

1046 何を考えてのバンザイか さて選挙はどうするか

昨日(11月16日)、衆議院が解散し12月16日に選挙が実施される。横路孝弘議長が解散の詔書を読み上げると議場にいた大半の議員は、立ち上がって「バンザーイ」と叫んでいた。いつごろから、解散の際に、この万歳が行われるようになったのかは定かで…

1045 霧の朝に咲いた皇帝ダリア  そんな朝の暴走老人の話

このところ朝の冷え込みが増し、散歩コースの調整池周辺は霧が立ち込めることが少なくない。秋から冬へと季節が移っているのだ。立冬が過ぎたのだから、当然と言えば当然だ。池の背後にある小さな雑木林も緑の葉が次第に赤へと変化し、鮮やかさを増している…

1045 霧の朝に咲いた皇帝ダリア そんな朝の暴走老人の話

このところ朝の冷え込みが増し、散歩コースの調整池周辺は霧が立ち込めることが少なくない。秋から冬へと季節が移っているのだ。立冬が過ぎたのだから、当然と言えば当然だ。 池の背後にある小さな雑木林も緑の葉が次第に赤へと変化し、鮮やかさを増している…

1044 被災地の製紙工場を見て思うこと 日本とトルコ友好の礎の人

石巻市南浜にある日本製紙石巻工場は、東日本大震災で大きな被害を受けた。被害額は750億円に達したというから気が遠くなるような損害だ。石巻を何度か訪れ、この工場の惨状を見る機会があった。その工場が被災した姿を残したまま操業を再開したことを聞…

1044 被災地の製紙工場を見て思うこと 日本とトルコ友好の礎の人

石巻市南浜にある日本製紙石巻工場は、東日本大震災で大きな被害を受けた。被害額は750億円に達したというから気が遠くなるような損害だ。石巻を何度か訪れ、この工場の惨状を見る機会があった。その工場が被災した姿を残したまま操業を再開したことを聞…

1043 人間のつながり・悲しみ・不屈の闘志 映画・北のカナリアたち・黄色い星の子供たち・天地明察

最近、相次いで3本の映画を見た。邦画(「北のカナリアたち」「天地明察」)2本、洋画(「黄色い星の子供たち」)1本だ。 3年前、話題になった「告白」という湊かなえの小説は現代の「負」を強調した作品だった。その作者の短編集「往復書簡」の中の「2…

1043 人間のつながり・悲しみ・不屈の闘志 映画・北のカナリアたち・黄色い星の子供たち・天地明察

最近、相次いで3本の映画を見た。邦画(「北のカナリアたち」「天地明察」)2本、洋画(「黄色い星の子供たち」)1本だ。 3年前、話題になった「告白」という湊かなえの小説は現代の「負」を強調した作品だった。その作者の短編集「往復書簡」の中の「2…

1042 被災地・女川で出会った若者 会社やめ被災地支援に没頭

東日本大震災の被災地では、勤めていた会社をやめ復興支援のために働いている人が少なくない。宮城県の女川で出会った小松洋介さん(30)もその一人だった。彼は現在、民間の任意団体・女川町復興連絡協議会 戦略室で、被災した事業者や、新しく事業を興す…

1042 被災地・女川で出会った若者 会社やめ被災地支援に没頭

東日本大震災の被災地では、勤めていた会社をやめ復興支援のために働いている人が少なくない。宮城県の女川で出会った小松洋介さん(30)もその一人だった。彼は現在、民間の任意団体・女川町復興連絡協議会 戦略室で、被災した事業者や、新しく事業を興す…

1041 被災地にて・石巻2 文人が見た日和山からの風景

東日本大震災で、一番被害が大きかったのは宮城県石巻市だ。震災後、幾度となくこの街を訪れながら、中心部を一望することができる日和山公園に行く機会に恵まれなかった。先週末、その機会がようやくやってきた。標高が56メートルという丘陵地の公園がか…

1041 被災地にて・石巻2 文人が見た日和山からの風景

東日本大震災で、一番被害が大きかったのは宮城県石巻市だ。震災後、幾度となくこの街を訪れながら、中心部を一望することができる日和山公園に行く機会に恵まれなかった。先週末、その機会がようやくやってきた。 標高が56メートルという丘陵地の公園がか…

1040 強いリーダーの実像に迫った「プーチンの思考」 ロシア問題担当記者の冷静な分析

他国のこととはいえ4年前の2008年、新しいロシア大統領にドミートリー・メドベージェフが当選した際、それまでの大統領だったウラジーミル・プーチンが首相になった時は驚いたものだ。2人乗りの自転車や2頭立ての馬車を指す「タンデム」をもじって、…

1040 強いリーダーの実像に迫った「プーチンの思考」 ロシア問題担当記者の冷静な分析

他国のこととはいえ4年前の2008年、新しいロシア大統領にドミートリー・メドベージェフが当選した際、それまでの大統領だったウラジーミル・プーチンが首相になった時は驚いたものだ。2人乗りの自転車や2頭立ての馬車を指す「タンデム」をもじって、…

1039 セイタカアワダチソウ異聞 被災地で嫌われる黄色い花

この時期になると、全国至るところで「セイタカアワダチソウ」を見ることができる。散歩コースの調整池の周囲にもこの花が群生して咲いている。秋の風物詩になった感があるが、最近、新聞に出ていたこの花に関するニュースを見て、複雑な思いを抱いた人が多…

1039 セイタカアワダチソウ異聞 被災地で嫌われる黄色い花

この時期になると、全国至るところで「セイタカアワダチソウ」を見ることができる。散歩コースの調整池の周囲にもこの花が群生して咲いている。秋の風物詩になった感があるが、最近、新聞に出ていたこの花に関するニュースを見て、複雑な思いを抱いた人が多…