小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

1800 酷使か登板回避か 大船渡監督が問う高校野球の在り方

野球の好きな人なら、権藤博という投手のことを覚えているだろう。プロ野球、中日に入団した権藤は新人の年〈1961年〉に公式戦の半分以上に及ぶ69試合に投げ、35勝19敗(うち先発41試合、完投2、投球回数429回3分の1)という現代では考え…

1799 損傷したモネの大作《睡蓮、柳の反映》AI技術で浮かび上がる復元画

原型をとどめないほど上半分が消えた1枚の絵。修復したとはいえ、その損傷が激しい大作を見て、画家の嘆きの声が聞こえてくるようだった。東京上野の国立西洋美術館で開催中の「松方コレクション展」。その最後に展示されているのが60年間にわたって行方…

1798 チャーチルとジョンソン 英国首相の未来

ウィンストン・チャーチルといえば、英国の元首相で20世紀を代表する政治家の1人といっていいだろう。政治家でありながら、1953年には「第二次大戦回顧録」を中心とする著作活動でノーベル文学賞を受賞している文人でもあった。欧州連合(EU)から…

1797 時間に洗われ鮮明になった疎開体験 「カボチャとゼンマイえくぼ」のこと

改元で平成から令和になり、昭和は遠くなりつつある。多くの国民が未曽有の犠牲を強いられた戦争が終わって74年になる。時代の変化、世代の交代によって戦争体験も確実に風化している。しかし、当事者にとって歳月が過ぎても決して忘れることができないも…

1796 京都の放火殺人・あまりの惨さに慄然 人の命はかくもはかないのか

34人が死亡し、34人が重軽傷を負った京都アニメーションに対する放火殺人事件は、日本の犯罪史上、稀に見る凶悪事件と言っていい。放火容疑者は病院に収容されているが、回復して動機の解明ができるのだろうか。放火による多数の犠牲者というニュースに…

1795 前倒し夏休みなのに 梅雨寒続く7月

梅雨寒や背中合わせの駅の椅子 村上喜代子 梅雨寒の気候が続いている。昨年の今頃は猛暑になっていたが、今夏は天候不順で肌寒い日がなかなか終わらない。私の住む千葉市の市立小中校(165校)は、例年より1週間繰り上げて夏休みになる。3連休だから、…

1794 新聞と誤報について ハンセン病家族訴訟・政府が控訴断念

朝の新聞を見ていたら、「ハンセン病家族訴訟控訴へ」という記事が一面トップに出ていた。朝日新聞だ。ところが、朝のNHKや民放のニュース、共同通信の記事は「控訴断念の方針固める」と正反対になっている。どちらかが誤報なのだろうと思っていたら、安…

1793 日本は言葉の改まりやすい国  中日球団の「お前」騒動と日本

プロ野球、中日の攻撃の際に歌われる応援ソングの中に「お前が打たなきゃ誰が打つ」という言葉があるそうだ。この「お前」という部分に与田監督が「選手がかわいそうだ」と違和感を示し、応援団がこの歌を使うのを自粛したというニュースが話題になっている…

1792 新聞記者とは 映画と本から考える

かつて新聞記者は若者の憧れの職業の一つだった。だが、最近そうした話は聞かない。背景にはインターネットの発達や若者の活字離れなどがあり、新聞自体が難しい時代に直面していることを示している結果なのだろう。そんな時、『新聞記者』という題名に惹か…