小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

1530 M君の急逝 セネカの言葉で考える人生の長短

中学時代の同級生だったM君が急逝した。ことし7月一緒に旅行をしたばかりで、訃報に耳を疑った。故郷・福島での会合に出て、川崎の自宅に戻った直後のことだったという。ローマ帝国時代の政治家でストア学派の哲学者ルキウス・アンナエウス・セネカは「生…

1529 初雪にしてこんなに積もるとは 冬の歌を聴く

まだ11月は1週間あるというのに、初雪が降り、数センチは積もった。わが家周辺は一面銀世界の様相を呈し、折角咲き始めた皇帝ダリアの花はしぼみ雪の重みで枝が折れそうだ。11月に雪が降り、しかも積もるなんて、驚くばかりである。 初雪にして一尺とな…

1528 自然公園の晩秋風景 狙いはカワセミとカメラ老人

かざす手のうら透き通るもみぢかな 大江 丸 立冬(11月6日)はとうに過ぎている。暦の上では冬なのだが、晩秋というのが実感である。木々の葉が赤や黄色に色づき、落ちる寸前の美しさを誇っているようだ。この季節、高野辰之作詞、岡野貞一作曲の「紅葉」…

1527 未来信じる日本語ガイド  水上生活者の子ども相手に私設の学校

知人がカンボジアのプノンペンで、一人のガイドに出会った。送られてきた知人の旅行記は、ガイドのことを「氏」という敬称をつけて表現していた。それはなぜなのだろう。読み進めるうちにその理由が分かった。ガイドは私設の学校をつくり、子どもたちに勉強…

1526 文革時代の寒村の悲しみ 曹乃謙著『闇夜におまえを思ってもどうにもならない』

人間は欲望を求める動物である。「食欲、睡眠欲、性欲」が3大欲望といわれるそうだが、このほかにも物欲、金銭欲、名誉欲と欲望は果てしない。だが、その欲望を満たすことできない存在も少なくない。曹乃謙著(杉本万里子訳)『闇夜におまえを思ってもどう…