小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

1510 マラソン選手の命がけの抗議 スポーツの政治利用とは

リオ五輪の男子マラソンで銀メダルを獲得したエチオピアのフェイサ・リレサ選手(26)が額の前で両手を交差させるポーズでゴールインし、圧政を続けるエチオピア政府への抗議だと表明した。帰国すれば殺さるかもしれないという「命がけ」の抗議だった。 リ…

1509  ジャーナリズムの役割とは むのたけじさんのこと

《ジャーナリズムとは何か。ジャーナリズムの「ジャーナル」とは、日記とか航海日誌とか商人の当座帳とか、毎日起こることを書くことです。それをずっと続けていくのが新聞。それは何のためかというと、理由は簡単で、いいことは増やす、悪いことは二度と起…

1508 この世は美しく甘美な人の命 お盆に思う

日が暮れて草のにほひの盆の寺 今井杏太郎 お盆である。昨日夕、家族で墓参りをした。寿陵(生前墓)であるわが家の墓にはお骨は入っていない。 私は東北出身で生家に墓はある。だが、将来のことを考えると、住まいの近くに墓があった方がいいだろうと数年前…

1507 銀メダリストのフェアプレー精神 最後で内村に逆転されたが……

このところオリンピックからフェアプレー精神は失われ、勝つことが最優先になっている印象が強い。だが、開催中のブラジル・リオ五輪でフェアプレー精神が健在であることを知り、心が和んだ。 それは日本時間11日早朝(現地時間10日夕)に行われたリオ五…

1506 野球界の光と影 イチローの3000本とAロッドの引退

8日(現地時間7日)大リーグ、マーリンズのイチローが3000本安打を達成した。一方、3000本安打を打っているヤンキースのアレックス・ロドリゲスが引退を表明した。2人は対照的な打者だった。 「細くて小さなプレーヤーが、巧みなバットコントロー…

1505 被爆者たちの死の舞踏 71年前の人類の悲劇の体験

きょう6日は、広島原爆の日だった。河野治彦『灯篭流し 陽の目を見なかった父の原爆小説』(文芸社)を読み返した。原爆投下から終戦までの1週間の広島の街の実情を記した手記である。痛みに耐えるために地団駄を踏む格好をしながら、経を読むように一つの…

1504 千代の富士挽歌 風は過ぎ行く人生の声

8月になった。ことしの立秋は7日だから、暦の上での夏はきょうを含めてあと6日しかない。とはいえ、心地よい秋の風が吹くのはまだだいぶ先のことだ。盛夏の昨7月31日、大相撲で初めて国民栄誉賞を受賞した第58代横綱千代の富士が亡くなった。61歳…