小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

1721 餃子ランキング1位は? 食欲の秋の話題

「食欲の秋」である。四季の中で秋は最も食材が多く、食欲が増進する季節であり、猛暑で落ちた体力も回復し食べる楽しみが続く。そんな季節、餃子を口にする人も少なくないだろう。餃子の種類は数多く、好みも様々だ。日本経済新聞の土曜日の別刷り版「NIKKE…

1720 公園のベンチが書斎に 秋の日の読書の楽しみ

近所の公園ベンチで読書をした。秋の日差しが優しく、ぽかぽかと暖かい。時々、近くの林からヒヨドリのさえずりが聞こえてくる。歩いている人はほとんどなく、さらに眠くもならないから、頁はどんどん進む。なかなかいい環境だ。これまで多くの読書時間は、…

1719 痛ましい駅伝選手 這ってでものタスキリレー

10月21日に開催された全日本実業団対抗女子駅伝の予選会で、中継地点目前で倒れた岩谷産業の2区、飯田怜が約200~300メートルを這いながら進んだ。飯田は右足を骨折し、両ひざからは血が流れていた。繰り返しこのシーンがテレビで放映されている…

1718 花野を見ながら 今は風物詩のセイタカアワダチソウ

6時前に調整池周りの遊歩道を歩いていると、黄色い花野(花畑)が目の前に広がっていた。この季節の風物詩ともなった帰化植物のセイタカアワダチソウが満開を迎えたのだ。朝日俳壇に「逝きし子と手をつなぎゆく花野かな」(尼崎市・ほりもとちか)という句…

1717 AIが記者になる日 会見場の異様な人間マシン

テレビで記者会見のニュースや中継を見ながら、違和感を持つことが続いている。会見で質問をする側の記者たちが相手の話をパソコンに記録しようと、一心にキーボードを打っている。あれじゃあ相手が言ったことを記録するだけで、ろくな質問ができないだろう…

1716 茶道と25年の歳月 映画「日日是好日」

「日日是好日」という言葉を座右の銘にしている人がいるだろう。広辞苑を引くと「毎日毎日が平和なよい日であること」と出ている。元々は中国の『碧巌録』(へきがんろく)という禅に関する仏教書の中にある言葉だという。読み方は3通り(にちにちこれこう…

1715 くろがねの秋の風鈴 瀟殺(しょうさつ)とした音色を聞く

作家の故藤沢周平は、人口に膾炙(かいしゃ)する=世の人々の評判になって知れ渡ること=俳句の一つとして飯田蛇笏(1885~1962)の句を挙げている。「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」である。 夏が終わり、秋になっても軒に吊るしたままの鉄の風鈴…

1714 2つの蜘蛛の糸 秋田の「命のまもりびと」

「私たちの活動は、(死に向かって)落ちそうになる人を受け止めるサーカスの網のようなものです。生きていれば楽しいことがあります。相談者には生きることに勇気と希望を持ってもらいたいのです」。中村智志著『命のまもりびと』(新潮文庫)を読んだ。秋…

1713 寛容よりも道義 異論のススメへの異論

朝日新聞に佐伯啓思という京大名誉教授が「異論のススメ」という評論を載せている。2017年11月、朝日の当時の木村伊量社長が東電福島第一原発事故をめぐる「吉田調書」の記事や慰安婦報道の取り消しなど、一連の事態の責任を取って辞任した後に「あの…

1712 読書の秋 乱読・つんどく

急に涼しくなり読書の秋を迎えた。このところフィクション、ノンフィクションの区別なく興味があれば読んでいる。以下は9月から最近までに読んだ本(再読も含む)の寸評。 ▽前川喜平ほか『教育のなかのマイノリティを語る』(明石書店) 前川氏は元文科事務…

1711 オプジーボと先輩からのメール 本庶佑さんのノーベル賞に思う

職場の先輩Yさんが肺がんで亡くなったのは2017年3月のことだった。闘病中のYさんから、当時としてはあまり聞きなれない「オプジーボ」という薬を使っているとメールをもらったことがある。がん患者には光明ともいえる薬である。この薬の開発につなが…

1710 荒々しさ増す地球の気象 『空白の天気図』再読

台風24号が去った。きょうから10月。とはいうものの、手元の温度計は30度を超えている。25号も発生したというから、ことしは台風の当たり年といえる。昭和以降の被害が甚大だった台風を「3大台風」と呼んでいるという。室戸台風(1934年9月2…