小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

1384 7月の終わりに 炎暑の中で

私の部屋に1枚の絵ハガキがある。 ペルーの世界遺産、マチュピチュの遺跡を背景に動物のリャマが草を食んでいる風景である。よく見ると遺跡周辺には豆粒のように観光客の姿が写っているが、手前のリャマの周辺に人はいない。何とものんびりしていて、気に入…

1384 7月の終わりに 炎暑の中で

私の部屋に1枚の絵ハガキがある。 ペルーの世界遺産、マチュピチュの遺跡を背景に動物のリャマが草を食んでいる風景である。よく見ると遺跡周辺には豆粒のように観光客の姿が写っているが、手前のリャマの周辺に人はいない。何とものんびりしていて、気に入…

1383 夏の風景 すみからすみまで光に埋る花たち

「夏のあかるさ すみからすみまで光に埋ってゐる そのなかに ひとつづつ彫られてゆく 小さい生きものの姿 うすい羽 誰が彫ってゐるかわからないが ひと鑿(のみ)づつそれがゆく」 室生犀星の「夏昼」(「星より来れる者」より)という詩である。散歩コース…

1383 夏の風景 すみからすみまで光に埋る花たち

「夏のあかるさ すみからすみまで光に埋ってゐる そのなかに ひとつづつ彫られてゆく 小さい生きものの姿 うすい羽 誰が彫ってゐるかわからないが ひと鑿(のみ)づつそれがゆく」 室生犀星の「夏昼」(「星より来れる者」より)という詩である。散歩コース…

1382 『戦争紀行』(杉山市平著)再読 侵略戦争への警告

ことしは戦後70年になる。私的な俳句の会合が8月にあるが、この句会の兼題(出題によって事前に句をつくり、句会で発表すること)の一つが「終戦記念日」(傍題 敗戦忌、終戦の日、終戦日、八月十五日)と指定された。案内には「今年は昭和90年、戦後70年。…

1382 『戦争紀行』(杉山市平著)再読 侵略戦争への警告

ことしは戦後70年になる。私的な俳句の会合が8月にあるが、この句会の兼題(出題によって事前に句をつくり、句会で発表すること)の一つが「終戦記念日」(傍題 敗戦忌、終戦の日、終戦日、八月十五日)と指定された。案内には「今年は昭和90年、戦後70年。…

1381 美を考える ニュースに登場する醜悪な人たち

最近、美について考えることが多い。美という概念からは芸術、哲学から自然界まで幅広いものを感じとることができる。関心事の一つである仏像を見ても、その気品ある姿は美そのものである。私の家の墓地がある寺には薬師如来像がある。顔の表情はとても柔ら…

1381 美を考える ニュースに登場する醜悪な人たち

最近、美について考えることが多い。美という概念からは芸術、哲学から自然界まで幅広いものを感じとることができる。関心事の一つである仏像を見ても、その気品ある姿は美そのものである。私の家の墓地がある寺には薬師如来像がある。顔の表情はとても柔ら…

1380 更地に咲くヒメヒオウギズイセン 厄介な帰化植物だが……

近所で独り暮らしの高齢者男性が亡くなった。親類の人たちは残された一軒家を解体処分し、跡地はブルドーザーで整地され、更地になった。不動産業者が売りに出したその土地に、朱赤色の花が群生し咲いている。 図鑑で調べてみたら、ヒメヒオウギズイセン(姫…

1380 更地に咲くヒメヒオウギズイセン 厄介な帰化植物だが……

近所で独り暮らしの高齢者男性が亡くなった。親類の人たちは残された一軒家を解体処分し、跡地はブルドーザーで整地され、更地になった。不動産業者が売りに出したその土地に、朱赤色の花が群生し咲いている。 図鑑で調べてみたら、ヒメヒオウギズイセン(姫…

1379 トマス・モアと安保法制  政治家の理性とは

『ユートピア』の著者、トマス・モア(1478~1535)は中世イングランドの法律家・思想家だ。 イギリス史上、最高のインテリで暴君といわれたヘンリー8世(カトリック信者でありながら6回結婚を繰り返した)の離婚に反対したとして反逆罪に問われ、ロン…

1379 トマス・モアと安保法制  政治家の理性とは

『ユートピア』の著者、トマス・モア(1478~1535)は中世イングランドの法律家・思想家だ。 イギリス史上、最高のインテリで暴君といわれたヘンリー8世(カトリック信者でありながら6回結婚を繰り返した)の離婚に反対したとして反逆罪に問われ、ロン…

1378 新国立競技場建設計画の経緯は? 負の遺産の運命か

かつて歌手・タレントの植木等さんは「無責任男」として売り出した。だが、植木さん自身はまじめで優しい人だったという。2020年の東京五輪のメーン会場になる新国立競技場の総工費が2520億円とする計画が有識者会議で了承されたというニュースを見…

1378 新国立競技場建設計画の経緯は? 負の遺産の運命か

かつて歌手・タレントの植木等さんは「無責任男」として売り出した。だが、植木さん自身はまじめで優しい人だったという。2020年の東京五輪のメーン会場になる新国立競技場の総工費が2520億円とする計画が有識者会議で了承されたというニュースを見…

1377 光の画家フェルメールと帰属作品  西洋美術館の『聖プラクセディス』

東京・上野の国立西洋美術館の常設展に「フェルメールに帰属」という作品がことし3月から展示されている。『聖プラクセディス』という、オランダの画家ヨハネス・フェルメール(1632-75)が若き日、イタリアの画家、フェリーチェ・フィルケレッリ(1605-60…

1377 光の画家フェルメールと帰属作品  西洋美術館の『聖プラクセディス』

東京・上野の国立西洋美術館の常設展に「フェルメールに帰属」という作品がことし3月から展示されている。『聖プラクセディス』という、オランダの画家ヨハネス・フェルメール(1632-75)が若き日、イタリアの画家、フェリーチェ・フィルケレッリ(1605-60…

1376 病んでいる日本社会 報道の自由度ランキングは61位

安倍首相の応援団である自民党若手議員の勉強会で、講師として招いた作家の百田尚樹氏とともに衆院議員が沖縄県民世論を批判、「広告を出さないように経団連に働きかけろ、2つの新聞はつぶすべきだ」などと沖縄の2紙(沖縄タイムス、琉球新報)を威圧する…

1376 病んでいる日本社会 報道の自由度ランキングは61位

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