小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

食べ物

928 関アジと寒ブリと… 名物を食べてみる

私は食通ではないしグルメでもない。地方へ出かける機会が多いが、その土地の名物料理を食べる興味はあまりない。だが、たまたま連続して名物の魚を食べる機会があり、日本の食の豊かさを体験した。 関アジという言葉は何となく知っていた。しかし、それが具…

918 「七草に初風邪ひいて粥を食べ」 食の伝統、被災地では?

富安風生は「ななくさもきのふと過ぎし身のほとり」(七草も過ぎ、松の内も過ぎた。閑日の身辺。松過ぎという時期の、ふと心をよぎった虚脱感=山本健吉)という、七草を題材にした句を残した。きょうは1月8日、七草も過ぎた3連休の中日である。 そういえ…

865 風評被害を吹き飛ばせ 届いた福島の20世紀梨

福島市に住む知人から、大きな梨が届いた。市内の「斎藤梨園」で生産された「20世紀」という品種だ。箱の中には梨とともに「梨園たより」という案内、フルーツを中心にした福島市のガイドパンフ、「消費者の皆さまへ」という佐藤雄平福島県知事名の安全確…

850 「苦労した写真の後でうなぎ食べ」 青年・子規の房総の旅

俳人の正岡子規(1867年10月14日―1902年9月19日)は、34年の短い生涯で、5つの長旅をしているという。その1つが24歳の時の「房総の旅」だった。この旅で子規は、明治4年創業の千葉の老舗うなぎ店「やすだ」に立ち寄り、蒲焼を食べてい…

701 朝から晩までギョーザづくり 手作りにこだわり27年のニイハオ

知人に東京の蒲田を中心に、ギョーザを売物にした中華料理店「你好」(ニイハオ)を経営している八木功さんという人がいる。 1983年の開店以来、これまでに8店舗までに店を広げ、さらに今月JR蒲田駅西口に9店舗目の「你好恵馨閣」(けいしんかく)を…

459 うそのような本当の話 ある食品会社の良心

こんなことを書くと、本当かなと思う人がほとんどだと思う。かつての同僚から家にファクスで便りが届いた。そこには「近くうどんが届きます」と書いてあった。 何のことかよく分からなかったが、読み進めて理解はできた。古い話であり、にわかには信じること…

413 旅の出会い 北海道再訪(2)

旅の面白さはいろいろあるが、行った先で土地の人たちと話をすることもその一つに入る。小樽は風情がある街だ。この街で印象深い2人に出会った。個性があってにくめない人物だった。それはこんなシーンだ。 JRの小樽駅を降り、こんな雑談をしながら運河方向…

385 宮崎のそば博士の生き方

勘違いは恐ろしい。昨年末のブログで、行ったことがないのは宮崎、大分、鳥取の3県だけだと書いた。ところが、よく考えてみたら、宮崎は20数年前に行っていたのだ。しかも、個性ある生活を送っている人に会っていたではないか。高齢化社会の理想の生き方をし…

324 電車内で立ったままの食事 常識の変化?

地下鉄銀座線の中で、目を疑う光景を見た。新橋から虎ノ門に向かう満員に近い車内で、立ったままの日本人と思われる若い女性がビニール袋からおにぎりを取り出し、食べ始めたのだ。 隣に立っていた私は信じられない思いで、つい彼女の顔を見てしまった。違和…

240 えらそうな女主人のスパゲッティ店 それでも長い行列

昼時、若い友人2人(女性)と食事に行った。長い間続く虎ノ門のスパゲッティ専門店だ。既に列ができている。私の後ろに並んだ友人を見て、この店の年のころ70歳くらいと思われる女主人が言い放った。「女は嫌いよ。いやなら帰ってよ」と。 列に並んだ男性…

188 和菓子と洋菓子と とげぬき地蔵通りを歩く

巣鴨のとげぬき地蔵通りは、平日にもかかわらず多くの人出でにぎわっていた。この通りを歩いて、途中横道に抜ける学校を訪問した帰りに通りをぶらつき、「元祖 塩大福」の店に寄った。 「みずの」という大福の店は、行きは行列を作っていたので、帰りに大福…

178 赤福よお前もか 不正の系図

ゴルフはマナーに厳しいスポーツだ。スコアを故意に少なく記入して、男子では5年、女子では何と10年の公式試合の出場停止処分を受けた選手がいたことを記憶している。不二家、石屋製菓に続いて、土産物としては全国一の販売を誇る「赤福餅」の製造日偽装問題は…

155 白い恋人のおごり 名物の転落

土産物で一番人気は、三重・伊勢の「赤福」で、次いで北海道・札幌の「白い恋人」と、長い間いわれてきた。「白い恋人」は、まさしく北海道土産では軽い味、手ごろな値段が重なって、ナンバー1の座を占めてきた。 名前がいい。かつての冬季五輪・グルノーブ…

154 暑い日のうな重 新宿の頑固親父

30歳ころ、新宿の高層ビルの谷間で仕事をしていた。毎日が長時間勤務だった。というと、過酷な仕事をしていたのかと思うだろうが、そうではなく、拘束時間が長いというだけのことなのだ。 昼、仲間たちとすぐ近くにあるうなぎ屋に通った。頼んだうな重が出る…

140 世界のしたたかさと不思議さと  中国とモンゴルの驚異

中華饅頭はうまい。肉まんとあんまん。どちらも好きだ。おやつ代わりに食べたり、朝食として時には食べる。 その肉まんの具に、驚くべきものが入っていたという中国からのニュースには驚くというより、あきれてしまった。 豚肉の中に古い段ボールを使ってい…

97 ある中国残留孤児物語 苦節24年餃子で成功

友人に「八木功さん」という元中国残留孤児がいる。彼は中国の大連で生まれだが、終戦時の混乱で中国に取り残され、ようやく1979年に日本に帰国した。帰国後彼は餃子を中心にした中国の家庭料理の店を東京で開き、23年目にして4軒のオーナーになった。 苦…

96 おはぎを食べる hanaも一口

春の彼岸の中日。「おはぎ」を食べた人は少なくないはずだ。和菓子屋の店先でおはぎを買い求める姿も目についた。飼い犬のhanaも口に入れた。 辞書をひもとく。小豆の粒が萩の花の咲き乱れるさまに似ていることから、萩の餅といわれ、それがいつしかおはぎと…

69 表と裏 あの会社もか

ことしになって、不二家、北海道ガス、関西テレビと有名企業の不祥事が相次いでいる。これらの事象は食べ物、ライフライン、テレビに対する不信感を増幅させた。 北海道ガスの場合は、ガス漏れが人命につながることを軽視した結果だが、不二家と関西テレビの…

68 初めての失敗 迷犬hanaの告白

ストレスは人間社会だけのことではないらしい。以下は、わが家のhanaの告白である。 このところ、昼間私はいつも孤独です。この家で一番私の面倒をみてくれるママの姿が見えないからです。一軒家で留守番をするのは、ママが習い事に出かける週1回だけでした…

63 だれの仕業 迷犬hanaのある日

小さな貸し農園で野菜を作っています。白菜を取ってきて、台所に置いておきました。2階では、風邪をひいた次女が寝ていました。 妻と長女は風邪ひきさんをおいて買い物に出かけました。私は用事で朝早く家を出ていました。買い物から2人が帰ると、台所の白…