小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

350 オバマ氏は新幹線 米国大統領選候補者たちを乗り物で風刺

米大統領選で、一般の有権者が投票する11月4日が間近に迫ってきた。既に不在者投票をしたという知人(米国人)が面白い写真を見せてくれた。 大統領、副大統領候補の4人について、知人の親族が子どもに説明するのに作ったという。この乗り物を利用した写…

350 オバマ氏は新幹線 米国大統領選候補者たちを乗り物で風刺

米大統領選で、一般の有権者が投票する11月4日が間近に迫ってきた。既に不在者投票をしたという知人(米国人)が面白い写真を見せてくれた。 大統領、副大統領候補の4人について、知人の親族が子どもに説明するのに作ったという。この乗り物を利用した写…

349 繰り返す歴史 塩野七生「ローマから日本が見える」

小さな都市国家だったローマがいつしかヨーロッパを席捲する巨大帝国になり、長い間ヨーロッパの支配を続ける。その歴史を塩野七生は「ローマ人の物語」(全15巻)としてまとめる。その蓄積を背景に古代ローマの攻防の歴史を振り返り、現代日本に対する塩野の…

349 繰り返す歴史 塩野七生「ローマから日本が見える」

小さな都市国家だったローマがいつしかヨーロッパを席捲する巨大帝国になり、長い間ヨーロッパの支配を続ける。その歴史を塩野七生は「ローマ人の物語」(全15巻)としてまとめる。その蓄積を背景に古代ローマの攻防の歴史を振り返り、現代日本に対する塩野の…

348 中国の旅(3)完 大連にて

「大連の3つの多い、3つの少ないは何か」。かつて中国といえば、自転車という印象があった。朝夕、通勤、通学の人たちの自転車で主要道路は埋め尽くされる。しかし、大連ではその光景はなかった。(写真は中山広場から見た大連賓館) 大連は「中国国内でも自…

348 中国の旅(3)完 大連にて

「大連の3つの多い、3つの少ないは何か」。かつて中国といえば、自転車という印象があった。朝夕、通勤、通学の人たちの自転車で主要道路は埋め尽くされる。しかし、大連ではその光景はなかった。(写真は中山広場から見た大連賓館) 大連は「中国国内でも自…

347 エリザベート ハプスブルク家最後の皇女の波乱の生涯

「激動の歴史」という言葉が頭に浮かんだ。塚本哲也の「エリザベート」を読み終えたのは、中国・上海に向かう飛行機の中だった。これから行く中国とエリザベートが生きた中欧は、第二次大戦後、「社会主義」というイデオロギーに翻弄された共通の歴史がある…

347 エリザベート ハプスブルク家最後の皇女の波乱の生涯

「激動の歴史」という言葉が頭に浮かんだ。塚本哲也の「エリザベート」を読み終えたのは、中国・上海に向かう飛行機の中だった。これから行く中国とエリザベートが生きた中欧は、第二次大戦後、「社会主義」というイデオロギーに翻弄された共通の歴史がある…

346 中国の旅(2)幻のアカシアの大連

「アカシアの大連」は昔の話だった。中国への旅は香港を含めると4回目になる。このうち揚州に続いて訪れた大連は3回目だった。その変わりようには驚いた。 揚州から大連へは、そう時間はかからない。車で1時間半かけて南京空港に行き、飛行機で大連までさら…

346 中国の旅(2)幻のアカシアの大連

「アカシアの大連」は昔の話だった。中国への旅は香港を含めると4回目になる。このうち揚州に続いて訪れた大連は3回目だった。その変わりようには驚いた。 揚州から大連へは、そう時間はかからない。車で1時間半かけて南京空港に行き、飛行機で大連までさら…

345 中国の旅(1)鑑真の故郷へ

「中国は霞みに覆われた大国なのか」。中国を久しぶりに旅して、空気の汚れに驚いた。北京五輪の時にも、スモッグが多いことを理由に有名マラソン選手がボイコットしたことで、そのひどさは頭では知っていたが、実際に中国に足を踏み入れると、それを実感し…

345 中国の旅(1)鑑真の故郷へ

「中国は霞みに覆われた大国なのか」。中国を久しぶりに旅して、空気の汚れに驚いた。北京五輪の時にも、スモッグが多いことを理由に有名マラソン選手がボイコットしたことで、そのひどさは頭では知っていたが、実際に中国に足を踏み入れると、それを実感し…

344 フェルメール展はラッシュ並みの人出 ある日の上野の森

10月の上野公園は、さわやかな季節とあってかなりの人出でにぎわっている。JRを降りて動物園方向へと歩くと、右手に「国立西洋美術館」がある。 フランスの設計家ル・コルビュジエによる建物は、世界遺産候補となり来年9月にその可否が決まる。そんなことを…

344 フェルメール展はラッシュ並みの人出 ある日の上野の森

10月の上野公園は、さわやかな季節とあってかなりの人出でにぎわっている。JRを降りて動物園方向へと歩くと、右手に「国立西洋美術館」がある。 フランスの設計家ル・コルビュジエによる建物は、世界遺産候補となり来年9月にその可否が決まる。そんなことを…

343 三浦元社長の死 表舞台から突然の退場

長崎を旅している途中、いわゆるロス疑惑の三浦和義元社長がサイパンから移送されたロス警察の留置場で首つり自殺をしたというショッキングなニュースを聞いた。 今月12日の夕方のことである。これまでメディアをにぎわしてきた1人の人間が、突然舞台から消…

343 三浦元社長の死 表舞台から突然の退場

長崎を旅している途中、いわゆるロス疑惑の三浦和義元社長がサイパンから移送されたロス警察の留置場で首つり自殺をしたというショッキングなニュースを聞いた。 今月12日の夕方のことである。これまでメディアをにぎわしてきた1人の人間が、突然舞台から消…

342 2人の先人を思う 長崎の天主堂にて

(大浦天主堂で結婚式を終えた2人) 長崎は、坂の街である。高台のグラパー邸に行くと、それが実感できる。グラパー邸に行く前にオランダ坂を歩き、さらに大浦天主堂を回った。そこでは結婚式を終えたばかりのカップルたちを見た。先月のチェコ・プラハ、昨…

342 2人の先人を思う 長崎の天主堂にて

(大浦天主堂で結婚式を終えた2人) 長崎は、坂の街である。高台のグラパー邸に行くと、それが実感できる。グラパー邸に行く前にオランダ坂を歩き、さらに大浦天主堂を回った。そこでは結婚式を終えたばかりのカップルたちを見た。先月のチェコ・プラハ、昨…

342 2人の先人を思う 長崎の天主堂にて

長崎は、坂の街である。高台のグラパー邸に行くと、それが実感できる。グラパー邸に行く前にオランダ坂を歩き、さらに大浦天主堂を回った。そこでは結婚式を終えたばかりのカップルたちを見た。先月のチェコ・プラハ、昨年の鎌倉鶴岡天満宮といい、なぜか観…

341 うれしい人々 ノーベル賞の4人の研究者

なぜなのか分からないが、連続してノーベル賞の物理学賞、化学賞が日本人研究者4人に贈られることが決まった。その1人、益川敏英さん(68)のユニークさについうれしくなった。こんな頑固で気骨のある人がまだいたのかと思う。小林誠さん(64)も魅力があ…

341 うれしい人々 ノーベル賞の4人の研究者

なぜなのか分からないが、連続してノーベル賞の物理学賞、化学賞が日本人研究者4人に贈られることが決まった。その1人、益川敏英さん(68)のユニークさについうれしくなった。こんな頑固で気骨のある人がまだいたのかと思う。小林誠さん(64)も魅力があ…

340 人生の不思議な縁 2つの出会い

長い人生を送っていると、不思議としかいいようがない出会いがある。先月、中欧の旅で偶然に出会った人が、8月の芝居公演の最終日に同じ時間帯にこの芝居を見ていたことが分かった。 こんなことは、まれにはあるかもしれない。しかし、きょう私が経験したこ…

340 人生の不思議な縁 2つの出会い

長い人生を送っていると、不思議としかいいようがない出会いがある。先月、中欧の旅で偶然に出会った人が、8月の芝居公演の最終日に同じ時間帯にこの芝居を見ていたことが分かった。 こんなことは、まれにはあるかもしれない。しかし、きょう私が経験したこ…

339 中欧の旅(10) 名画で読み解くハプスブルク家12の物語

約650年という長い時代、ヨーロッパに君臨したのがハプスブルク王朝だ。日本では徳川幕府(江戸時代)が264年、足利幕府(室町時代)が237年の長期政権を維持したが、とても及びもつかない。スイスの一豪族が偶然手にした神聖ローマ帝国皇帝という地位から、急…

339 中欧の旅(10)名画で読み解くハプスブルク家12の物語

約650年という長い時代、ヨーロッパに君臨したのがハプスブルク王朝だ。日本では徳川幕府(江戸時代)が264年、足利幕府(室町時代)が237年の長期政権を維持したが、とても及びもつかない。スイスの一豪族が偶然手にした神聖ローマ帝国皇帝という地位から、急…

338 秋を知る 頑張るカタツムリ

10月になった。庭にあるカリンの木に1個だけ実がなった。その実に小さなカタツムリが付いているのを見つけた。実の一部は食べられた跡がある。この小さなカタツムリが食べたのかどうかは分からない。いずれにしても、この小さなカタツムリは生きるために必死…

338 秋を知る 頑張るカタツムリ

10月になった。庭にあるカリンの木に1個だけ実がなった。その実に小さなカタツムリが付いているのを見つけた。実の一部は食べられた跡がある。この小さなカタツムリが食べたのかどうかは分からない。いずれにしても、この小さなカタツムリは生きるために必死…

337 焼津の小泉八雲記念館 平仮名の妻あての手紙

周囲に日本人女性と結婚した外国人がいる。日本語は流暢で、電話で話した人は、彼が外国人とは気がつかないかもしれない。会話だけなく、書く方も日本人にひけをとらない。 なぜこんなことを書くかというと、最近日本に帰化した明治の文豪、小泉八雲(ラフカ…

337 焼津の小泉八雲記念館 平仮名の妻あての手紙

周囲に日本人女性と結婚した外国人がいる。日本語は流暢で、電話で話した人は、彼が外国人とは気がつかないかもしれない。会話だけなく、書く方も日本人にひけをとらない。 なぜこんなことを書くかというと、最近日本に帰化した明治の文豪、小泉八雲(ラフカ…