小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

裁判

455 科学捜査は万能か 足利事件で思う裁判員の責任

日本の刑事裁判の有罪率は99・9%だという。検事が起訴すれば、その段階で有罪が決まったようなものだ。だが、過去に冤罪もかなりあり、新しい証拠が見つかり再審で無罪になった事件も少なくない。 栃木県足利市の女児殺害事件で無期懲役が確定しながら、…

124 週間読書日記 周恩来秘録の衝撃

このところの読書の傾向は、相変わらず一定しない。他人は「この人の年齢や考え方がよく分からない」というかもしれない。最近読んだ本をここに記してみる。 「白い犬とワルツを」(新潮文庫)は米国の作家、テリー・ケイの小説だ。老妻に先立たれ、自らも病…

89 「東京大空襲」集団提訴の意味するもの

62年前の1945年3月10日未明、米軍機が東京を空襲した。約10万人の死者を出した「東京大空襲」である。この被害者や遺族計112人が国を相手に12億3200万円の損害賠償と謝罪を求める集団訴訟を東京地裁に起こした。 この訴訟の意味するものは何だろうか。訴状に…

78 映画「それでもボクはやっていない」 裁判の現実を丹念に描いた周防作品

あと2年少しで「裁判員制度」が始まる。重大刑事事件の裁判に国民から選ばれた裁判員6人が3人の裁判官とともに立ち会い、被告が有罪か無罪かの判断をするのである。その裁判員制度のスタートが迫っている中で、「Shall We ダンス?」の周防正行監督が、11年…