小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

1552 手負い稀勢の里の優勝  底知れぬ人間の力

大相撲春場所で左肩周辺にけがをし、優勝は絶望とみられた横綱稀勢の里が大関照ノ富士との対戦で勝ち、2敗同士で並んだ優勝決定戦でも連破、2場所連続2回目の優勝を果たした。NHKの実況中継で解説の北の富士さんは勝つという予想はしなかった。専門家も相撲…

1551 木々の葉のさまは人の世と同じ 『イーリアス』から

まことに、木々の葉の世のさまこそ、人間の世の姿とかわらぬ、 木の葉を時に、風が来って地に散り敷くが、他方ではまた 森の木々は繁り栄えて葉を生じ、春の季節が循(めぐ)って来る。 それと同じく人の世系(よすじ)も、かつは生い出て、かつまた滅んでゆ…

1550 巡ってきた6年目の春 共感呼ぶある愛の詩

朝、散歩をしていたら、調整池の森からウグイスの鳴き声が聞こえてきた。自然界は確実に春へと歩みを続けている。だが、3月は心が弾まない。それは私だけではないだろう。言うまでもなく、6年前の東日本大震災がその原因である。 「三月は鼻に微風を送る山…

1549 春に文句を言う人は トルコの小話より

冬の寒い一日、皆は、天気の悪いことをこぼしていた。一人が言った。 「満足することを知らんもんもおる。そんな輩は、いつも不平ばかり言うんじゃ。冬になれば、ああなんて寒いんだと言う。夏になれば、なんて暑いんだとくる」 「そのとおりじゃ」とホジャ…