小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

2058 岸田氏は普通の人か 小学生が見た自民党総裁選

「Aは影が薄い、Bは普通、Cは影が濃い」。自民党総裁選をテレビで一緒に見ていた小学5年生の家族が、こんな感想を漏らした。影が薄いは、存在感がないという意味だ。最近の子どもは社会の動きをよく見ている。私はこの指摘に舌を巻きながら、同じ思いに…

2057 白鵬引退・一時代の終焉 「負けずに老いる角力かな」

大相撲の横綱白鵬が引退することになった。横綱在位14年84場所、優勝回数45回という大記録を破る力士が今後出てくるとは思えないから、白鵬は歴史に残る大横綱であることは言うまでもない。一方で、晩年の激しい取り口や休場の多さ、その言動に批判が…

2056 郷愁誘う紫色の通草(あけび) 里山を駆け回った遠い日

秋の味覚はいろいろある。第一に挙げるとすれば新米か。これ以外にも枚挙に尽きない。「シイタケ、マイタケ、栗、アケビ、ユズ」。埼玉秩父産の5つの旬の食べ物が知人から届いた。写真で見ても、色が鮮やかで食欲がそそられる。食欲が増す季節になりつつあ…

2055 相次ぐマスク着用めぐるトラブル 文明人の勇気とは

マスクをめぐるトラブルが内外で相次いでいる。中でもドイツの殺人事件は、多岐にわたるコロナ禍の負の歴史でも特殊な位置を占めるだろう。いつの時代でも、決まり事を守ることができない人はいる。極論すれば、国が決めたことを絶対に守らせようとするのは…

2054 ここが私の故郷…… 山はなくとも

石川啄木(1886~1912)ほど、故郷を思いながら人生を送った人物は少ないのではないか。それは啄木の第一歌集『一握の砂』(いちあくのすな)を読むと、実感する。この歌集には「ふるさと」という言葉を使った歌が多いのだ。その一つに「ふるさとの…

2053 散歩道に秋の香り「木犀の匂の中ですれ違ふ」

金木星の花が咲き出した。小さな橙色の花はあまり見えない。しかし、あの独特の香りで季節の花の開花を知った。備忘録によると今から6年前の2015年は9月23日に「金木犀開花。例年よりかなり早い」とあるから、今年は夏から秋への移ろいというバトン…

2052 ノンちゃんの記 甘えん坊のhanaの妹もあの星に

わが家で昼の間預かっていた雌のミニチュアダックスフンド「ノンちゃん・のんの」ことノアが息を引き取ったのは、6月15日でした。15年の生涯でした。それから2カ月後の8月22日にノンちゃんの遺骨を、金木犀の根元に近い庭の一隅に埋葬しました。ここ…

2051 コロナ禍の床屋談義 ワクチン接種をめぐって

新型コロナ感染症のワクチン接種が毎日ニュースになっている。東京・渋谷のワクチン接種会場に多くの若者が並ぶ光景が先日まで続いた。コロナ禍はどこでも話題の中心になっている。たまたま行った理髪店でもそうだった。待合室で私が順番を待っていると、髪…

2050 シメールを背負った国会議員たち 短命・菅首相退任劇の中で

菅首相が3日、自民党臨時役員会で自民党総裁選に立候補しないことを表明した。今月末の党総裁任期満了に伴い首相を退任することなるわけで、わずか1年余の短命首相といえる。このニュースを見ながら、孔子と弟子たちの問答をまとめた『論語』の「政治」に…

2049 想像する『今しかない』のカルテット 息の合った冊子編集という演奏

コロナ禍が続く日々、人と会うことはあまりない。以前から心温まる冊子を編集している友人とも会うことを避けている。その冊子を作っているのは友人を含めた4人だ。まさに担当を分担した四重奏・カルテットのようだ。最近、その人たちの短いプロフィールを…