小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

944 北京を歩く(1) 人で埋まる万里の長城・女坂

初めて中国の土を踏んだのは、28年前の1984年6月のことだ。当時の備忘録を見ると、成田から上海上空を経て、北京というルートで、飛行時間は5時間かかっていた。現在は、新潟から韓国上空を飛んで北京に行くという短縮ルートのため当時よりも3時間…

944 北京を歩く(1) 人で埋まる万里の長城・女坂

初めて中国の土を踏んだのは、28年前の1984年6月のことだ。当時の備忘録を見ると、成田から上海上空を経て、北京というルートで、飛行時間は5時間かかっていた。現在は、新潟から韓国上空を飛んで北京に行くという短縮ルートのため当時よりも3時間…

943 ある贈る言葉 原発事故福島の小学校の卒業式

以前、ラオスに同行した宍戸仙助さんは、現在原発事故で多くの県民が避難生活を送っている福島県の小学校で校長をしている。宍戸さんが校長をしている伊達市立富野小学校は、きょう卒業式を迎えた。在籍児童は33人、このうち8人が6年間の学び舎を去った。卒…

943 ある贈る言葉 原発事故福島の小学校の卒業式

以前ラオスに同行した宍戸仙助さんは、現在原発事故で多くの県民が避難生活を送っている福島県の小学校で校長をしている。宍戸さんが校長をしている伊達市立富野小学校は、きょう卒業式を迎えた。在籍児童は33人、このうち8人が6年間の学び舎を去った。卒業…

942 春を告げるメロディー 心弾む季節は遠く…

ことしは「早春賦」という歌=春は名のみの 風の寒さや 谷のうぐいす 歌は思えど 時にあらずと 声もたてず 時にあらずと 声もたてず=のように、春が来るのが遅い。 うぐいすは「春告鳥」とも言うが、うぐいすが鳴かないと春が来た感じがしない。ようやく今…

942 春を告げるメロディー 心弾む季節は遠く…

ことしは「早春賦」という歌=春は名のみの 風の寒さや 谷のうぐいす 歌は思えど 時にあらずと 声もたてず 時にあらずと 声もたてず=のように、春が来るのが遅い。 うぐいすは「春告鳥」とも言うが、うぐいすが鳴かないと春が来た感じがしない。 ようやく今…

941 もう1度ゆきたい場所 大震災から1年

詩人の長田弘さんは「もう一度ゆきたい場所」という文章(詩文集=詩的エッセー・人生の特別な一瞬)を書いている。その文章の冒頭で「かなわないと知っている。けれども、もう一度ゆきたい場所は、もう二度とゆくことのできない場所だ」と記し、続いてその…

941 もう1度ゆきたい場所 大震災から1年

詩人の長田弘さんは「もう一度ゆきたい場所」という文章(詩文集=詩的エッセー・人生の特別な一瞬)を書いている。その文章の冒頭で「かなわないと知っている。けれども、もう一度ゆきたい場所は、もう二度とゆくことのできない場所だ」と記し、続いてその…

940 津波、そして仮設に住宅に暮らして ある高齢者の1年

3月に入って、被災地を歩いた。宮城県東松島市で仮設住宅に暮らす一人の高齢者から話を聞いた。それは、絶望と希望という言葉に象徴される話だった。大津波に自宅が襲われ、長年連れ添った妻を亡くした宮城県東松島市の武田政夫さん(76)だ。武田さんの…

940 津波~仮設に住宅に暮らして ある高齢者の1年

3月に入って、被災地を歩いた。宮城県東松島市で仮設住宅に暮らす一人の高齢者から話を聞いた。それは、絶望と希望という言葉に象徴される話だった。大津波に自宅が襲われ、長年連れ添った妻を亡くした宮城県東松島市の武田政夫さん(76)だ。 武田さんの…

939 澄んだ目で見る戦争の恐怖 映画「戦火の馬」

私が小さいころ、わが家では馬を飼っていた。その背中に乗って、落ちないよう懸命にしがみついて坂道を下りたことを覚えている。スピルバーグ監督の映画「戦火の馬」を見て、昔を思い出した。主人公の少年が私の子ども時代と重なったからだ。 映画はマイケル…

939 澄んだ目で見る戦争の恐怖 映画「戦火の馬」

私が小さいころ、わが家では馬を飼っていた。その背中に乗って、落ちないよう懸命にしがみついて坂道を下りたことを覚えている。スピルバーグ監督の映画「戦火の馬」を見て、昔を思い出した。主人公の少年が私の子ども時代と重なったからだ。 映画はマイケル…

938 「遠い『やまびこ』」とともに 厳寒続く被災地を歩く

3月に入っても寒い日が続いている中、東日本大震災の被災地を歩いた。福島県田村市と宮城県東松島市。前者は原発事故で避難生活を送っていた障害者が暮らす共同住宅(仮設ではない)が完成し、その落成式に参加した。 後者は震災以来、被災者たちの心の相談…

938 「遠い『やまびこ』」とともに 厳寒続く被災地を歩く

3月に入っても寒い日が続いている中、東日本大震災の被災地を歩いた。福島県田村市と宮城県東松島市。前者は原発事故で避難生活を送っていた障害者が暮らす共同住宅(仮設ではない)が完成し、その落成式に参加した。 後者は震災以来、被災者たちの心の相談…