小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

1639 飛行機大丈夫かな 沖縄に移り住むノンのつぶやき

私は家族みんなから「ノンちゃん」「ノンノン」などと呼ばれています。正式には「ノア」という名前のミニチュアダックスフンドの雌で11歳になります。私は7日後に飛行機に乗って千葉から沖縄へ移り住む予定です。飛行機は初めてなので少し心配ですが、沖…

1638 幻の仏師の名作を見る 柔和な平等院の阿弥陀如来像

仏像を制作する人のことを仏師と呼ぶ。仏師といえば運慶、快慶はよく知られている。では、定朝(じょうちょう)はどうだろう。定朝作の仏像を見る機会はほとんどないから、運慶、快慶に比べると知名度は低いかもしれない。。唯一、京都宇治の世界遺産、平等…

1637 敵意を持った人間の息は トルストイの民話から

ロシアの文豪、レフ・トルストイ(1829~1910)は、童話とはやや異なる民話を幾つか残している。その中の1つに『人は何で生きるか』がある。神様の命令に背いて地上に落とされてしまった天使、ミハイルが、靴屋のセミョーンと女房のマトリョーナら…

1636 人気スポットは早朝に  京都・伏見稲荷を歩く

「外国人に人気のスポット2017 日本国内4年連続第1位」白い字でこんなことが書かれた赤い旗が立っている。だが、周辺にまだ人影はない。……京都に行く機会があり、早朝、京都の伏見稲荷を歩いた。この旗には小さな字で「伏見稲荷大社は外国人旅行者の皆…

1635 霧の朝に初音聞く  幻想の世界を歩く

急に暖かくなったと思ったら、けさウグイスの初音を聞いたた。朝6時過ぎ、調整池を周回する遊歩道を歩いた。調整池周辺は濃い霧に包まれていた。その霧を突き破るように、うぐいすの鳴き声が耳に飛び込んできた。日記を見ると、早い年だと2月20日ごろ、…

1634 過ちの処理を見れば分かる人間性  生き方の選択

孔子の言葉と弟子たちとの問答を集めたといわれる「論語」には、よく知られている言葉が少なくない。「過ちを改めるに憚ることなかれ」(過失を犯したことに気づいたら、すぐに改めなければならない・学而第一 8の末尾)もその一つだ。過ちに関してはもう一…

1633 変わりゆく気仙沼大島 「空に海に胎動のとき」に

「空に海に胎動のときがめぐりきたらむ春一番の潮けむり」 この歌の作者は、宮城県気仙沼市の大島で漁業を営みながら短歌を作り続けた小野寺文男さんで、歌集『冬の渚』に収められている。大島は7年前の東日本大震災で大きな被害を受け、30人の死者不明者…

1632 常識について思うこと 政治に必要なのはモラルと思想

改定された第7版の広辞苑(岩波書店)で「常識」という言葉を引くと、「普通、一般人が持ち、また、持っているべき知識。専門的知識でない、一般的知識とともに、理解力・判断力・思慮分別などをふくむ」という解説に加え「森鴎外、自彊不息「――は普通の事理を…

1631春を告げるフキノトウ 心弾む萌黄色

近所に小さな森がある。その森に最近フキノトウ(蕗の薹)が大きくなっているのが、散歩コースの遊歩道からも見える。そこまで行くにはかなり斜面を下る必要があってかなり危険なため、誰も取りに行かない。そして、日に日に薹が立ち一面が白くなっていく。…