小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

1106 村上本はなぜ売れる 居酒屋談義2 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

村上春樹の新刊本「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が発売から1週間で100万部を超えたそうだ。発売元の文藝春秋は笑いが止まらないだろう。社員は夏のボーナス増を期待しているのではないか。一方、「1Q84」など多くの村上本を出してい…

1106 村上本はなぜ売れる 居酒屋談義2 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

村上春樹の新刊本「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が発売から1週間で100万部を超えたそうだ。発売元の文藝春秋は笑いが止まらないだろう。社員は夏のボーナス増を期待しているのではないか。 一方、「1Q84」など多くの村上本を出してい…

1105 ミニコンポの修理で知った現実 使い捨て時代を実感

ある国内メーカーのミニコンポを使っている。2006年8月に購入したもので、使い出して間もなく7年なる。最近、CDを入れても音が出なくなったので修理を頼んだ。 すると、やってきたメーカーの担当者は、「読み取り装置が壊れたので、交換する必要があ…

1105 ミニコンポの修理で知った現実 使い捨て時代を実感

ある国内メーカーのミニコンポを使っている。2006年8月に購入したもので、使い出して間もなく7年なる。最近、CDを入れても音が出なくなったので修理を頼んだ。 すると、やってきたメーカーの担当者は、「読み取り装置が壊れたので、交換する必要があ…

1104 ふと見るいのちのさびしさ 福島の滝桜と花見山公園に行く

原発事故がいまだ収束しない福島を旅した。桜前線は既に県北部まで到達していたから、住民たちが避難した地域の桜もひっそりと咲いたはずだ。今回の旅は福島の2つの花の名所を訪ねるのが目的だった。日本三大桜といわれる三春町の「三春滝桜」と、写真家の…

1104 ふと見るいのちのさびしさ 福島の滝桜と花見山公園に行く

原発事故がいまだ収束しない福島を旅した。桜前線は既に県北部まで到達していたから、住民たちが避難した地域の桜もひっそりと咲いたはずだ。今回の旅は福島の2つの花の名所を訪ねるのが目的だった。 日本三大桜といわれる三春町の「三春滝桜」と、写真家の…

1103 花束を拾う姿に浅田の区切りを思う 挫折を乗り越えたスケート人生

フィギュアスケート女子の浅田真央が、ソチ冬季五輪シーズンとなる来季限りで現役を引退する意向だというニュースが流れた。東京で行われていた世界国別対抗戦のフリーのあと「ソチ五輪を集大成としていい演技ができるようにしたい」と、引退表明と受け取れ…

1103 花束を拾う姿に浅田の区切りを思う 挫折を乗り越えたスケート人生

フィギュアスケート女子の浅田真央が、ソチ冬季五輪シーズンとなる来季限りで現役を引退する意向だというニュースが流れた。東京で行われていた世界国別対抗戦のフリーのあと「ソチ五輪を集大成としていい演技ができるようにしたい」と、引退表明と受け取れ…

1102 書き記す者の務め 高橋郁男著「渚と修羅」を読む

私が被災地に初めて入ったのは、大震災から1カ月後の2011年4月16日だった。羽田から岩手・花巻空港に飛び、レンタカーを利用して釜石、大槌、山田、宮古を回った。被災地をこの目で見たいという気持ちを抱きながら、様々な制約があり、ようやく実現…

1102 書き記す者の務め 高橋郁男著『渚と修羅』を読む

私が被災地に初めて入ったのは、大震災から1カ月後の2011年4月16日だった。羽田から岩手・花巻空港に飛び、レンタカーを利用して釜石、大槌、山田、宮古を回った。被災地をこの目で見たいという気持ちを抱きながら、様々な制約があり、ようやく実現…

1101 沖縄の樹木たち 南方熊楠が愛したセンダン

沖縄に行きセンダンとコバテイシという2本の大きな木を見た。2本ともアジアの熱帯・亜熱帯に分布する高木で、私が住む首都圏では見かけない。沖縄では日常目にする植物だろうが、私にとっては珍しいものだった。それが庭の主木として植えられていた。米軍…

1101 沖縄の樹木たち 南方熊楠が愛したセンダン

沖縄に行きセンダンとコバテイシという2本の大きな木を見た。2本ともアジアの熱帯・亜熱帯に分布する高木で、私が住む首都圏では見かけない。沖縄では日常目にする植物だろうが、私にとっては珍しいものだった。それが庭の主木として植えられていた。 米軍…

1100 笑いが止まらないが… 福島の原風景描いた「夕焼け小焼けで陽が昇る」

映画の「always3丁目の夕日」は、舞台設定が昭和30年代の東京・下町だった。日本が敗戦から立ち直り、復興へと歩み、経済の高度成長が始まる時代の貧しくても明るい人々が描かれている。これに対し、小泉武夫の「夕焼け小焼けで陽が昇る」(講談社…

1100 笑いが止まらないが… 福島の原風景描いた「夕焼け小焼けで陽が昇る」

映画の「always3丁目の夕日」は、舞台設定が昭和30年代の東京・下町だった。日本が敗戦から立ち直り、復興へと歩み、経済の高度成長が始まる時代の貧しくても明るい人々が描かれている。これに対し、小泉武夫の「夕焼け小焼けで陽が昇る」(講談社…

1099 被災地陸前高田の街から 満開の桜の花の下で

東日本大震災によって死者1556人、行方不明217人(2月末の岩手県発表)と、岩手県で最大の被害が出た陸前高田市。高田の一本松の保存問題でも全国的に知られた街だ。最近、この街に住む親類(いとこ)と連絡がとれ、九死に一生を得たことを知った。…

1099 被災地陸前高田の街から 満開の桜の花の下で

東日本大震災によって死者1556人、行方不明217人(2月末の岩手県発表)と、岩手県で最大の被害が出た陸前高田市。高田の一本松の保存問題でも全国的に知られた街だ。最近、この街に住む親類(いとこ)と連絡がとれ、九死に一生を得たことを知った。 …