小径を行く 

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(筆者=石井克則・遊歩)

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

489 どうなっているJRの危機管理 真夏の京葉線ストップ

東京と蘇我を結ぶJR京葉線が30日午後から夜にかけて7時間にわたって不通になった。夏休みに京葉線を利用して舞浜にあるディズニーランドや、海浜幕張の幕張メッセのイベントに行こうとして計画をやめ、あるいは途中で足止めになった人も少なくない。

488 「朗読者」人間の無力さと愛の哀しみ

ナチスによる戦争犯罪をテーマに、15歳の少年ベルクと36歳の女性ハンナの年齢を超えた愛の姿を描いている。 ドイツの作家、ベルンハルト・シュリンクのこの作品は『愛を読む人』という題名で映画化され、日本でも公開になった。この作品の作者のシュリン…

487 炎暑のつぶやき(続) おじいちゃん先生の名言

私の主治医は、おじいちゃん先生です。ふだんは苦虫をかみつぶしたような、愛想のない顔をしています。わたしはhanaという名前の犬のゴールデンレトリーバーの雌で、7歳になりました。優しい家族の家に飼われています。夏の暑さには参ってしまい、この…

486 炎暑のつぶやき お疲れなのでしょう

麻生首相の「高齢者は働くことしか才能がない」という発言がまた物議をかもしている。この発言の報道を見て「はしゃぎ人間」「想像力の欠如」という二つのことを思った。今回の発言は、かつて会頭を務めた青年会議所のメンバーを相手にした講演で出たという…

485 離島への旅 トライアスロンのメッカ愛媛・中島

トライアスロンの島に行ってきた。私がこの鉄人レースをやるわけではない。別の用事があって島を訪れ、それを知ったのだ。忽那(くつな)諸島を知っているだろうか。実は地理が好きな私でも知らなかった。その中心の島が中島といい、愛媛県の県庁所在地、松…

484 パソコンは消耗品? CSR意識はどこに

ちょうど5年が過ぎたデスクトップ型パソコンの調子がおかしくなった。立ち上げようと電源スイッチを押すと、内部からいきなりファンが動く音がする。それは次第に大きくなり、いつになってもやまない。もちろん、画面は暗いままだ。メーカーの電話は容易には…

483 燃え尽きるなシニアたち ワトソンを見習おう

トム・ワトソンという名前は、ゴルフに興味がない妻も知っていた。難コースで知られ、期待の石川遼も現役では最強のタイガー・ウッズでさえ予選落ちした全英オープンゴルフ。ターンベリー・エイルサコースは、天気に左右されるコースで、名だたるゴルファー…

482 「アジア新聞屋台村」不思議な多国籍新聞社の物語

マニラで日本語新聞を発行している知人がいる。元新聞記者の彼は、家の事情で一度新聞業界から足を洗った。しかし記者としての仕事を忘れることができなかった知人は、それじゃやあと、自分で新聞社を作ってしまった。高野秀行の「アジア新聞屋台村」を読んで…

481 お掃除エアコンの勘違い CMを信じ恥ずかしい体験

「あなたに代わって、お掃除(フィルター)するエアコン、誕生」というキャッチコピーに惹かれて、古くなったリビングのエアコンを買い換えたのは、2005年の初夏だった。 これは便利だ、掃除をする必要はないなんて、無精者には最高だと思い、この製品を…

480 かあさんの家その後 人生終末期の過し方

宮崎市にあるホームホスピス「かあさんの家」を訪問したのは今年1月のことだった。そこには、ヘルパーとともに、5人のお年寄りが住んでいた。認知症や末期のがんを抱え、人生最期のときを迎えようとしている人たちだ。7月16日夜、NHKがこの家をドキュメ…

479 万葉の「歌垣」再び 携帯メールで俳句と短歌

日本の伝統文化である俳句と短歌。その素養がある人はうらやましい。俳句は17文字、短歌は31文字に凝縮して、森羅万象を表現する。

478 とんがり靴とモヒカン頭 現代の流行事情

若い男性の間で髪の毛の中央部を立てる「モヒカン刈り」が依然として流行している。そんな男性の足元を見ると、ほとんどがとんがった靴を履いている。これが現代の若さの象徴のようで、最近は足元を見ると、ほぼ年代層が分かるようになった。 頭の方のモヒカ…

477 政争の果てに ようやく選挙か

いつ選挙があるかどうかでこの1年近く、日本の政治は安定しなかった。というより、安倍、福田、麻生とこの3年間、政権は揺れ続けた。 交代政党と思われた民主党は、小沢代表の政治資金問題で一歩立ち止まり、代表を鳩山氏に替えて再び攻勢に出た。その結果…

476 映画「劔岳 点の記」立山連峰の美しさ・厳しさ

いま、日本では中高年の間に登山ブームが起きている。趣味として山に登り、頂上を極めた達成感と美しい景観を味わおうということだろう。困難な山に挑むいわゆる登山家を別にすれば、山は趣味を楽しむ人々のパートナーになっている。映画「劔岳 点の記」は、…

475 夏の過し方 あるゴールデンレトリーバー

蒸し暑い日が続き、10日には東京の最高気温は30・3度を記録した。夕方、少し早めにhana(ゴールデンレトリーバー、7歳)の散歩に出た。 なるべく日陰を選んで歩いた。1時間近く散歩をして、家に近づいたところで、様子がおかしくなった。急に吐き気を…

474 1人で便所飯とは 孤独を好む時代?

朝日新聞の7月6日夕刊一面トップに「友達いなくて便所飯?」という記事が載った。東大や名城大(愛知県)など、幾つかの大学にトイレの中で食事をするのを禁止するという注意書きが掲示されたというのだ。 張り紙にはウサギと洋式トイレのイラストが書かれ、…

473「泳いで帰れ」と怒る直木賞作家 抱腹絶倒「奥田英朗」の五輪観戦記

野球のWBC大会でで日本はなぜか2回続けて優勝した。しかし、アテネ、北京のオリンピックで野球は決勝に残ることができずに胴メダルと4位に終わった。オリンピックは全世界が注目する大会であり、重圧も違うし選手の意気込みもWBCとは問題にならないはずだ。…

472 弦楽セレナードの街 折に触れて聴くチャイコフスキー

CDで聴くのは圧倒的にモーツアルトだ。基本的に外れがなく、心がどんな状態のときにも合うだけの曲がそろっている。でも最近はなぜか、チャイコフスキーの「弦楽のためのセレナード ハ長調、作品48」を聴くことが多い。

471 人生の歌 悲運の米国詩人

ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー(1807-1882)という米国の詩人の「人生のさんび歌」(鹿島茂編『あの頃、あの詩を』文春新書)という詩がある。米国では多くの人に親しまれている国民的詩人だ。その詩の中に「喜び、悲しむ、そんなことの…

470 東京五輪の恩人 日系人和田勇の生涯

知人が勤務先を退職し、近く米国ロサンゼルスに行くという。ロスには「東京オリンピック開催の恩人」といわれた日系人が住んでいた。野菜や果物を扱う食品ストア十数店を営みながら、東京五輪開催を全力で応援したフレッド・和田勇である。 和田の伝記「祖国…