小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

1630 続・けがとの闘い 五輪選手のスポーツ人生

「今度のオリンピックに人生をかけた」。平昌冬季五輪男子フィギュアスケート金メダルの羽生結弦のこの言葉を聞いて、スポーツ選手のオリンピックに対する意気込みの強さを感じたのは、私だけではないだろう。羽生は、けがの回復が順調ではなく、痛み止めの…

1629 俳句は健康の源 金子兜太さん逝く

「俳句は健康の源になる」と言ったのは、20日に98歳で亡くなった俳人、金子兜太さんだ。太平洋戦争で海軍主計中尉として南洋のトラック島で敗戦を迎え捕虜生活を送った金子さんは、戦後日本銀行に勤めながら俳人としての道を歩んだ。当然ながら多くの死に接…

1628 五輪を巡る友情物語  誇張されたストーリー

スポーツ大会の頂点ともいえるのがオリンピックだ。出場した選手たちは互いに技を競い、優劣を争う。それがメダルへとつながる。だから、選手にとって戦う相手はライバル(競争相手や好敵手)だ。韓国の平昌冬季五輪で金メダルを獲得した2人の日本人選手に…

1627 銀メダリストの光と影 2人の名選手を思う

第23回平昌冬季五輪で、これを書いている16日午前現在、日本選手はこれまで金メダルは獲得していない。しかし銀4、銅3という活躍を見せている。スキー複合ノーマルヒルの渡部暁斗とスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢は2大会連続して銀メダルを獲得…

1626 歴史への旅 天平の傑作「葛井寺・千手観音坐像」を見る

人は仏像を見ながら、何を思うのだろう。2月14日から東京国立博物館平成館で始まった「仁和寺と御室派のみほとけ ――天平と真言密教の名宝――」特別展を見た。特別展には、天平時代に当時の唐(中国)から伝わった今では珍しい「脱乾漆造」の千手観音が展示…

1625 旅行は教育と経験の一部 スペインで2重のスリに遭遇した友人

このブログでは度々ベーコンの『随想録』を引用している。今回もその中から借用する。「旅行は若い人達にあっては教育の一部であり、年輩者にあっては経験の一部である」(18「旅行について」より)。この言葉のどちらにも当てはまる経験を友人が最近、ス…

1624 遠のく核なき世界 Tはterrible(不愉快、恐ろしい、ひどい)か

米国の第33代大統領、ハリー・トルーマン(1884-1972)は、前職のフランクリン・ルーズベルトの急死によって1945年4月12日、副大統領から昇格したため、「偶然による大統領」とも呼ばれた。この年の8月、米軍が広島、長崎への原爆投下という、人類…

1623 絶望の淵に立たされても 2つのエピソード

若い友人が書いた中編小説を読んだ。必要に迫られて書いたという作品を読んで、以前に見た小さな展覧会の絵を思い出した。それは、小児がんの子どもたちの絵画展だった。あれからもう10年になる。それは私にとって「命とは何か」を考えるきっかけとなる重…

1622 東京一日散歩 横山大観と田原総一朗と……

先日、久しぶりに東京を歩いた。昨年9月のけが以来、長時間東京を歩いたのは初めてだった。手術をした右足は、駅やビルの階段の上り下りで、ややもたついた。これもリハビリのうちと思い、なるべく階段を使った。帰宅後、万歩計を見ると、1万5000歩を…