小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

1038 大義に生きる歴史上の人物 冲方丁の「光圀伝」

本屋大賞を受賞した「天地明察」(囲碁棋士で天文暦学者の渋川春海)を書いた冲方丁(うぶかた・とう)が、再び同じ江戸時代に生きた徳川光圀を主人公にした「光圀伝」という歴史小説に挑んだ。 「大義」という言葉をテーマにした大著を読み終えて、助さん、…

1038 大義に生きる歴史上の人物 冲方丁の『光圀伝』

本屋大賞を受賞した『天地明察』(囲碁棋士で天文暦学者の渋川春海)を書いた冲方丁(うぶかた・とう)が、再び同じ江戸時代に生きた徳川光圀を主人公にした『光圀伝』という歴史小説に挑んだ。 「大義」という言葉をテーマにした大著を読み終えて、助さん、…

1037 出会った人たちの言葉(6)完 趣味に生きるよりは

(2011年-2012年9月までの分、東日本大震災関係は1回目に掲載。肩書きは当時のまま) ▼ろう者には独自の言語と文化が ろうの子どもを持つ親は、特別なことを教える必要があると思ってしまうが、普通にやればいい。ろう者には手話という日本語の読…

1037 出会った人たちの言葉(6)完 趣味に生きるよりは

(2011年-2012年9月までの分、東日本大震災関係は1回目に掲載。肩書きは当時のまま) ▼ろう者には独自の言語と文化が ろうの子どもを持つ親は、特別なことを教える必要があると思ってしまうが、普通にやればいい。ろう者には手話という日本語の読…

1036 出会った人たちの言葉(5) 自分にできるだけのことを自分なりに

(2010年分、肩書きは当時のまま) ▼子どもの成長を支える地域の大人 子どもたちは、学校の外で知識や技術を学ぶことも多い。自分たちで工夫し、様々な体験を通じて育っていく。それを支えるのは、地域の大人たちだ。 (2010・1 学校とは別に遊びを…

1036 出会った人たちの言葉(5) 自分にできるだけのことを自分なりに

(2010年分、肩書きは当時のまま) ▼子どもの成長を支える地域の大人 子どもたちは、学校の外で知識や技術を学ぶことも多い。自分たちで工夫し、様々な体験を通じて育っていく。それを支えるのは、地域の大人たちだ。 (2010・1 学校とは別に遊びを…

1035 ムーミン電車とコスモスと 秋色を見に行く

千葉県大原市に行った。いすみ鉄道の列車を見るのが目的だ。この鉄道は大原―上総中野間26・8キロという短い距離を結ぶ第3セクターの鉄道だ。一時は存続が危ぶまれたこの鉄道だったが、いまでは知る人ぞ知る路線なのである。 こんなニュースを覚えている…

1035 ムーミン電車とコスモスと 秋色を見に行く

千葉県大原市に行った。いすみ鉄道の列車を見るのが目的だ。この鉄道は大原―上総中野間26・8キロという短い距離を結ぶ第3セクターの鉄道だ。一時は存続が危ぶまれたこの鉄道だったが、いまでは知る人ぞ知る路線なのである。 こんなニュースを覚えている…

1034 出会った人たちの言葉(4) 閉じこもるより街に出よう

(2009年分、肩書きは当時のまま) ▼あなたに会えてよかった 子どもたちは純真でうそがなく、ありのままの個性を見せてくれて実にかわいらしい。あなたに会えてよかった。生涯学習という言葉を聞くが、人間磨きの1年になりそう。 (2009・1 技能ボ…

1034 出会った人たちの言葉(4) 閉じこもるより街に出よう

(2009年分、肩書きは当時のまま) ▼あなたに会えてよかった 子どもたちは純真でうそがなく、ありのままの個性を見せてくれて実にかわいらしい。あなたに会えてよかった。生涯学習という言葉を聞くが、人間磨きの1年になりそう。 (2009・1 技能ボ…

1033 出会った人たちの言葉(3) 悩みを抱えて生きるのはもったいない

(2008年分) ▼若い層が発達障害児問題に目を向けて 発達障害児を支えるボランティアの輪を広げたいが、学生たちの目は老人問題の方に向いている。発達障害児問題に対し、若い層がもう少し協力してほしい。 (2008・1 発達障害児を支援するボランテ…

1033 出会った人たちの言葉(3) 悩みを抱えて生きるのはもったいない

(2008年分) ▼若い層が発達障害児問題に目を向けて 発達障害児を支えるボランティアの輪を広げたいが、学生たちの目は老人問題の方に向いている。発達障害児問題に対し、若い層がもう少し協力してほしい。 (2008・1 発達障害児を支援するボランテ…

1032 出会った人たちの言葉(2) 私たちが必要とされるのは

(2006年12月―2007年12月) ▼廃寺の改修は事業の集大成 西圓寺の改修は、私たちがこれまでやってきたさまざまな福祉事業の集大成だ。掘り当てた温泉は地域の人たちにも大いに利用してもらいたい。 (2006・12 石川県能美市の社会福祉法人…

1032 出会った人たちの言葉(2) 私たちが必要とされるのは

(2006年12月―2007年12月) ▼廃寺の改修は事業の集大成 西圓寺の改修は、私たちがこれまでやってきたさまざまな福祉事業の集大成だ。掘り当てた温泉は地域の人たちにも大いに利用してもらいたい。 (2006・12 石川県能美市の社会福祉法人…

1031 出会った人たちの言葉(1) 東日本大震災を経験して

言葉が軽い時代だといわれる。昨今の政治家たちの言葉は特に軽薄だ。だが、この6年間に旅をしながら出会った日本内外の人たちの話からは言葉の重みをずしりと感じることが少なくなかった。そんな言葉の数々を紹介したいと思う。 1回目は2011年3月11…

1031 出会った人たちの言葉(1) 東日本大震災を経験して

言葉が軽い時代だといわれる。昨今の政治家たちの言葉は特に軽薄だ。だが、この6年間に旅をしながら出会った日本内外の人たちの話からは言葉の重みをずしりと感じることが少なくなかった。そんな言葉の数々を紹介したいと思う。 1回目は2011年3月11…

1030 放浪の旅の本を読む 「悼む人Ⅱ」と「山頭火句集」

最近、読んだ2冊の本について書く。天童荒太の直木賞受賞作「悼む人」の続編「静人日記 悼む人Ⅱ」(文春文庫)と、漂泊の俳人といわれた種田山頭火の「山頭火句集」(ちくま文庫)である。 前者は事故や事件で命を亡くした人を悼むために放浪する若い青年の…

1030 放浪の旅の本を読む 「悼む人Ⅱ」と「山頭火句集」

最近、読んだ2冊の本について書く。天童荒太の直木賞受賞作「悼む人」の続編「静人日記 悼む人Ⅱ」(文春文庫)と、漂泊の俳人といわれた種田山頭火の「山頭火句集」(ちくま文庫)である。 前者は事故や事件で命を亡くした人を悼むために放浪する若い青年の…

1029 オリオン舞い立つ 流れ星を見た夜

日曜(10月21日)の午後10時過ぎ、夜空を見上げた。オリオン座流星群の流れ星を見ることができるかもしれないというニュースがあり、家族みんなで外へ出た。10月も下旬に入ったとはいえ、まだそう寒くはない。40分ほど頑張って1つの流れ星を見た…

1029 オリオン舞い立つ 流れ星を見た夜

日曜(10月21日)の午後10時過ぎ、夜空を見上げた。オリオン座流星群の流れ星を見ることができるかもしれないというニュースがあり、家族みんなで外へ出た。10月も下旬に入ったとはいえ、まだそう寒くはない。40分ほど頑張って1つの流れ星を見た…

1028 除染作業の公園で 寒露の季節に

二十四節季の「寒露」(ことしは10月8日)が過ぎ、朝夕の散歩にはシャツの上に薄いジャンパーを羽織らないと肌寒さを感じるようになった。宮城の被災地に入る前に福島県郡山市に行った。風が冷たく、市内を歩いていると背中がつい丸くなる。午前10時過…

1028 除染作業の公園で 寒露の季節に

二十四節季の「寒露」(ことしは10月8日)が過ぎ、朝夕の散歩にはシャツの上に薄いジャンパーを羽織らないと肌寒さを感じるようになった。宮城の被災地に入る前に福島県郡山市に行った。風が冷たく、市内を歩いていると背中がつい丸くなる。 午前10時過…

1027 東日本大震災被災地にて 自然の脅威を乗り越えて

宮城県の石巻、女川という東日本大震災の被災地にも時が流れ、あれから1年7カ月が過ぎた。被災地はどのように変化しているのだろうか。天童荒太の「静人日記 悼む人Ⅱ」をかばんにしのばせて被災地へ出向いた。被災地に立って、日本の隅々まで歩いた民俗学…

1027 東日本大震災被災地にて 自然の脅威を乗り越えて

宮城県の石巻、女川という東日本大震災の被災地にも時が流れ、あれから1年7カ月が過ぎた。被災地はどのように変化しているのだろうか。天童荒太の「静人日記 悼む人Ⅱ」をかばんにしのばせて被災地へ出向いた。 被災地に立って、日本の隅々まで歩いた民俗学…

1026 戦争・高齢者・大震災の本 トルコの旅で読んだ本

急に涼しくなり、「読書の秋」が到来した。電車の中では携帯電話の画面を見つめる人が目立つが、本を手にした人を見かけると嬉しくなる。そんな季節である。以下はトルコの旅の合間に読んだ本。 「ザ・コールデスト・ウインター朝鮮戦争」(米国のジャーナリ…

1026 戦争・高齢者・大震災の本 トルコの旅で読んだ本

急に涼しくなり、「読書の秋」が到来した。電車の中では携帯電話の画面を見つめる人が目立つが、本を手にした人を見かけると嬉しくなる。そんな季節である。以下はトルコの旅の合間に読んだ本。 「ザ・コールデスト・ウインター朝鮮戦争」(米国のジャーナリ…

1025 トルコの小さな物語(8) 音楽家には鬼門のフランクフルト 税関に芸術は通じない時代なのか

海外を旅したことは、そう多くはない。テロ、ハイジャック、密輸防止のためとは分かっているが、空港での検査はやはり不愉快だ。スリランカのコロンボ空港(正式名称・バンダラナイケ国際空港)では、税関職員を装った(あるいは税関職員かもしれない)男に…

1025 トルコの小さな物語(8) 音楽家には鬼門のフランクフルト 税関に芸術は通じない時代なのか

海外を旅したことは、そう多くはない。テロ、ハイジャック、密輸防止のためとは分 かっているが、空港での検査はやはり不愉快だ。スリランカのコロンボ空港(正式名称・バンダラナイケ国際空港)では、税関職員を装った(あるいは税関職員かもしれない)男に…

1024 トルコの小さな物語(7)ホジャのとんち話とノーベル賞の山中教授

京大の山中伸弥次教授がノーベル賞の医学・生理学賞を受賞することが決まった。「細胞の初期化」という難解な名前だが、あらゆる組織や臓器に分化する能力と高い増殖(再生)能力を持つという「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作り出すことに成功したこ…

1024 トルコの小さな物語(7)ホジャのとんち話とノーベル賞の山中教授

京大の山中伸弥次教授がノーベル賞の医学・生理学賞を受賞することが決まった。「細胞の初期化」という難解な名前だが、あらゆる組織や臓器に分化する能力と高い増殖(再生)能力を持つという「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作り出すことに成功したこ…