小径を行く 

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(筆者=石井克則・遊歩)

世界遺産

2778 近づく富士の季節 俗な句になっても……

友人の絵「富士山と月」 「赤富士」は、富士山が、夏の朝日に赤々と染まる現象だ。俳句では夏の季語になっている。これに対し「青富士」はあまり使わず、季語にもない。だがこの「青富士」を使った句がある。私の家にも友人が描いた2枚の富士山の絵がある。…

1772 大聖堂火災で歴史遺産を考える 世界の人の目は

パリの世界遺産、ノートルダム大聖堂(寺院)で火災が発生、尖塔が崩壊するなど、大きなダメージを受けた。フランス各界や海外からこれまでに1000億円を超える寄付の申し出があり、フランスのマクロン大統領は、5年で再建を目指すと語った。大聖堂がパリ…

862 旅と写真と心に残る風景 北欧じゃがいも紀行・7(完)

かつて海外で眼鏡を掛け、首からカメラをぶら下げていたら、ほぼ日本人に間違いがないといわれた。日本人の写真好きはどの国にも負けないのかもしれない。 それは、日本のカメラメーカーが製品の優秀さで世界のカメラ市場を動かしているという背景があるのだ…

861 フィヨルド幻想 北欧じゃがいも紀行・6

ノルウェーのハダンゲル・フィヨルド地区のウルヴィックのホテルに泊まった翌朝、ホテルの周辺を散歩した。すると、目の前に幻想的な光景が出現したのだ。それは、透明なフィヨルドを覆っていた霧のいたずらだった。 にほんブログ村 ==== 旅の楽しみの一つに…

860 高貴な氷河の青い色 北欧じゃがいも紀行・5

地球の温暖化によって、北極の氷が溶け出しているというニュースが時々流れる。それによって将来、地球上の生態系に大きな影響を与えるのではないかという議論が続いている。ノルウェーの氷河を見ながらこの氷も次第に溶けているのではないかと思い、麓の川…

859 山岳鉄道に乗って 北欧じゃがいも紀行・4

懐かしい歌の部類に入るが、「高原列車は行く」という曲がある。「汽車の窓から ハンケチ振れば 牧場の乙女が 花束投げる 明るい青空 白樺林 山越え谷越え はるばるとララ…… 高原列車は ララ…… 行くよ」という詩がついている。1954年(昭和29)のヒッ…

858 ノルウェーは「滝の国」 北欧じゃがいも紀行・3

「なぜ、ノルウェーは滝が多いのでしょうか。あの滝の源は何でしょうか」と、同行の一人から聞かれた。ノルウェーのフィヨルドを訪ねるバスの車窓から数限りがない滝が見える。にほんブログ村 ==== フィヨルドクルーズでも、山岳鉄道でもそれは当然のように…

857 エコについて 北欧じゃがいも紀行・2

コペンハーゲン(デンマークの首都)の道路には車道の脇に自転車専用道がある。通勤通学の3分の1の人たちは自転車を利用しているといわれるだけに、なるほど自転車族の姿が目につく。郊外に出ると、田園風景の中に風力発電用の「風車」があった。北欧はエ…

856 原発事故を想起するムンクの「叫び」 北欧じゃがいも紀行・1

ノルウェーの首都、オスロの中心部にある国立美術館でエドヴァルド・ムンクの油絵「叫び」を見た。世の中の不幸を一身に背負ったような、独特なタッチの人物と赤く染まったフィヨルドの夕景が不気味であり、つい福島原発事故で避難を余儀なくされた人たちの…

714 「ローマへの道」紀行(5) 世界遺産守ったドブロブニクの人たち

ドブロブニクは、旧市街が世界遺産に指定されている。一周1948メートルの城壁に囲まれた旧市街は、オレンジ色の屋根と白や茶の壁が青空に映え、中世のたたずまいを残している。 だが、19年前の1991年には、独立をめぐる旧ユーゴの内戦で激しい戦火…