音楽
白い花のアジサイ 昔、何気なく聴き、あるいは口ずさんだ歌にはいい歌詞のものが少なくない。例えば、『日本の歌300』(講談社+α文庫)を開いてみると、『白い花の咲く頃』(作詞:寺尾智沙、作曲:田村しげる、唄:岡本敦郎)という歌があった。その歌…
早くも咲き出したアメリカディゴの花 昔の覚え書きを見ていたら、クラシック音楽について書いてあるのが見つかった。ブルックナーやマーラー、ベートーヴェン、モーツァルトら有名作曲家に触れている。それは、私にとっての「音楽の風景」なのかもしれない。…
(美しい夕焼け) 「HOME SWEET HOME」は、「愛しいわが家」あるいは「楽しきわが家」という意味だ。アメリカの第16代大統領、エイブラハム・リンカーン(1809—1865)がこの言葉を愛したという。南北戦争(1861~1865)に勝ち、奴隷を解放したことで知られるリ…
ウワミズザクラ ラジオ体操は第1と第2の間に首の運動がある。今朝は首の運動の際のピアノ伴奏曲として『春の小川』が演奏されていた。『故郷』で知られる高野辰之(作詞)と岡野貞一(作曲)コンビによる小学唱歌だ。この詩は東京代々木周辺の昔(明治末期…
人の一生は、その時代に大きな影響を受ける。戦乱の時代、平和な時代、双方が交互にある時代……。そうした環境下で生き抜き、歴史の一員になっていく人々。その一例として私は第二次大戦時代の音楽家(特に指揮者)に興味を持つ。この人たちがこの混乱の時代…
トランプ・アメリカが仲介し、ウクライナとロシアの間で30日間の停戦が実現するかどうか、今世界からの注目が集まっている。ロシアによって一方的に軍事侵攻されたウクライナが、かなりの譲歩を迫られるかもしれない。そんな国際ニュースを見ながら、私は…
楽しくて弾むような内容が一転して寂しくなる歌がある。東京大空襲、広島・長崎への原爆投下、そして阪神淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震といった歴史に残る戦争や大災害に遭遇し、大切な人を亡くした人々は数多い。その境遇をイメージするような歌…
夢のない時代になった。人道主義は遠のいた。自国第一主義で他の国との関係で何でもありを貫くアメリカのトランプ大統領の言動を見ていて、そう思う。そんな時、久しぶりにアナログのプレーヤーでレコードを聴いた。たまたましまい込んだレコードの一番前に…
東京丸の内の帝国劇場が建て替えのため今月限りで休館、59年の歴史に幕を閉じることになった。日本のミュージカルの殿堂として多くのファンに親しまれ、最後のミュージカルとして公演された『レ・ミゼラブル』が7日に千秋楽となり、カーテンコールでは出…
「くちびるに歌を」という言葉が好きだ。いつのころからか、逆境に立たされてもこの言葉を思い出し、勇気を奮い起した。18日夜、知人が主催した音楽会に行き、あらためてこの言葉の意味をかみしめた。飯能市のホテルで開かれたマリンバを中心とする演奏会…
夜中に目が冴えてしまい、眠れぬままラジオを聴いてみた。終夜やっているというNHKの「ラジオ深夜便」という番組で、懐かしい音楽を流していた。タンゴで知られる「アルフレッド・ハウゼオーケストラ」と往年の人気コーラスグループ「マヒナスターズ」の特集…
昔習ったことがあるメロディーがラジオから流れている。途中まで聞いて『冬の星座』という歌だと気が付いた。夜空の星が輝いて見える季節だ。空気が乾き、放射冷却現象となった早朝、西の空はピンクと紺青の美しいコントラストを見せている。夜空の輝きの余…
うしろよりゆつくりゆけと秋の風 昨日に続いて秋に関する俳句を紹介する。俳句にも前衛の世界があるようで、この句の作者、酒井弘司(1938~)は、このカテゴリーに属する俳人だという。何となく秋に何かを思うという雰囲気が伝わる、私の好きな句の一つだ。…
第2次大戦下、ヨーロッパを中心にヒットした歌がある。『リリー・マルレーン』というドイツで作られた曲だ。戦場に行った兵士が故郷の恋人への思いを歌った歌詞で、日本では戦後流行した。現在、ウクライナ、中東ガザ、レバノンで戦闘が繰り返されている。…
夏の夜明けは早い。「払暁」(ふつぎょう)という言葉がある。夜が明けて朝が来るまでの時間帯のことだそうだ。これより早い時間のことを「黎明」(れいめい)というが、いずれにしろ、黎明から払暁の時間帯に起き出し、再び朝がやって来たという喜びを感じ…
音楽を聴いていて、演奏者や歌い手のことに気を取られ、楽器のことにはあまり目が行かないことがほとんどです。ですが、名高い楽器も少なくないのです。ヴァイオリン「ストラディバリウス」やピアノの「スタインウェイ」は、代表的な名器として知られていま…
猛暑が続いている。体が暑さに負けそうになる。テレビはパリ五輪一色の「狂騒」状態。そんな時、一枚のCDを聴く。アメリカの黒人歌手ルイ・アームストロング(愛称サッチモ。1901~1971)が歌うジャズだ。15曲が収録されたCDのうち、『この素晴らしき世界』…
(近所の小学校の校庭に咲いた赤いサルスベリ) 時々CDで『鮫島有美子の四季』(コロンビア)を聴く。タイトルの通り、四季にまつわるソプラノ歌手、鮫島有美子の歌を季節ごとに収録した4枚だ。猛暑の現在は、夏の歌20曲を聴く。その中の1曲は「はるかに…
シューベルトの歌曲『楽に寄す』(『音楽に寄せて』とも)は、名曲といわれている。作詞したのは友人で詩人のフランツ・フォン・ショーバーで、短い詩の中に「音楽」という言葉はない。だが、この歌を聴いていると、「音楽の力」を感じる。ヴァイオリニスト…
「歌は心に呼応する故郷への響きであり、足音なのだ」。作詞家、山口洋子(1937~204)は『花』という短いエッセイ(『日本のうた300、やすらぎの世界』講談社+α文庫)の中で、こんなことを書いている。華やかな世界で生きた名古屋出身の山口にとっても…
一つの歌がきっかけになって全国に知られるようになった場所といえば、群馬県・尾瀬といっていいだろう。多くの人が口ずさむ『夏の思い出』という歌だ。私もかつて尾瀬に行き、水芭蕉を見たことを忘れることができない。現代はSNSで情報が伝わる時代だ。山梨…
5月。新緑が青空に映える季節。だが、何となく気持ちが晴れない。そんな時、音楽を聴く。今朝も手近にあったCDをプレイヤーに入れて再生した。ヴァイオリニスト千住真理子の『感傷的(センチメンタル)なワルツ』(EMI・2013年9月録音。ピアノは山洞智…
チェロ奏者、パブロ・カザルス(1876~1973)は1971年10月24日、国連の日にニューヨークの国連本部で『鳥の歌』を演奏した。演奏を前に短いあいさつをした。それは後世に残る言葉になったことをこのブログでも紹介している。「鳥たちはピー…
輸血のために血液型は必要だが、日常生活で血液型を意識することはほとんどないはずだ。ただ日本人の多くは、血液型と性格が関連するのではないかと思っているのではないか。関連するという前提で書かれた「モーツァルトの血液型」という作家、作詞家のなか…
今月、2回にわたって「川」にまつわる話を書いた。今日はその続きで、映画と歌でよく知られた川のことに触れてみる。『河は呼んでる』という往年のフランス映画がある。66年前の1958年に公開の映画だが、映画の内容より、同名の主題歌を覚えている人…
好き嫌いは別にして、戦後を代表する歌手といえば「美空ひばり」(1937~1989)だということに、反対意見はほとんどないかもしれない。ひばりが歌手として本格デビューしたのは、1949(昭和24)年1月の日劇レビューで、現在NHKで放送されてい…
音楽に「色」を感じることがあるだろうか。感じると書いたのは、音楽評論家の吉田秀和だ。その説明を読んである程度納得した。私はクラッシック音楽ではないが、沖縄を歌った《芭蕉布》(吉川安一作詞、普久原恒男作曲)を聴くと、沖縄の空と海の青い色を頭…
指揮者の小澤征爾が亡くなった。88歳。晩年は病気との闘いの連続だった。作家の村上春樹は、2月11日付朝日新聞朝刊に「小澤征爾さんを失って」と題する1頁の追悼文を寄稿した。その中で村上は小澤について「夜明け前の同僚」と書いた。「みんなが寝静…
近所の喫茶店に入ったら、チェロの演奏で『浜辺の歌』(成田為三作曲、林古渓作詞)が流れていた。林古渓が作詞し、成田為三が作曲した日本の歌だ。それがいつしかチェロの曲としても知られ、今では世界各地で演奏され、世界の人たちに親しまれているという…
(ヨーロッパの山岳鉄道車窓からの風景) <!-- .blog_ad2 { display:none; } --&g…