小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1242 成長著しいキジバトの雛 巣立ちの日が近付く

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6月に入った。二十四節気小満から芒種を経て夏至が終わると、1年も半分が終わる。現在は小満の季節。「いのちが、次第に満ち満ちていくころのこと。草木も花々も、鳥も虫も獣も人も、日を浴びて輝く季節」(白井明大・日本の七十二候を楽しむ)時期だ。しかし、この数日は、芒種を飛び越え、夏至になったような暑さが続いている。 わが家のキウイフルーツに巣をつくったキジバトの話の第3弾を報告する。これまで書いてきたように、5月7日に巣作りを始めたキジバトのつがいは、13日には巣作りが完了、卵を産み、26日には雛が巣の中にいるのが確認された。間もなく、1ヵ月。雛たちが生まれて1週間以上が経過したから、巣立ちの日が近付いているようだ。 小さくて親バトに隠れるようにしていた雛たちは成長が早く、毛も少しずつ増えてきて、体はもう雀くらいの大きさになった。巣を見ていて、私と目を合わせると、じいとこちらをうかがい、「何の用ですか」というような表情をする。その目は小さいが、くりっとしていて、愛きょうがあり、「くりちゃんきょうだい」と呼ぶことにした。 親バトは朝6時前に交代し、雛たちを見守っている。一時雛が3羽いるように見え、家族の間で珍しい(普通は産む卵は2つで、誕生する雛も2羽が普通だという)といっていたが、やはり雛は2羽だった。 キジバトが巣を作った場所はわが家の東側の狭い庭で、窓から巣までは1メートルくらいしか離れていない。なぜ、こんな近くに巣をつくったのだろう。野鳥関係の本を見ると、キジバトは別名が山バトで、かつては野山に棲んでいた。しかし、いつしかキジバトは都会の暮らしに慣れてきて、人家の近くで平気で巣をつくるようになったという。ただ、あまり人間が雛たちを見ていると、親バトは子育てを放棄することもあるそうだから、観察は注意が必要だ。 「鳩に三枝の礼あり」という言葉(学友抄)がある。その意味は、ハトは親鳥より三枝下に止まるということから、鳥でも親に対する礼儀を知っているというたとえ」(旺文社・国語辞典)だという。昔の人はハトの習性をよく観察していたものだと思う。現在もこの習性は続いているのだろうか。 ハトが果樹の中に巣づくり  キジバトその後 巣作り終えてひなを待つ