旅
千葉県鴨川市の高台にある大山千枚田という棚田で開催された「棚田の夜祭り」を訪ねた。傾斜地にある水田のことを棚田といい、日本だけでなく、世界各地に存在する。フィリピン・ルソン島の「コルディリェーラの棚田」(世界文化遺産)やベトナム北部の「ホ…
千葉県鴨川市の高台にある大山千枚田という棚田で開催された「棚田の夜祭り」を訪ねた。傾斜地にある水田のことを棚田といい、日本だけでなく、世界各地に存在する。フィリピン・ルソン島の「コルディリェーラの棚田」(世界文化遺産)やベトナム北部の「ホ…
湖をとりまく山の紅葉かな 俳人の正岡子規が日光を訪れたのは明治25年10月30日のことだ。前日、宇都宮に入った子規はこの日、日光に足を伸ばし、華厳の滝や中禅寺湖を見て、翌31日に東照宮に参拝している。子規はこの旅で『日光の紅葉』という俳句入りの短い…
「湖をとりまく山の紅葉かな」 俳人の正岡子規が日光を訪れたのは明治25年10月30日のことだ。前日、宇都宮に入った子規はこの日、日光に足を伸ばし、華厳の滝や中禅寺湖を見て、翌31日に東照宮に参拝している。子規はこの旅で『日光の紅葉』という俳句入りの…
「山は暮れて野は黄昏の薄哉」(与謝蕪村) 蕪村は江戸時代を代表する俳人で、絵師でもある。先日、未確認の俳句212句が俳句集「夜半亭蕪村句集」に収録されていたというニュースがあり、蕪村の俳句の奥の深さを感じたものだ。秋の気配が漂う会津や日光を…
「山は暮れて野は黄昏の薄哉」(与謝蕪村) 蕪村は江戸時代を代表する俳人で、絵師でもある。先日、未確認の俳句212句が俳句集「夜半亭蕪村句集」に収録されていたというニュースがあり、蕪村の俳句の奥の深さを感じたものだ。秋の気配が漂う会津や日光を…
(月山の降臨?現象) 森敦の『月山』(1974年に芥川賞を受賞)は、霊山である出羽三山(月山、湯殿山、羽黒山)の一つ、月山(1984メートル)の麓の小さな寺にある夏に住み着いた男が長い冬を過ごした後、どこかに去っていくという話の名作で、森自…
(月山の降臨?現象) 森敦の『月山』(1974年に芥川賞を受賞)は、霊山である出羽三山(月山、湯殿山、羽黒山)の一つ、月山(1984メートル)の麓の小さな寺にある夏に住み着いた男が長い冬を過ごした後、どこかに去っていくという話の名作で、森自…
夜が明けても見える月、あるいは明け方まで残っている月のことを「残月」という。朝、西の空を見ると、すじ雲(巻雲)を従えて白くて丸い月が、すすきの彼方に浮かんでいた。一昨日の夜は、だれが名づけたのかスーパームーン(要するに満月)だった。白い残…
夜が明けても見える月、あるいは明け方まで残っている月のことを「残月」という。朝、西の空を見ると、すじ雲(巻雲)を従えて白くて丸い月が、すすきの彼方に浮かんでいた。一昨日の夜は、だれが名づけたのかスーパームーン(要するに満月)だった。白い残…
新聞に首相動静という欄がある。そこには首相の前日の動きが掲載されている。ちなみに昨日(8日)の夜の動静は「午後6時53分、東京・内幸町の帝国ホテル着。同ホテル内の宴会場『梅の間』で日本経済新聞社の喜多恒雄会長、岡田直敏社長らと会食。午後8時55分…
日本画の技法を油彩画に取り入れ、エコール・ド・パリの画家として知られている藤田嗣治は1931年南米旅行をした際、ペルーのクスコを訪れている。標高3400メートルの高地にあるクスコはかつてのインカ帝国の首都で、インカ文明の中心地だった。ここ…
日本画の技法を油彩画に取り入れ、エコール・ド・パリの画家として知られている藤田嗣治は1931年南米旅行をした際、ペルーのクスコを訪れている。標高3400メートルの高地にあるクスコはかつてのインカ帝国の首都で、インカ文明の中心地だった。ここ…
藤田嗣治(1886―1968)の壁画「秋田の行事」を見たのは、かなり昔のことだ。秋田市の千秋公園(旧久保田城跡)に面した旧県立美術館は、秋田の資産家、平野政吉のコレクションを中心に展示し、藤田の壁画が巨大に見えた。 その壁画は、2013年9月にオー…
藤田嗣治(1886―1968)の壁画「秋田の行事」を見たのは、かなり昔のことだ。秋田市の千秋公園(旧久保田城跡)に面した旧県立美術館は、秋田の資産家、平野政吉のコレクションを中心に展示し、藤田の壁画が巨大に見えた。その壁画は、2013年9月にオープ…
過日、晩夏の秋田を歩いた。角館も田沢湖も人影はまばらで、昨今話題の中国人観光客の姿も見かけなかった。秋田新幹線の田沢湖駅はふんだんに秋田杉を使った美しい建物だった。私がこれまで見た中では北海道の旭川駅とともに気に入った建物だ。 だが、駅前は…
過日、晩夏の秋田を歩いた。角館も田沢湖も人影はまばらで、昨今話題の中国人観光客の姿も見かけなかった。秋田新幹線の田沢湖駅はふんだんに秋田杉を使った美しい建物だった。私がこれまで見た中では北海道の旭川駅とともに気に入った建物だ。だが、駅前は…
戦後70年の歴史を考えるとき、以前訪れたことがある一つの町のことが頭の中に浮かんでくる。ドイツのポツダムである。米国大統領(トルーマン)、英国首相(チャーチル)、中華民国主席(蒋介石)の名前で日本に対し無条件降伏を求める「ポツダム宣言」はこ…
8月になった。部屋の絵カレンダーをめくると、今月は日本でも人気が高いヨハネス・フェルメール(1632~75)の風景画『デルフトの眺望』だった。フェルメールが自分の生まれ故郷、オランダ南ホラント州デルフトの朝の町並みを描いた作品だ。 1660〜16…
私の部屋に1枚の絵ハガキがある。 ペルーの世界遺産、マチュピチュの遺跡を背景に動物のリャマが草を食んでいる風景である。よく見ると遺跡周辺には豆粒のように観光客の姿が写っているが、手前のリャマの周辺に人はいない。何とものんびりしていて、気に入…
23日は沖縄にとって特別な日だった。おびただしい犠牲を伴った太平洋戦争・沖縄戦が終結したのが70年前のこの日であり、糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園で沖縄の全戦没者を追悼する「慰霊の日」の追悼式典が行われ、安倍首相も式典に出席し、あいさつ…
梅雨の時期の花といえば、アジサイだ。この季節を好きという人はそう多くないだろう。だが、この花を見ていると少し気分は落ち着く。植物には南限や北限があるが、アジサイは日本のどこでもみることができる花である。 イギリスの旅行作家、イザベラ・バード…
自然現象は不可思議だ。そんなことを考えたのは今朝、東の空に虹のようなものを見かけたからだ。ラジオ体操の途中、東の空を見上げている人が数人いた。携帯のカメラを空に向けている人もいる。体操が終わったあと、私も空を見上げると、虹が出ていることに…
読書の楽しみは何だろう。本を読むたびに新しい世界を知ることができ、脳が活性化する。だから、目が疲れても本を手放すことができない。以下は最近読んだ文芸作品だ。独断と偏見でその寸評を記してみる。 鹿の王(角川書店)上橋菜穂子 2015年本屋大賞…
道のわきに紫色のアザミの花が咲いている。何気なく通り過ぎていたが、かなり以前から咲いていた。俳句では「薊」が春、「夏薊」が夏の季語になっており、アザミの花期が長いことがうかがえる。 種類が多く(世界で約250種、日本では70~80種)、春か…
日本の三大焼物は「萩焼」(萩市)、「楽焼」(京都府)、「 唐津焼」(佐賀県)といわれる。このほか焼物の町として栃木の益子や愛知の瀬戸、滋賀の信楽はよく知られている。これに加え、茨城県笠間も陶芸家が住む焼物の町としてクローズアップされている。…
「亀鳴く」という俳句の春の季語がある。これについて『俳句歳時記』(角川学芸出版)には「春になると亀の雄が雌を慕って鳴くというが、実際には亀が鳴くことはなく、情緒的な季語。藤原為家の題詠歌『川越のみちのながぢの夕闇に何ぞと聞けば亀ぞなくなる…
「亀鳴く」という俳句の春の季語がある。これについて『俳句歳時記』(角川学芸出版)には「春になると亀の雄が雌を慕って鳴くというが、実際には亀が鳴くことはなく、情緒的な季語。藤原為家の題詠歌『川越のみちのながぢの夕闇に何ぞと聞けば亀ぞなくなる…
そう多くないクラシックCDの中で、なぜかチャイコフスキーの「弦楽のためのセレナード ハ長調、作品48」を3枚(古い順から①ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団②ジャン・フランソワ・パイヤール指揮、パイヤール室内管弦楽団③小澤征爾指揮、サ…
そう多くないクラシックCDの中で、なぜかチャイコフスキーの「弦楽のためのセレナード ハ長調、作品48」を3枚(古い順から①ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団②ジャン・フランソワ・パイヤール指揮、パイヤール室内管弦楽団③小澤征爾指揮、サ…