小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2008-01-01から1年間の記事一覧

345 中国の旅(1)鑑真の故郷へ

「中国は霞みに覆われた大国なのか」。中国を久しぶりに旅して、空気の汚れに驚いた。北京五輪の時にも、スモッグが多いことを理由に有名マラソン選手がボイコットしたことで、そのひどさは頭では知っていたが、実際に中国に足を踏み入れると、それを実感し…

345 中国の旅(1)鑑真の故郷へ

「中国は霞みに覆われた大国なのか」。中国を久しぶりに旅して、空気の汚れに驚いた。北京五輪の時にも、スモッグが多いことを理由に有名マラソン選手がボイコットしたことで、そのひどさは頭では知っていたが、実際に中国に足を踏み入れると、それを実感し…

344 フェルメール展はラッシュ並みの人出 ある日の上野の森

10月の上野公園は、さわやかな季節とあってかなりの人出でにぎわっている。JRを降りて動物園方向へと歩くと、右手に「国立西洋美術館」がある。 フランスの設計家ル・コルビュジエによる建物は、世界遺産候補となり来年9月にその可否が決まる。そんなことを…

344 フェルメール展はラッシュ並みの人出 ある日の上野の森

10月の上野公園は、さわやかな季節とあってかなりの人出でにぎわっている。JRを降りて動物園方向へと歩くと、右手に「国立西洋美術館」がある。 フランスの設計家ル・コルビュジエによる建物は、世界遺産候補となり来年9月にその可否が決まる。そんなことを…

343 三浦元社長の死 表舞台から突然の退場

長崎を旅している途中、いわゆるロス疑惑の三浦和義元社長がサイパンから移送されたロス警察の留置場で首つり自殺をしたというショッキングなニュースを聞いた。 今月12日の夕方のことである。これまでメディアをにぎわしてきた1人の人間が、突然舞台から消…

343 三浦元社長の死 表舞台から突然の退場

長崎を旅している途中、いわゆるロス疑惑の三浦和義元社長がサイパンから移送されたロス警察の留置場で首つり自殺をしたというショッキングなニュースを聞いた。 今月12日の夕方のことである。これまでメディアをにぎわしてきた1人の人間が、突然舞台から消…

342 2人の先人を思う 長崎の天主堂にて

(大浦天主堂で結婚式を終えた2人) 長崎は、坂の街である。高台のグラパー邸に行くと、それが実感できる。グラパー邸に行く前にオランダ坂を歩き、さらに大浦天主堂を回った。そこでは結婚式を終えたばかりのカップルたちを見た。先月のチェコ・プラハ、昨…

342 2人の先人を思う 長崎の天主堂にて

(大浦天主堂で結婚式を終えた2人) 長崎は、坂の街である。高台のグラパー邸に行くと、それが実感できる。グラパー邸に行く前にオランダ坂を歩き、さらに大浦天主堂を回った。そこでは結婚式を終えたばかりのカップルたちを見た。先月のチェコ・プラハ、昨…

342 2人の先人を思う 長崎の天主堂にて

長崎は、坂の街である。高台のグラパー邸に行くと、それが実感できる。グラパー邸に行く前にオランダ坂を歩き、さらに大浦天主堂を回った。そこでは結婚式を終えたばかりのカップルたちを見た。先月のチェコ・プラハ、昨年の鎌倉鶴岡天満宮といい、なぜか観…

341 うれしい人々 ノーベル賞の4人の研究者

なぜなのか分からないが、連続してノーベル賞の物理学賞、化学賞が日本人研究者4人に贈られることが決まった。その1人、益川敏英さん(68)のユニークさについうれしくなった。こんな頑固で気骨のある人がまだいたのかと思う。小林誠さん(64)も魅力があ…

341 うれしい人々 ノーベル賞の4人の研究者

なぜなのか分からないが、連続してノーベル賞の物理学賞、化学賞が日本人研究者4人に贈られることが決まった。その1人、益川敏英さん(68)のユニークさについうれしくなった。こんな頑固で気骨のある人がまだいたのかと思う。小林誠さん(64)も魅力があ…

340 人生の不思議な縁 2つの出会い

長い人生を送っていると、不思議としかいいようがない出会いがある。先月、中欧の旅で偶然に出会った人が、8月の芝居公演の最終日に同じ時間帯にこの芝居を見ていたことが分かった。 こんなことは、まれにはあるかもしれない。しかし、きょう私が経験したこ…

340 人生の不思議な縁 2つの出会い

長い人生を送っていると、不思議としかいいようがない出会いがある。先月、中欧の旅で偶然に出会った人が、8月の芝居公演の最終日に同じ時間帯にこの芝居を見ていたことが分かった。 こんなことは、まれにはあるかもしれない。しかし、きょう私が経験したこ…

339 中欧の旅(10) 名画で読み解くハプスブルク家12の物語

約650年という長い時代、ヨーロッパに君臨したのがハプスブルク王朝だ。日本では徳川幕府(江戸時代)が264年、足利幕府(室町時代)が237年の長期政権を維持したが、とても及びもつかない。スイスの一豪族が偶然手にした神聖ローマ帝国皇帝という地位から、急…

339 中欧の旅(10)名画で読み解くハプスブルク家12の物語

約650年という長い時代、ヨーロッパに君臨したのがハプスブルク王朝だ。日本では徳川幕府(江戸時代)が264年、足利幕府(室町時代)が237年の長期政権を維持したが、とても及びもつかない。スイスの一豪族が偶然手にした神聖ローマ帝国皇帝という地位から、急…

338 秋を知る 頑張るカタツムリ

10月になった。庭にあるカリンの木に1個だけ実がなった。その実に小さなカタツムリが付いているのを見つけた。実の一部は食べられた跡がある。この小さなカタツムリが食べたのかどうかは分からない。いずれにしても、この小さなカタツムリは生きるために必死…

338 秋を知る 頑張るカタツムリ

10月になった。庭にあるカリンの木に1個だけ実がなった。その実に小さなカタツムリが付いているのを見つけた。実の一部は食べられた跡がある。この小さなカタツムリが食べたのかどうかは分からない。いずれにしても、この小さなカタツムリは生きるために必死…

337 焼津の小泉八雲記念館 平仮名の妻あての手紙

周囲に日本人女性と結婚した外国人がいる。日本語は流暢で、電話で話した人は、彼が外国人とは気がつかないかもしれない。会話だけなく、書く方も日本人にひけをとらない。 なぜこんなことを書くかというと、最近日本に帰化した明治の文豪、小泉八雲(ラフカ…

337 焼津の小泉八雲記念館 平仮名の妻あての手紙

周囲に日本人女性と結婚した外国人がいる。日本語は流暢で、電話で話した人は、彼が外国人とは気がつかないかもしれない。会話だけなく、書く方も日本人にひけをとらない。 なぜこんなことを書くかというと、最近日本に帰化した明治の文豪、小泉八雲(ラフカ…

336 あるシャンソン演奏会 母校で出前授業

京都に住む友人がある小学校で出前授業をした。彼は京都でシャンソン教室を開いているシャンソン家だ。私たちの母校である小学校の校長先生の依頼で、子どもたちにシャンソンを聞かせたのである。 卒業以来51年ぶりに母校に行き、子どもたちとの濃密な90…

336 あるシャンソン演奏会 母校で出前授業

京都に住む友人がある小学校で出前授業をした。彼は京都でシャンソン教室を開いているシャンソン家だ。私たちの母校である小学校の校長先生の依頼で、子どもたちにシャンソンを聞かせたのである。 卒業以来51年ぶりに母校に行き、子どもたちとの濃密な90…

335 中欧の旅(9) 終わりからの旅(辻井喬著)

今度の中欧の旅は、成田からロンドンを経由してベルリンに入り、帰りはブタペストからロンドン経由で成田に帰るという長時間飛行を余儀なくされるものだった。 片道約14時間、この時間をどう過ごすか考えた。機内の映画を見るのもいいが、見たいものがなかっ…

335 中欧の旅(9) 終わりからの旅(辻井喬著)

今回の中欧の旅は、成田からロンドンを経由してベルリンに入り、帰りはブタペストからロンドン経由で成田に帰るという長時間飛行を余儀なくされるものだった。 片道約14時間、この時間をどう過ごすか考えた。機内の映画を見るのもいいが、見たいものがなかっ…

334 中欧の旅(8) たくましいハンガリー女性

ハンガリーの首都ブタペストは、チェコのプラハと同様に、旧市街が世界遺産に指定された美しい街並みが続いている。街の真ん中をドナウ川が流れ、何となく気持ちが落ち着く。そんな街に住む1人の女性は教師のほかに日本人向けのガイドのアルバイトをしている…

334 中欧の旅(8) たくましいハンガリー女性

ハンガリーの首都ブタペストは、チェコのプラハと同様に、旧市街が世界遺産に指定された美しい街並みが続いている。街の真ん中をドナウ川が流れ、何となく気持ちが落ち着く。そんな街に住む1人の女性は教師のほかに日本人向けのガイドのアルバイトをしている…

333 中欧の旅(7) ウィーンの宮殿コンサート

オーストリア・ウィーンは「音楽の都」という代名詞が付く。以前、山田洋次監督、渥美清主演の人気映画「男はつらいよ」シリーズ41作目のウィーン編(竹下景子がマドンナ役)を見たことがあり、このときも音楽会のシーンがあったことを記憶している。 ウィー…

333 中欧の旅(7)ウィーンの宮殿コンサート

オーストリア・ウィーンは「音楽の都」という代名詞が付く。以前、山田洋次監督、渥美清主演の人気映画「男はつらいよ」シリーズ41作目のウィーン編(竹下景子がマドンナ役)を見たことがあり、このときも音楽会のシーンがあったことを記憶している。 ウィー…

332 中欧の旅(6) チェコの古城でスリの話

観光地はどこに行ってもスリの目が光っているのは、万国共通だ。日本では浅草や新宿などの繁華街では、いつも危険信号が灯っているといえる。それは、チェコでも同じだった。 プラハからバスで約3時間のチェスキー・クルムロフは、チェコの古城めぐりのハイ…

332 中欧の旅(6)チェコの古城でスリの話

観光地はどこに行ってもスリの目が光っているのは、万国共通だ。日本では浅草や新宿などの繁華街では、いつも危険信号が灯っているといえる。それは、チェコでも同じだった。 プラハからバスで約3時間のチェスキー・クルムロフは、チェコの古城めぐりのハイ…

331 中欧の旅(5) ビールの本家争い

「あなたの馬は健康的ですよ」。チェコ・プラハの市民はアメリカのビール、「バドワイザー」の味を聞かれると、こう答えるそうだ。 バドワイザーの味は、馬の小水のようなものという意味なのだそうだ。汚い話になるが、アメリカのバドワイザーは馬の小水の色…