小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

367 冬の朝の散歩 hanaの12月のつぶやき

画像
12月になって、私の体調はすこぶる(こんな表現は古いでしょうか)順調なのです。暑い夏に比べたら、いまは極楽です。私が一番多く時間を送っているのは居間なのですが、この一角にあるストーブからは暖かい風が流れてきています。そんな部屋にいると、すぐに眠くなって、ソファーに上がって横になってしまうのです。 けさも、暗いうちに起こされました。毎朝の散歩なのですが、眠いので、ついサボろうとさえ思うのです。お父さんがテレビで見ていてつぶやいていましたが、きょうの日の出は6時半ということでした。だから、散歩の出発時間はまだ暗いのです。 それからしばらくして、太陽が出てきます。けさは散歩コースにある調整池には霧が立ち込めていました。その背後にある林の雑木は見事な紅葉に染まっています。きょうは体調がいいのですが、つい先日大失敗をしてしまいました。 だれもいない家で留守番をしているときに、家の中を探検しました。居間と台所の間にはアコーデオンカーテンがあり、閉まっていましたが、鼻の頭を使ってちょっと押してみたら開くではありませんか。それでつい台所に入ってしまいました。いつもここに入ろうとすると「ノー」ときつく言われますので、興味があっても我慢していました。 でも、だれもいないので、入り込むと私の大好物のサツマイモがあったのです。つい袋から足を使って取り出し、食べてみましたが、あまりおいしくはありません。生だったのです。これまで時々もらっていたのは、ふかしたり焼いたりしたもので、甘くて、やわらかくてとてもおいしいものでした。それと比べると、おいしさは10分の1くらいなのですが、食べ始めたらとまりません。つい2本を食べてしまいました。 帰ってきたママが驚いたのは言うまでもありません。でも、ママは怒りませんでした。一番厳しいはずのお父さんもママの話を聞いて、笑っていました。この家の家族で私を一番かわいがってくれるチーちゃんが体を心配してくれました。生のサツマイモを食べて、下痢をするのではないかと思ったらしいのです。 案の定でした。翌日朝の散歩で私の排泄物を見て、お父さんは飛び上がり、家に戻るとみんなに報告しました。「おーい、hanaの○○○は、すごいぞ。大量だ」と。私は恥ずかしくなり、その日は一日、小さくなってソファーで丸くなって寝たふりをしていました。 一日たって、私の体調は普通になり、安心したお父さんはふだんより少し遠くまで散歩に連れて行ってくれました。そこは銀杏並木があり、朝の太陽に黄色い葉が反射し、まぶしいくらい輝いていました。遠くには富士山が見えます。こんな日は体も引き締まって、帰り道は張り切ってしまい、お父さんを引っ張るように急ぎ足になるのです。 この家の家族は時々風邪を引きます。お父さんもチーちゃんも最近寝込みました。私といえば、風邪とは縁がありません。それよりもいつもお腹がすいた状態なので、つい台所に入り込みたくなるのです。でも、それも当分は無理なようです。
画像