小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1639 飛行機大丈夫かな 沖縄に移り住むノンのつぶやき

画像 私は家族みんなから「ノンちゃん」「ノンノン」などと呼ばれています。正式には「ノア」という名前のミニチュアダックスフンドの雌で11歳になります。私は7日後に飛行機に乗って千葉から沖縄へ移り住む予定です。飛行機は初めてなので少し心配ですが、沖縄という南の新しい島での生活を楽しみにしています。    

 私の飼い主のパパが転勤で去年の夏、東京から沖縄の那覇市に行きました。単身赴任していたパパのところへ4月にママと私の妹のような存在の7歳のるーちゃんと一緒に那覇に行くことになったのです。いま私は千葉市のママの実家にお世話になっています。この家にはママの両親とママの妹が住んでいて、私をとても可愛がってくれます。

 以前、この家には私と仲の良かったゴールデンレトリーバーのhanaさんが飼われていました。私はときどき遊びにくると、hanaさんにまとわりつきましたが、hanaさんは決して嫌がらずに、遊んでくれたのです。  

 hanaさんは、残念なのですが、もうこの世にはいません。2013年7月、病気で旅立ってしまったのです。あのころ、この家の人たちは本当に悲しそうな顔をしていて、私まで悲しくなったことを覚えています。hanaさんはこの家で大切にされていたのだと思います。hanaさんがいなくなって間もなく5年になりますが、この家の人たちはhanaさんを忘れることはないようです。リビングにはhanaさんの写真が飾ってあり、私が遊びに来るといつも散歩に連れて行ってくれる「じいじ」が「hanaおはよう」と声を掛けながら、毎朝、お水とご飯を備えています。  

 人間の間では「ペットロス」という言葉があるそうです。以前、パパがママに「千葉のみんなはペットロスにならないか心配だ」と話しているのを聞いたことがあります。「長い間可愛がってきたペットが死んでしまったことで、食欲不振や鬱状態などのショック症状が出ることだ」と、パパはママに説明していました。幸い3人は大丈夫でした。思い出を大切にしながらhanaさんの死を乗り越えたのだと思います。  

 私がこれから住む沖縄は悲しい歴史があり、いまも多くの人たちが基地問題で苦しんでいるとパパは話しています。でも「沖縄は時間がゆったり流れる島」というそうですから、のんびり屋の私にとって、沖縄の生活は水が合いそうな気がするのです。千葉からもみんなが遊びにきてくれるそうですから、寂しいことはないと信じています。  

 いまお世話になっている家の2階にある「じいじ」の部屋には小さなソファーがあります。「じいじ」がパソコンに向かっているときや本を読んでいるとき、私はここでゆっくり昼寝をしています。それはとても至福の時なのです。いま私の横では「じいじ」が音楽をかけながら、イギリスの自然科学者のダーウィンという人が書いた『ビーグル号航海記』という本を読んでいます。時々ページをめくる音が心地よく感じます。

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 以前このブログで連載した「hana物語」は以下から

 1257 hana物語(1) あるゴールデンレトリーバー11歳の生涯 はじめに

写真1、のんとhana2、在りし日のhana