小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2013-01-01から1年間の記事一覧

1155 あるジャーナリストの2年半を迎えての記 裏切られた被災地

「2年半前、あまりの被害の大きさに私たちはたじろいだ。犠牲者の人数もけた違いだった。しかし、この豊かな日本社会だ。ほどなく人々の生活を立て直す力があるはずだ。誰もがそう信じたが、想いは裏切られた。被災地の人々は奥歯に何かがはさまったような…

1155 あるジャーナリストの2年半を迎えての記 裏切られた被災地

「2年半前、あまりの被害の大きさに私たちはたじろいだ。犠牲者の人数もけた違いだった。しかし、この豊かな日本社会だ。ほどなく人々の生活を立て直す力があるはずだ。誰もがそう信じたが、想いは裏切られた。被災地の人々は奥歯に何かがはさまったような…

1154 大震災から2年半の海外での事件 カッパドキアの悲劇

トルコの世界遺産、カッパドキアで旅行中の新潟大学の女子学生2人がゼミ渓谷で男に襲われ、1人が死亡、もう1人は重傷負う事件が起きた。親日的で安全な地域といわれたカッパドキアでもこんな事件があったことに驚いた人は少なくないだろう。ちょうど1年…

1154 大震災から2年半の海外での事件 カッパドキアの悲劇

トルコの世界遺産、カッパドキアで旅行中の新潟大学の女子学生2人がゼミ渓谷で男に襲われ、1人が死亡、もう1人は重傷負う事件が起きた。親日的で安全な地域といわれたカッパドキアでもこんな事件があったことに驚いた人は少なくないだろう。ちょうど1年…

1153 hana物語番外編1 白露の季節

はな、ありがとう。 はなが来てくれたおかげで 私たちの世界が広がって 豊かな毎日になったよ。 一緒にお散歩することで 花の香りや季節の変化を感じたり。 人間以外の動物がかわいいと 思えるようにもなった。 はなには感謝することばかりです。 また会おう…

1153 hana物語番外編1 白露の季節

はな、ありがとう。 はなが来てくれたおかげで 私たちの世界が広がって 豊かな毎日になったよ。 一緒にお散歩することで 花の香りや季節の変化を感じたり。 人間以外の動物がかわいいと 思えるようにもなった。 はなには感謝することばかりです。 また会おう…

1152 つかの間の喜悦~それはまたつかの間に地に堕ちる 五輪と古代ギリシャ詩人

2020年の夏の五輪(第32回)・パラリンピック開催地に東京が決まった。アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されているIOC総会の中継のテレビ映像を、早朝から見ていた人は多いだろう。歓喜に沸くシーンを繰り返し流すテレビの映像を見ながら、最…

1152 つかの間の喜悦~それはまたつかの間に地に堕ちる 五輪と古代ギリシャ詩人

2020年の夏の五輪(第32回)・パラリンピック開催地に東京が決まった。アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されているIOC総会の中継のテレビ映像を、早朝から見ていた人は多いだろう。歓喜に沸くシーンを繰り返し流すテレビの映像を見ながら、最…

1151 追悼・遠藤正芳さん 教育への思い遥か

知人の遠藤正芳さんが8月初めに亡くなった。66年の生涯だった。もう少し早く、追悼のブログを載せたいと思っていたが、きょうになってしまった。穏やかな表情の遠藤さんを思い出しながら、このブログを書いている。以前、私は何度か遠藤さんにインタビュ…

1151 追悼・遠藤正芳さん 教育への思い遥か

知人の遠藤正芳さんが8月初めに亡くなった。66年の生涯だった。もう少し早く、追悼のブログを載せたいと思っていたが、きょうになってしまった。穏やかな表情の遠藤さんを思い出しながら、このブログを書いている。以前、私は何度か遠藤さんにインタビュ…

1150 ラジオ体操の効用 被災地ではおらほの…

飼い犬がこの世を去ってから、朝の散歩の代わりに始めたのがラジオ体操だ。近所の公園前の遊歩道の広場で町内会の有志が中心になって始まったのが、いまでは50人近い集まりになっている。8月初めから参加してちょうど1カ月が過ぎ、ようやく体も慣れてき…

1150 ラジオ体操の効用 被災地ではおらほの…

飼い犬がこの世を去ってから、朝の散歩の代わりに始めたのがラジオ体操だ。近所の公園前の遊歩道の広場で町内会の有志が中心になって始まったのが、いまでは50人近い集まりになっている。 8月初めから参加してちょうど1カ月が過ぎ、ようやく体も慣れてき…

1154 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(20)完 輪廻転生~いつの日か

「輪廻転生」。霊魂がこの世に何回も生まれ変わってくるという意味で、多くの宗教でこの考え方が存在するという。私は突き詰めて考えたことはなく、信じてもいないのだが、なぜかhanaが生きている間から「この子は今度生まれ変わるとしたら私たちの子ど…

1154 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(20)完 輪廻転生~いつの日か

「輪廻転生」。霊魂がこの世に何回も生まれ変わってくるという意味で、多くの宗教でこの考え方が存在するという。私は突き詰めて考えたことはなく、信じてもいないのだが、なぜかhanaが生きている間から「この子は今度生まれ変わるとしたら私たちの子ど…

1153 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(19)月命日・猛暑が続く中で

hanaがこの世を去って1カ月が過ぎた。hanaが死んだのは7月30日だから、きょう8月30日は「月命日」ということになる。仏教用語では「祥月命日」という、一周忌以降の故人の亡くなった月日(命日)と同じ月日のことを指す言葉もあり、ややこし…

1153 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(19)月命日・猛暑が続く中で

hanaがこの世を去って1カ月が過ぎた。hanaが死んだのは7月30日だから、きょう8月30日は「月命日」ということになる。 仏教用語では「祥月命日」という、一周忌以降の故人の亡くなった月日(命日)と同じ月日のことを指す言葉もあり、ややこし…

1152 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(18)たまには私だって

犬を主人公にした小説で一番心に残っているのは、ジャック・ロンドンの「野性の呼び声」だ。アメリカ、カリフォルニアの判事の家でのんびり暮らしていた大型犬バックが、庭師に盗まれてゴールドラッシュに沸くアメリカとカナダ国境へと売られ、過酷な犬ぞり…

1152 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(18)たまには私だって

犬を主人公にした小説で一番心に残っているのは、ジャック・ロンドンの「野性の呼び声」だ。アメリカ、カリフォルニアの判事の家でのんびり暮らしていた大型犬バックが、庭師に盗まれてゴールドラッシュに沸くアメリカとカナダ国境へと売られ、過酷な犬ぞり…

1151 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(17)問題行動のわけは?

hanaの散歩コースだった調整池周辺の遊歩道は、早朝だとだれにも出会わないときも少なくなかった。排泄が終わり、それを拾ってからリードを外して首輪だけにしてやると、hanaは喜んで走り出す。いい運動になるのだが、ちょっと目を離すと遊歩道から…

1151 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(17)問題行動のわけは?

hanaの散歩コースだった調整池周辺の遊歩道は、早朝だとだれにも出会わないときも少なくなかった。排泄が終わり、それを拾ってからリードを外して首輪だけにしてやると、hanaは喜んで走り出す。いい運動になるのだが、ちょっと目を離すと遊歩道から…

1150 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(16)金木犀とともに

私がhanaの骨を庭の一隅に埋めてやろうと思った理由は、家族の「近くに置きたい」という言葉だけではない。このブログにリンクしている「消えがてのうた part2」のaostaさんの「ボンボンがいた日々」(2012年8月31日)という、絶唱ともいえ…

1150 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(16)金木犀とともに

私がhanaの骨を庭の一隅に埋めてやろうと思った理由は、家族の「近くに置きたい」という言葉だけではない。このブログにリンクしている「消えがてのうた part2」のaostaさんの「ボンボンがいた日々」(2012年8月31日)という、絶唱ともいえ…

1149 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(15)誕生日が過ぎて

hanaは2002年7月1日の生まれで、この夏11歳になった。それから30日間でこの世を去ったが、毎年祝った誕生日のことが忘れることができない。それはユーモラスであり、hanaにとっては、ごちそうにありつける記念日でもあったはずだ。その誕…

1149 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(15)誕生日が過ぎて

hanaは2002年7月1日の生まれで、この夏11歳になった。それから30日間でこの世を去ったが、毎年祝った誕生日のことが忘れることができない。それはユーモラスであり、hanaにとっては、ごちそうにありつける記念日でもあったはずだ。その誕…

1148 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(14)短い命を燃焼

人間と飼い犬の強い結びつきは、「忠犬ハチ公」の話でよく知られている。飼い主が愛情をかければ、犬にもそれがよく伝わるということなのだろう。以前、読んだモンゴメリーの「アンの娘リラ」という小説の中にもそれを示すエピソードが盛り込まれている。h…

1148 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(14)短い命を燃焼

人間と飼い犬の強い結びつきは、「忠犬ハチ公」の話でよく知られている。飼い主が愛情をかければ、犬にもそれがよく伝わるということなのだろう。以前、読んだモンゴメリーの『アンの娘リラ』(新潮文庫・村岡花子訳)という小説の中にもそれを示すエピソー…

1147 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(13)奇跡の犬

hanaが肝臓がんと診断されたとき、家族全員が間違いであってほしいと願った。しばらくすれば元気を取り戻してくれるのではないか、hanaの散歩の際に度々出会った先輩犬のラブラドールレトリーバーのように、「奇跡」が起こるのではないかと思ったの…

1147 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(13)奇跡の犬

hanaが肝臓がんと診断されたとき、家族全員が間違いであってほしいと願った。しばらくすれば元気を取り戻してくれるのではないか、hanaの散歩の際に度々出会った先輩犬のラブラドールレトリーバーのように、「奇跡」が起こるのではないかと思ったの…

1146 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(12)爪楊枝事件

hanaは、犬族の一員として旺盛な食欲を誇っていた。元気なころは朝夕の餌だけでは足りないのか、私たち家族が食べている人間食まで欲しがった。動物病院の獣医さんに言わせると、犬にはドッグフード以外は不要ということだが、よだれを流さんばかりのh…

1146 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(12)爪楊枝事件

hanaは、犬族の一員として旺盛な食欲を誇っていた。元気なころは朝夕の餌だけでは足りないのか、私たち家族が食べている人間食まで欲しがった。動物病院の獣医さんに言わせると、犬にはドッグフード以外は不要ということだが、よだれを流さんばかりのh…