小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1795 前倒し夏休みなのに 梅雨寒続く7月

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 梅雨寒や背中合わせの駅の椅子 村上喜代子
 
 梅雨寒の気候が続いている。昨年の今頃は猛暑になっていたが、今夏は天候不順で肌寒い日がなかなか終わらない。私の住む千葉市の市立小中校(165校)は、例年より1週間繰り上げて夏休みになる。3連休だから、実質的にきょう13日から8月いっぱいまでの長い休みである。前倒しの理由は予算不足を補うための苦肉の策だという。
 
 千葉市の小中校にはエアコンの設備がなかった。市長も市議会も校舎の老朽化対策が優先だといって、子どもたちに我慢を強いてきた。市議会ではエアコン設置を求める請願に対し、自分たちは涼しい議場にいるにもかかわらず強い精神力・忍耐力を養うためにエアコンは不要という何とも前時代的な意見で不採択にした経緯もある。だが、昨年の猛暑により文科省からエアコン設置を求める通達が出され、千葉市も渋々ながら設置を決めた。
 
 しかし、予算の関係もあって工事がなかなか進まず、結果的に代替え手段として夏休みの前倒しを決めたのだ。だが、皮肉なことに今夏は梅雨が長引き、しかも冷夏の状況が続いていて、夏休み前倒しの意味は薄らいでしまった。一度決めた以上はそれを変更するという柔軟さは役所(教育委員会)にないから仕方がないのかもしれないが、子どもたちの長い夏休みにお母さんたちも戸惑っていることだろう。
 
 旧暦七十二候で、いまごろは「小暑 (次候)蓮始めて開く」とされている。そういえば、私の住む街に通ずる道の脇に昔ながらの池があり、蓮の花が咲いている。千葉市千葉公園蓮池には長い眠りから覚めた大賀蓮(同市検見川の東大グランドで発掘)も元気に生き続けている。「ひらいたひらいた」というわらべうたがある。いつの時代から歌われているのか、だれが作ったのか不明だが、蓮の特徴をよくとらえている。この歌を思い出しながら蓮の花を見るのもいいのではないか。
 
 ひらいた ひらいた なんの花が ひらいた れんげの花が ひらいた ひらいたと おもったら いつのまにか つぼんだ
 つぼんだ つぼんだ なんの花が つぼんだ れんげの花が つぼんだ つぼんだと おもったら いつのまにか ひらいた
 
 写真 朝の散歩をしていたら、民家の庭先から大輪のユリの花が私に挨拶するように咲いていた。天候は不順でも植物たちは私たちに楽しみを与えてくれている。