小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2034「you might or more head」 これ、どんな意味?

 

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 今年の「大暑」は先週木曜日(22日)でした。一年で一番暑い日々が続いています。この猛暑の中で東京五輪の屋外競技をやっている選手たちは、本当に気の毒です。私は、このところ散歩は涼しい早朝だけにしているのですが、今朝散歩コースから見た風景は透明感があり、久しぶりに爽快感を味わうことができました。しかし、次第に気温が上がってきて、温度計は午前中に30度を超えました。こんな時、どうしても「言うまいと思えど今日の暑さかな」という「言葉」が口をついてしまうのです。皆さんはいかがでしょうか。

 これは、一応575の俳句の形をしている言葉ですが、国文学者の池田弥三郎に言わせると「文学でも何でもないが、文学を支える周辺にあるものだ、とは言えるであろう。作者もわからない。句も、暑さかなでも寒さかなでもいい」(『日本故事物語』河出書房)ということになります。

 英語の言葉遊びもあるそうです。それは以下の2つです。

 you might or more head to-day's hot fish.

 you might or more head to-day's as fish.

 前段の「you might or more head」は発音から「言うまいと思えど」で 「to-day's hot fish」「to-day's as fish」は英語を直訳するか、あるいは直訳と発音を混合し「今日の暑さかな」とする、ダジャレと言えるようです。

  テレビでは熱中症予防のため、エアコンを適切に使うようにと呼び掛けています。10年前の東日本大震災を思い出します。原発事故以来、あの夏は節電が毎日呼びかけられていたからです。私もブログで「手元のスマートフォンにある首都圏の消費電力を示すソフトによると、8月1日午後1時から午後2時までの消費電力は3547万キロワットで供給量の67・8%だ。日本人のまじめさを感じる数字だと思う。暑くても我慢し、耐えているのだ」と書いたものです。

 では、この夏はどうなのでしょうか。ウエブで東京電力の「本日の電力使用見通し」を見ますと、午前11時台は供給力5353万kWに対し、実績値(消費電力)は4781万kWで供給量の89%、12時台は同じく5322万kWと4621万kWで86%になっていました。10年前よりも、消費電力はかなり増えていることになります。経済産業省は今年5月、古い火力発電所の休廃止が相次いでいるため「夏冬の電力需給はここ数年で最も厳しい」という予測を発表、省エネを呼び掛けています。ただ、この暑さですから、エアコンのスイッチを入れる家がほとんどだと思います。テレビでも省エネという言葉は聞くことはほとんどありません。

 ところで、この猛暑の中で五輪が続いています。2013年9月、東京が開催都市に立候補した際、その説明ともいうべき「立候補ファイル」に夏の東京について「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリート が最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」(下記の注・参照)と記されていました。猛暑、酷暑が続くこの時期を「温暖」と書いたのですから、開いた口がふさがりません。まさに詐欺的な記述です。原発をアンダーコントロールしたと当時の安倍首相が説明したのもうそでした。それが史上稀な、不安で危険な五輪開催につながってしまったようです。26日午前に行われた男子トライアスロンではゴール後に倒れ込み、嘔吐する選手が相次ぎました。

 天気予報では、台風8号が近づいているそうです。明日には関東か東北に上陸する可能性があるという予報です。2年前の19年9月9日、私の住む千葉市には台風15号が上陸、最大瞬間風速57・5メートルという猛烈な台風によって千葉県内は大きな被害を受け、停電のため多くの人たちが「炎暑地獄」の中を過ごしました。世界の気象は荒々しさを増しているといっていいでしょう。台風という言葉を聞くと、2年前の嵐が記憶に蘇るのです。明日の台風はどうなるのでしょう。勢いが弱まることを祈るばかりです。

      

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写真 散歩コースから見た駅前の風景(手前は調整池)

 

 注・【立候補ファイル 第1巻】

  テーマ2-大会の全体的なコンセプト

  2020年東京大会の理想的な日程  東京での2020年オリンピック競技大会は7月24日(金曜日)の開 会式に続いて、7月25日(土曜日)から8月9日(日曜日)までの16日間 で開催し、閉会式は8月9日(日曜日)に予定する。また、パラリンピック 競技大会は8月25日(火曜日)から9月6日(日曜日)までの開催を予定 する。 この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリート が最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である。ま た夏季休暇に該当するため、公共交通機関や道路が混雑せず、ボラン ティアや子供たちなど多くの人々が参加しやすい。さらに、この時期は 日本全国で伝統的な祭が多く開催される時期であることから、祝祭 ムードが漂っている。また、重要な点として、この開催期間は他の大規 模な国際競技大会とのスケジュールと重複しておらず、東京において も大会開催に影響を及ぼすような大規模イベントの開催を予定していない。