小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

783 庭先で聞く政治談義 主婦たちの思いは?

  2月27日のブログで、中学生が「国会議員なんてみんなやめればいい」と話していたことを家族が聞いたと紹介した。庭にいると、その前の遊歩道を歩く人たちの声が時々聞こえる。例えば、主婦ならば今の国会の姿を見て次のような会話をしているのかもしれない。

 「国会の本会議を欠席するような議員は、議員の資格がない」。それは、先日の中学生以上に、生活感の伴った政治不信ではないだろうか。

  主婦たちの話題になると想定したのは先日民主党に会派離脱届を出した比例区の16人の衆院議員のことだ。この16人は親小沢といわれ、2011年度の予算案を採決した衆院の本会議を欠席するという手段に出た。

  国会議員は「国民の投票によって選出され、国会を組織する議員。衆議院議員参議院議員とがあり、議案・動議の発議・表決、内閣への質問などの権限を有する」(大辞泉)人たちで、歳費といわれる給与や旅費を含め、議員活動のためのさまざまな特権が付与されている。

  その国会議員が国の予算を採決する極めて重要な本会議を欠席したのだから国民の負託を忘れた行動といっていい。

  毎朝、主婦たちは近くの小学校に子どもたちの安全に登校できるよう交代でパトロールをしている。この主婦たちはパトロールの帰りに、いろいろな話をしていることだろう。国会の話も話題になったはずだ。当然、子ども手当に関しても愚痴がでるはずだ。民主党政権になって児童手当に代わって支給され出した子ども手当の雲行きが怪しいからだ。

  現行の子ども手当法は1年間(3月末まで)の時限立法で、2011年度に関しては、予算関連法案(26件)の中に、新しい子ども手当法案も含まれている。しかし予算関連法案は野党の反対で成立の見通しが立たないというから、子ども手当は支給されなくなる可能性が出てきたのだ。

  周囲に近く2人目の子どもを産む予定の女性がいる。「子ども手当がなくなったら、児童手当になり、支給額も少なくなるようだね」と聞いてみた。すると「そのことは悔しいから考えないことにしているわ」という答えが返ってきた。「悔しい」と口ぶりからは、国民よりも自分たちの利益を優先させている政治家への不信が込められているように感じた。

  主婦たちの嘆きは分かる。しかし、無定見な政治家を当選させてしまったのも、実は国民であることを忘れてならない。