小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1495 パソコンの延命は 内蔵HDD交換にトライ

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 パソコンの調子がおかしくなった。フリーズ(マウスが止まったまま応答しないこと)が頻発し、強制終了して立ち上げようとすると、画面が暗いままの状態が続く。いよいよ寿命かと思う。2009年製だから7年目のパソコン(NECのデスクトップ型)だ。

 しかし、このままデータを失ってしまうのは悔しい。どうしたものかと考えた。行き着いたのは、内蔵ハードディスクドライブ(HDD、円盤を高速で回転し、磁気ヘッドを移動することにより情報を記録し読み出す記憶装置)の交換だった。

 調べてみると、パソコン不調の原因の一番はHDDの故障で、しかもその寿命は平均で5年(一日8時間使用)だという。私のパソコンは一日当たり8時間も使ってはいないが、7年になる。そろそろHDDが限界に近付いたのかもしれない。そこで、何とか現状のパソコンをシステムの修復という手法で立ち上げ、HDDのデータを新しく購入したものへのコピーを試みた。

 最近はHDDよりも処理速度が速いSSD(フラッシュメモリを用いた記憶装置)を搭載したパソコンも多いようだが、今回はHDDの交換にとどめた。用意したのは、新しいHDD本体(3・5インチ、SATA接続、 1TB、5832円)とパソコンとHDDをUSBで接続するHDD/SSDケーブル(約2598円)、HDDのデータをコピーするソフト(無料でダウンロード)だった。

 ソフトにはシステム全体をコピーするクローンという方法があった。インターネットには、様々なHDD交換のためのページがあり、それを参考にした。方法自体はそう難しくはないが、クローンには半日もかかってしまった。ようやくクローン作業が終わり、パソコンの電源を落とし、本体からHDDを取り出し、新しいものと入れ替えた。その作業は簡単で5分もかからない。

 箱を戻し、電源を入れて立ち上げようとするが、起動の際「エラーコード0x000000e」という画面となり、新しいHDDを認識しない。 インターネットの別のページでは、コマンドを入力しウインドウズのインストールディスクを使って起動し直す方法が紹介されていたが、それも面倒なので一番評価が高い「EASEUS Todo Backup」というソフトをダウンロードし直し、クローンを再実行した。

 こちらのソフトは一回目のものに比べクローン作業は速く、1時間程度で終了した。そのあと、HDDを入れ替え、パソコンを立ち上げると何事もなかったようにウインドウズが起動した。当然ながらソフト自体も問題はなく、使えるのが分かった。

 この先、どれくらい持つかは分からない。だが、しばらくは延命するのではないかと期待している。 これまで書いたように、パソコンの知識がある人なら、HDDの交換作業はそう難しくない。だが、私も含め、パソコンのことに詳しくない者にはなかなか大変だ。

 パソコンの説明書にはメモリーの増設方法は書いてあるが、HDDの交換については全く触れていない。メーカーにとってはパソコン買い替え需要減につながるわけだから、そんな親切なことはしないのだろう。

 この作業中、イギリスではEU離脱か残留かの国民投票で、離脱派が勝つという大きな動きがあった。離脱派は「イギリスはEUから自由になった」と叫んでいる。私はアナクロニズム(時代錯誤)を感じてしまう。わがパソコンと同じように、イギリスの離脱によってEU加盟各国とイギリスがフリーズしないことを願いながらニュースを見続けている。