小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

792 大災害から1週間 原発は、今後の国民生活は?

  東日本大震災はきょうで1週間になった。茫然と過ごした日々だった。被災地には雪が降り、被災した皆さんは寒さに震えているだろう。何とかしたいと思う。

  こんな中で東京電力福島第一原発の危機的状況が続いている。自衛隊ヘリコプターによる放水、警視庁機動隊の地上放水を国民はかたずをのんで見守っている。米国の原子力規制委員会(NRC)とホワイトハウスは「予防的措置」として原発から80キロ圏内にいる米国人は避難するよう勧告したという。日本政府の指示(20キロ圏内から退避、20~30キロは屋内退避)とは大幅に異なる見解だ。米国は、原発の格納容器がかなり損壊していると見ているのだろうか。

  既に米国務省は帰国を希望する米大使館員の家族を帰国させるため、航空機をチャーターしたという報道もある。在日の米大使館が声明を出し「天候や風向きなどさまざまな条件が放射能汚染の範囲に影響する。低レベルの放射性物質は80キロ以上離れた地域に飛散する可能性がある」と指摘したという。NRCは、被ばく線量が計10ミリシーベルトを上回らないようコンピューターで避難すべき範囲を計算した結果、半径80キロ以内の避難が妥当との結果になったと説明していると、共同電が伝えた。

  これを発表した大統領補佐官は「日米では基準が違う」と語ったというが、日本政府の出す情報に米側が疑問を持っていることを示している。東京に住む知人の米国人は、家族を中部地方に避難させた。原発から東京までの直線で227キロといわれているので、そこまでする必要があるのかと思うのだが、米国(人)は福島原発の事故を深刻に受け止めているのだ。スイスは東北と東京・横浜周辺のスイス人に安全な場所への移動を求め、ロシアも外交官の家族らを国外に避難させることを決めたそうだ。

  ちなみに、80キロ圏内は茨城県高萩市福島県白河市宮城県名取市周辺まで入る。もしここまで避難範囲が拡大したら、事態は深刻だ(現在でも深刻だが)。午前中にヘリでの放水が終わり、夕方から機動隊と自衛隊による放水が続いた。現場で危険な作業に必死で当たっている50人の無事と放水によって原発の暴走が繰りとめられることを、国民が祈っている。

  このところ毎日計画停電があり、電車の運行も日々混乱している。今後どのような生活を送ったらいいのか、その根拠になるような明確な情報がないのがもどかしい。