小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

207 2007年の足跡 私の旅模様

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 慌しかったこの1年も残すところ6日になった。例年になく各地を旅し、考えることも多かった。私の目に映った各地の印象を「私の旅模様」として記してみる。既にブログで紹介している地域もあるが、以下はことしの総集編である。(6月は首都圏を中心に歩いたため、旅模様からは外した)

 1月 マニラ・フィリピン 雑踏、混沌とした街並みに疲れる。この国で私の父は62年前に死んだ。マニラで日本語新聞を発行している友人と再会する。

  2月 スリランカコロンボ マヒンダ・ラジャパクサ大統領に会見。民族対立が内戦に発展しているスリランカ世界遺産が数多いのに、内戦のため日本を含め海外からの観光客は少ない。大統領執務室まで行くのに幾重にも及ぶ厳重な検問に驚く。

  3月 佐賀県佐賀市唐津市、福岡県柳川市大宰府町 駆け足の訪問。唐津の駅前はなるほど風情がある。大宰府天満宮より裏手の国立九州博物館の方に興味があった。

  4月 岩手県紫波町 木材の町のヒノキで作った小学校に感嘆。木の香りに酔う。

  5月 茨城県笠間市福島県石川町、広島県福山市愛媛県大三島・伯多島 大三島の帰りに出会った島出身の老人の話。神戸に住むが、たまに帰ってくるという。この島も過疎化が進んでいる。

  7月 沖縄県阿嘉島うるま市、栃木県那珂川町 那覇からの船は台風の余波で大きく揺れていた。阿嘉島は太平洋戦争末期、米軍の攻撃が激化し、住民が集団自決した悲劇の島でもある。栃木の山の中にある廃校利用の障害者の作品を中心に展示する美術館で館長の熱意に共感。

  8月 北海道札幌市・夕張市旭川市 夕張の静かさ(さびれぶり)に愕然。地方に未来はないのか。

  9月 ニュージーランドクライストチャーチオークランドクイーンズタウンほか、高知県土佐清水市 共通するのは美しい自然とうまい食べ物。数キロ太る。夜空に輝く南十字星を見て童心に返る。

  10月 兵庫県姫路市岡山県真庭市 日本の片隅でこつこつとがんばる人たちの存在を確認。

  11月 福島県飯舘村群馬県伊勢崎市 飯舘は名前も知らなかった小さな村。住民は大勢の都会人を迎えてどんな印象を持っただろう。

  12月 北海道函館市 友人と再会。車の免許を取り、運転をしている姿を見て驚いた。函館も人通りは少なく、寂しい地方都市の様相。

  こうして見てくると、海外を除いて北は北海道から南は沖縄まで足を延ばしたことになる。そこに住む人たちの思いをどれだけ聞くことができたか。風景を見、人々と話をして一番私の心に響いたのは意外と思われるかもしれないが、岡山県真庭市だった。