小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

779 スポーツは憧れの世界  完全復活近い浅田真央

画像 台北で開かれた4大陸フィギュア選手権で、日本人選手が男女とも金、銀メダルを獲得し、層の厚さを印象付けた。昨日は女子のフリーがあり、早い滑走順の安藤美姫が早々と高得点を出した。

 ライバルの浅田真央は最終演技で最後までテレビにくぎ付けになった。 この放送は生中継ではなく、結果はインターネットで調べれば出ていたはずでパソコンをのぞきたいという誘惑に駆られた。 その気持ちを抑えて、最後までテレビを見る。浅田の出来もよかったので、私自身は安藤といい勝負かなと思った。

 しかし、ショートを合わせて200点を上回った安藤の安定した演技には届かなかった。 専門家はさすがによく見ていて、浅田のジャンプの着地が安藤よりも良くない点を指摘していた。スローでみると、その通りだった。

 それにしても、スポーツ選手が好調を維持するのは容易ではない。フィギュアを見ていてそれを実感する。2006年2月のトリノ五輪当時の絶不調の安藤と今シーズンの安藤は別人のようだ。ジャンプで失敗を続けた浅田の今シーズン初めの姿も痛々しかった。 不調になる原因があり、それを練習で克服するのはそう簡単ではない。

 安藤自身は体調が万全ではなかったそうだが、安定した演技ができたのだから、技術的にも成長したのだと思う。浅田もそうだ。彼女はほぼ復活したといっていいだろう。 全盛期時代に大活躍したスポーツ選手が、引退してから現役復帰をする例がある。テニスの伊達公子や水泳のイアン・ソープである。

 伊達は、復帰後他の若い選手を圧倒して活躍しているし、ソープもロンドン五輪出場を目指すらしい。 現役選手でも一流の立場を維持するのは並大抵なことではない。だから、一度引退した選手が現役選手の力を取り戻すのは尋常なことではない。それは、現役選手の不調という問題ではないだろう。徹底した体調管理、厳しい練習の日々から離れた元選手が精神的、肉体的に現役時代と同じレベルに戻すのだから、伊達やソープは私にとって脅威の存在だ。

 ぎりぎりまで肉体を酷使し、高いレベルに挑戦するスポーツ選手は、私の場合、生まれ変わったらやってみたいという「選択肢」の上位に入る。みなさんはどうでしょうか。