小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

756 デジタル技術の発展に驚く 外付けHDDモデルの2台目のテレビ

画像 地上波のアナログ放送は2011年7月24日に完全停波となり、地上波デジタル放送になる。最近アナログテレビでは画面の下の方にうるさいくらいその案内字幕が入っている。まるで「早くテレビを買い替えろ」という催促のようだ。

 余計なお世話と思いつつ、たまたま古くなった2台目のテレビを買い替えた。外付けのUSBハードディスク(HDD)録画ができるという製品だ。

 最近の傾向としてテレビには録画のできる内臓HDD付きやブルーレイレコーダー(BD)内臓の製品が出回っている。かつてアナログ時代は「テレビデオ」として、ビデオ内臓のテレビも販売されたが、不人気だった。しかし、デジタル技術が急速に発展して、現在は録画システム付きのテレビが普通になった。

 2台目のテレビとして購入したのはシャープのアクオスDZ3―Sという外付けHDD録画可能な20インチのモデルだ。急速に普及しつつあるLED(発光ダイオード)を搭載し、「4原色革命」とシャープがうたう「クアトロン」という色彩表現力の技術を採用しているのだという。

 家電量販店で他社、あるいはシャープの別のモデルと比較するとたしかに画面が明るく、映像は美しい。 アナログ放送は2メートルくらいの距離でもよく見えたのに、同じ20インチ程度のテレビで地デジの放送を見ると、老眼の私にはよく見えない。かなり離れるか、近くによって老眼を掛ける必要があった。

 ところが、シャープのこのテレビはそんなことはなかった。いつものアナログの位置でもきれいな画面を見ることができる。日本の技術力のすごさといっていいかもしれない。 外付けHDD録画という方式は、シャープ以外のメーカーでも採用している。

 東芝がかなり力を入れているらしく、シャープか東芝を買うかで迷った。その迷いを払拭したのはシャープの映像の美しさを実感したからだ。 東芝も画面はきれいで価格はかなり安いが、シャープの明るい画面にはかなわないと思った。

 外付けHDD録画は手軽で低価格の録画方式だ。テレビを買う際に店の人に相談してバッファローの1・0TB(テビバイト、1024ギガバイト)を同時に購入した。 先日、新聞の投書欄に高齢の1人暮らしの女性の投書が載っていた。アナログ放送終了が近くなったという字幕を見て年金をはたいてテレビを買ったが、帰り道涙がこぼれたというのである。大事に大事に見ていたテレビであり、まだ使える。だから、買い替えることはつらかったのだろうと思う。

 既に2009年6月に地デジ化に移行したアメリカでは、低所得者へ簡易チューナーを配布している。総務省生活保護世帯などを対象に同じように無償給付を1月から始めるという。当然なことだ。だが、アナログから地デジへの切り替えの際は混乱は避けられないのではないか。そんな予感がする。