小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

890 プロ野球と民放  BSでしか見られないファイナル・ステージ

 民放のTBSグループが、所有していたプロ野球球団、横浜ベイスターズを「モバゲータウン」というインターネット上のゲームサイトを運営するディー・エヌ・エーに譲渡することが決まったというニュースを見た。

  同じ夜、プロ野球のセ・パ両リーグともファイナルステージをやっている。2つの試合ともなぜか、NHKのBSでしか放送していない。民放はどうしてしまったのかと思う。

  BSでしか放送しないということは、地上デジタル放送になったため無理をしてテレビを買い替えたのにBSのアンテナがない家庭では見ることができない。ケーブルテレビや光テレビを契約していれば別だが、まだ地デジのみの家庭が多いのではないか。野球は遠くに行ってしまったようだ。

  日本のプロ野球も今年から米大リーグが使用している統一球に替えた。その結果、非力な日本の打者からこれまでのような快音が聞かれなくなった。西武の「おかわり君」こと中村剛也だけが本塁打を連発したのは例外で、多くの名選手が重い球に苦しみ、3割の常連だったヤクルトの青木宣親は292で終わってしまった。

  それは、日本に出稼ぎにきている元大リーガーら外国人選手にも影響が出た。これまでの軽い球で長距離弾を打ち続けた彼らも、今年は形無しなのだ。統一球は投手に有利になったと言っていい。結果的にいい投手をそろえたチームが上位になった。それだけ、緻密な野球が求められているのだろうと思う。

  たまたまだが、NHKBSでヤクルトと中日戦を見ている。ヤクルトに2-1の1点差で負けている中日は9回表なのに、抑えのエース岩瀬仁紀を出した。

  スピードは往年に比べるとないが、腕を大きく振って投げ込む姿は見ていて気持ちがいい。ヤクルトは三者凡退だった。9回裏、ヤクルトは快速球のクローザー・林昌勇(イム・チャイヨン)を出した。こんな攻防をテレビで見ることができない野球ファンはかわいそうだ。

  追記 6日になってTBSがようやく中日-ヤクルト戦を放映した。中日が勝って、ソフトバンクとの日本シリーズになる。