小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

503 食糧自給率41% お寒い日本の現状

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 日曜菜園をやっている。小さな畑を借りて、季節の野菜をつくっている。今の時期は、ナスをはじめとして、多くの野菜が収穫できるので、スーパーから買う野菜はそう多くはない。しかし年間を通して、家族が食べるだけの野菜を賄うことはできない。2008年度の日本の食料自給率(カロリーベース)が41%と前年度より1ポイント上昇したと、政府が発表した。

 日本の食料自給率は、わが家の野菜供給量と似ていると思う。(写真はわが家の日曜菜園で収穫した野菜) 報道によると、日本の食料自給率は1960年度(日米安保条約の改定で国内が大揺れになった年)の79%から、低落傾向が続き、89年度には49%と50%台を割り、それ以後は夏の低温による大凶作となった93年度は37%にまで落ち込んだのを別にして40%台が定着した。

 08年度、前年度よりも1ポイント自給率が上がったのは、サトウキビや大豆の国内生産が増えて、大豆とチーズなどの輸入が減ったのが要因なのだそうだ。だから、今年以降は上がるという保証はない。お寒い現状がまだ当分続くのではないかと思う。 先進国の自給率は米国の128%を筆頭にフランス122%、ドイツ84%、英国70%と、日本に比べ高いパーセントだ。このような数字を前に、政治家や林水産省の官僚たちは「大丈夫です」と胸を張ることができるのだろうか。

 彼らの多くは土に親しんだことがない。ましてや田んぼに入ってコメ作りを体験した人はあまりいないのではないか。だから、真剣に自給率のアップを考えてはいない。それは、日本の将来を危うくする。 現在、週1のペースで家庭菜園に通う。そのペースを崩してしまうと、菜園は雑草がはびこってしまうのだ。手を抜くことをしなければ、菜園は元気であり、収穫量も増加する。それが分かりながら、時には手を抜いてしまう。そして雑草との格闘が始まるのだ。少しは食料自給率の向上に貢献したいが、ついついさぼりぐせがついている私には、なかなかできないことなのだ。