小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

687 夏の過ごし方 酷暑で早起き現象

画像 「毎日暑くてたまらないですね」と言ったら、人生の大先輩に「気持ちの問題だ。私は暑くてもなんともないよ」と笑われた。しかし、この暑さは笑いごとではない。この夏、熱中症で亡くなる老人が相次いでいる。同じようなブログを2007年の夏に書いた。当時のブログで「熱帯化現象が一過性であることを祈る」と記したが、この日本列島の夏は確実に熱帯化現象に覆われているようだ。 この夏、朝の散歩のスタイルを変えた。毎朝、6時過ぎに飼い犬(ゴールデンレトリーバー、雌・8歳)とともに、散歩に出るのを日課にしている。土日はもう少し遅くて7時過ぎくらいに家を出る。しかし、この時間を30分以上早くしなければならなくなったのだ。 昨年までは6時過ぎの散歩でも何とか我慢ができた。土日は日陰を選んで歩けば、犬もついてきた。しかし、この夏はそうはいかない。この時間帯では日差しが強すぎて、犬もかわいそうだし、私自身も歩くのがいやになる。仕方なくさらに早起きして、少しでも日差しが少ない時間帯に散歩を終えるのだ。 私だけではなくそれまで同じ時間帯にやっていた人や犬がやはり「繰り上げ散歩」をしているのは間違いないし、全国的傾向なのではないか。繰り上げた時間帯にこれまでと同じ顔を見ることが多いのはその裏付けであろう。 列島を覆う酷暑によって、日本人は確実にこれまでより早起きを強いられているのではないか。夜は暑くてなかなか寝付かれないから、日本人の睡眠時間は短くなっているはずだ。 「早起きは三文の徳(得)」ということわざがある。早起きをすると健康にいいし、さらに何かいいことがある―という意味のようだ。しかし、寝不足気味になっているわけで、健康にいいのかどうか。そのほかに、何かいいことがあればと思うのだが、あまりない。それでも早朝の澄んだ空気を吸うことができるのはいいことだと思うことにする。 以前住んだことがある札幌では、ほとんどの家にエアコンはなかった。友人が家を新築した際、エアコンをつけたという話を聞いて、無駄なことをしたねと笑ったことがあった。しかし、今思うと、友人の方に「先見の明」があったといえるだろう。この友人のように、北海道でもエアコンを使い出した家庭が多いのではないか。北海道の人たちの夏の過ごし方にも、温暖化現象は変化を与えているのだと思われる。(写真は、暑くてかなわないという顔のhana)